見出し画像

姜尚中さんに、20代市民記者がズバリ聞いた 【動画】

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002824

※動画は引用しません

『愛国の作法』出版記念インタビュー (続)
豊原 富栄
2006-11-05 12:50

 10月24日午後に行った姜尚中さんの『愛国の作法』に関するインタビューには、20代の市民記者4人も参加しました。以下は市民記者とのQ&Aの詳細です。

××××××

◆20代市民記者が姜尚中さんに聞く『愛国の作法』


■日本人の歴史の総括■ 【動画1】日本人の歴史の総括(11:29)を見る

【画像省略】

――日本人は敗戦後、アメリカの意志をくんだ国づくりをしたと、知識人は言います。それと並列して、日本人は自ら歴史を総括していないといわれます。日本人は歴史を総括すべきなのでしょうか。

 「日本人と言うとき、1つの集合体としての日本人を指していると思います。『(それを踏まえた上で)総括するとはどういうことなのか』ということですが、それは非常に難しいのではないでしょうか。(総括するということは)結局のところ『靖国問題のは、なぜここまでこじれていったのか』ということになるかと思います。それは結局、『東京裁判をどう考えるのか』であり、そしてさらに進んで『あの戦争をどう総括するか』ということに最終的には帰着すると思います。そういう意味で総括するということには意味があることでしょう」

 「『愛国の作法』には書きませんでしたが、個人から見るとやはり、『昭和天皇を訴追しない』ということ。そして、『あの法廷に立たせないということ(を決めたこと)』が問題になってくるのではないかと思います。もちろん大日本帝国憲法からすると、天皇は当然のことながら実質的な国の主権者です。しかし一方で、天皇は周りにいる大臣によって補弼(ほひつ)にされていた。つまり助言され、示唆を受けるだけで決定権はない。事実上、内閣の決めたことをそのまま承認するしかなかった。だから、そういう意味で(その制度は)立憲君主制だったわけだから『大日本帝国憲法から見ても戦犯ではない』という議論は当然出てきます」

 「何はともあれ普通に考えると、東京裁判にはラストエンペラーの溥儀(ふぎ)も実質的には出たわけです。だから、昭和天皇が座っても不思議ではなかったと思うわけです。ただ、連合国は天皇を訴追しないと決めた。そしてポツダム宣言を受託した以上、『どうやって日本の占領政策をうまくやっていくか』ということを考えた。その中で昭和天皇の持っている利用価値というのをアメリカの中ではかなり議論したのでしょう」

 しかし、だからこそ日本国憲法第1条というのは、(内容において)戦前の天皇制と連続性を担保した。しかし一方で、天皇を訴追しないということは、連合国の中ではかなり抵抗があったわけです。連合国だけをとって見てもです。その(それを解決する)ためにはやはり、日本を完全に軍事的に去勢化する必要があった。それが第9条だったということです。完全に去勢化するためには第9条の、とりわけ第2項の戦力の不保持ということだったわけです」

 「同時に、これは前の沖縄県知事の大田昌秀さんが言っていたことなんですが、沖縄を米軍基地の下に置くのは、『沖縄をアメリカ軍が握っている限りは、いつでも本土の制空権をアメリカがコントロールできる。なにかあればすぐにアメリカ軍が本土に飛来できる』ということになります。つまり、沖縄の軍事基地化ということと第1条と第9条は、太田さんの言葉を使うと“三位一体”といったところなのです」

【画像省略】

 「その三位一体性というものを理解せず、言ってみればそれぞれ自分の都合のよいところばかり(を持ち出して議論する)。例えば、第1条で『国体は護持された』という解釈をし、一方では『第9条は世界の平和にとって大切なことだ』と言う。第9条だけにある種の平和主義の根拠を求めるわけです。その結果として沖縄の米軍基地問題は抜け落ちていった。やっぱり、そこ(三位一体性への不理解)から出発している限りにおいて、歴史問題を考えなければならないということです。『なぜ日本はあの第2次世界大戦に突っ込んでいったか』ということを(考えなければならない)」

