ロンググッドバイ ドラマ雑感

見ました、NHKドラマ ロンググッドバイ。

原作は、ハードボイルド作家レイモンド・チャンドラー。村上春樹大先生が翻訳してる小説だったりするんですな。自分の信念を貫く屈強な精神と肉体を持つハードボイルドな私立探偵フィリップ・マローが活躍する名作。

なんてかっこいいことは書いていますが、ちゃんと原作を読んだことがない知ったか前回の私ではございます。えぇ。

だって、単行本で1000円ぐらいするんですよ。いつか読みたい、いつかバーで、隣には黄昏ている女がいる。どうやら悲しいことがあったらしい。その女はギムレットを片手に、時折目のあたりを拭っている。慣れない酒なのか、口にしてはのど元に広がる温かさに困惑しているようだ。離れたところで煙草をふかしながらウィスキーをたしなむ俺。俺はマスターに「そちらの女性に合う酒を」と告げる。

少し戸惑う女。そこで俺が一言

「ギムレットにはまだ早すぎる。」

いやぁ、言ってみたい。ハードボイルドに決めてみたいなんて思っていたわけですよ。

そんなさなか、ドラマでやるという話。しかも、NHKさん、しかも全5話でやるということで、そりゃまぁ、楽しみにしていたわけです。

で、第1話で感じたことをちょいちょい。

ハードボイルドさ薄!!!!!!!!!

半熟卵やないか!!

てかね、フィリップ・マローのようなハードボイルドな男ならね、こんなことせんやろと思うようなシーンが多くあったんですよ。

例えば、主人公が警察に拘束されたシーン。自分の信念を崩さない主人公は、警察の自白させるための執拗な暴行にも耐えるわけです。ある意味主人公の屈強な精神力と肉体、知的な皮肉というハードボイルドさがにじみ出てくる重要なシーン。取り調べで、警察に悪態をつくのは、

おっ!!いいぞ!!

となったんですが、主人公一発殴られて、しゅん。


えええええええええええ!!!

そして、結局自由の身になるんですが、悪態もつかずにすたすたと帰る主人公。お前、心折れてるやん。疲れはててるやん。

主人公に近づく、文屋。この文屋は、事件にはでかい権力があると主人公に伝えるわけです。良ければ、車でお送りしますよと。たぶんね、ハードボイルドな男なら、まずは、無視か、そんな気分じゃないくらいのかましは必要だと。車には絶対に乗らないはず。私立探偵だぞ。

あッ…

乗って話きいちゃってるよ、おい

と、突っ込みどころ満載で、ウィスキーと思いきやクーニャンを飲んでいる気分にさせられて少しげんなり。

脚本をみてみると渡辺あやという女性の方。

やはり、男の思うハードボイルドとは方向性が違うのでしょうか。

ともあれ、背景を戦後の日本に変えた感じは違和感もないし、何より豪華俳優陣の演技力と演出力、音楽に関してはかなり渋いし、ハードボイルドな雰囲気はビンビンでてる。

だからこそもったいないんだよなぁー。

とはいいつつ続きが気になるし、また一つ一週間の楽しみができたのも事実。

ちょっと優しい目で見てみようかな。





 

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