 「戦争を論じるときに、人によっては『中国の戦争、つまりアジアとの戦争は侵略戦争だけれど米英との戦争は帝国主義への戦いだ』と分ける人がいます。ですが、それはできないと思います。なぜなら、中国での戦争と、そのこう着状態から米英との戦争が始まったということは地続きなんです。では、『なぜ、あの戦争に向かっていったのか』を考える必要があります。それは基本的には日本が植民地を持ったということから(始まっている)だと思います。その植民地の最終的に行き着く先は満州でしょう。満州は植民地ではないけれど、傀儡(かいらい)国家としての満州国だった。アメリカや連合国軍は『満州から日本の権益を撤退させるなら戦争はしない』という形で日米で交渉をしようとした。けれど、日本はそれを受け入れられなかった。日本軍は満州の権益を生命線と考えていたのでしょう」

 「結局のところ、歴史問題の総括という問題は日本が戦争へと至りついた歴史的経緯について植民地の問題から見ていくということと、最大の犠牲を払った“アジアに対する問題”をどう受け止めるかということ。それをあの東京裁判の中でできなかったことが、根底にあると言えるのではないでしょうか」

 「なおかつ、天皇も訴追されずにいたということ。個人的には訴追するかしないかということよりは、昭和天皇は退位したほうがよかったと思っています。連合国には、A級戦犯として昭和天皇にかなりの刑罰を課すという動きもあったのでしょうけれど、やはり、昭和天皇が自ら退位するという道はあったのではないかと思うのです。歴史資料には(連合国は)そういうようなことを考えていたとあります。けれど『マッカーサーはそれを許さなかった』という人もいます」

 「天皇とマッカーサーの関係というのは、日本とアメリカの関係であったと言えます。これは占領下において、昭和天皇を生かし、天皇の行幸を通じて速やかに日本の占領政策をやっていくという点で、お互いある種のコラボレーションができたという見方ができます。その結果として、原爆の問題も広島・長崎の問題も、結局は徹底して問題の本質を理解されなかった」

 「そしてアジアをめぐる植民地支配と戦争の問題も、それをどこまで深く受け止めるかとなると、議論できなかった。ただアメリカは、広島と長崎に原爆を落としたことを『それが人道への罪であり、平和への罪だ』ということを理解していない。だからこそ今、核拡散をめぐる問題にしても、日本で広島・長崎という唯一の被爆体験という語りと、アメリカで考える『抑止力としての核』ということについてケタ違いに考え方の落差がある。本当はあれを日本国民が知らしめるべきであって、核というものが持っている本性をアメリカ国民に知らしめるという点において、むしろ義務があるのではないかと考えています」

 「しかし、その義務を結局は履行してこなかっただけでなく、日米安保の傘の中に入っているわけだから核抑止力の上に立っている。その(核抑止力の)中で日本の安全は保障されている。しかし一方では、広島・長崎という唯一の被爆国という体験がある。これはどう考えても矛盾するわけです。そうするとインドやパキスタンは『傘に守られながらなぜわが国に対して核実験を止めろというのか』と言うと思います」

 「そのようにしてすべての問題が突きつめられないままきてしまったという点では、歴史の総括はなされてこなかったといえるでしょう」


■学生時代の思い出■ 【動画2】姜尚中さんの学生時代(5:48)を見る

【画像省略】

――私の両親は(70年)安保(闘争)の頃に学生だったんですが、最近、家で政治の話をするとちょっと怖いといわれてしまうんです。姜尚中さんは学生のとき政治についてどんな立場でいらっしゃったんですか。

 「まったくの政治オンチでした。政治というものがまったく分からなかったですね。高校まで野球をして、大学でもちょっとやっていたんです。(そんな感じだから)まったく政治というものが分からずにいました。ただ、1つだけ違和感があったので、どうしても左翼という方にはいけなかったんです」

 「それは高校時代に水球部にいた友人が、ある日、うちの下宿に駆け込んできて、当時新左翼の教祖と言われた人の全集を持ってきたんです。『ここに大変なことが書いてあるからお前読め』って。それでいろいろ解釈してくれて、ちょっとびっくりしました。しゃべり方ももう東京弁に変わっていたもので(笑)。僕は熊本弁が抜けなくて『~さ』なんて言われるとちょっと違和感があったんです。これはある種の転向じゃないかと思いました。『よく変わったなぁコイツ』という感じです。どちらかというと彼もスポーツ体育会系なのに、『革命を起こすにはこうしたほうがいいんだ』なんていうのです。まるで何かにつかれたような感じでした」

 「僕はオクテだったから『う~ん』とうなりながらご高説を聞いていました。今の彼はどうしているかなぁと思います。だから、意外とそういう方向には行けなかったのです。行けない自分が非常にみじめだったし、やっぱりいなかっぺだから遅れてるのかなぁと思いました。熊本遅れてるけん(笑)。その遅れ(ビハインド)を何とか克服するというか、熊本から来た人間は意外と右も左も極端に走る。1人は連合赤軍に走ったやつもいます」

 「だからなんとなく『自分はビハインドがある』という意識があって、まったく政治というものに興味がなかったんです。やっぱり(僕が)変わったのは韓国に行って、そして金大中氏拉致事件があって、それで変わったんだと思います。それがどうしてだと考えると、日韓の間の中でわれわれのような普通の人は、『煮て食おうと焼いて食おうと』される側にあるのではないかということを初めて実感として感じました。陰の地帯が見えてきて、その陰の地帯は何なのかと考えるようになった。そういうことから変わっていきました」

 「政治の話をすることが、仲間内の間でも会社でも職場でも『あの人ちょっと変なんじゃない?』といわれる時代になっていること自体が、この社会の長い長い後遺症が続いていると思います。連合赤軍事件が起きて、浅間山荘事件が起きて『こんなことをやるような学生だったら、大学に行かないほうが良い』ということになっていたんでしょう。あれは70年代の初めくらい。そういう人たちのそういう時代だからこそ、オウム真理教みたいなものが出てきたんじゃないかと思います。社会や政治や国というものにコミットすることを、特定の特別なことのように考えてしまう。今の韓国は別だけれども、つい最近まではそうではなかったと思います。過剰なほど政治的な面があった。しかし最近はそこからくたびれて変わってきたとは思います。まあ僕個人は平凡なありふれた人間だったということです。ありふれた形でしか物事は見られないんですよ。ありふれた回答になってしまいましたね」


■愛郷と愛国■ 【動画3】愛郷と愛国(5:02)を見る

――愛郷と愛国についてなんですが、僕はそういう風に思えず、東京で働くのは国のためという感じがしなくはないです。でも地元で働くならば地元を愛して貢献する。そしてそれが最終的には国のために働くことなんじゃないかって。こういう風に考える若者もいると思うんですよね。姜さんとはまったく違うけれど。

【画像省略】

 「1つは『美しい国へ』のなかでも出てきてると思うんですけれども、結局、行きつく先は“死”という犠牲を国民が自ら進んでやるということが愛国心の究極の形態なのです。しかし自ら“死”を提供するなんていうのは、自然な感情ではないわけです。かなり作為的に(教育によって)作らなければ、そういう感情というのは現れない」

 「ただ、どこで生まれたかということは別にして、自分の『ふるさと』を愛するということ、自分の慣れ親しんだところを愛するという感情は(教育しなくても生まれる)かなり自然なものでしょう。やはり、『愛郷』と『愛国』は違うのです。本にこのことを書いたのも、『愛郷心と愛国心というものは原理的に違う』ということをきちんとしておきたかったからです。愛郷心を踏み潰していかないと愛国とは成り立たない。しかし、愛郷心が愛国心にうまく動員される面と、愛国心という上から押し付けられる面がある。ある種ナショナリズムに近いものが、打って返す拠点になるものとして、愛郷心を利用する点があるのではないかと思います」

 「あとがきにも室原知幸という人の話を出したのですが、今の日本の社会を見ていると地域というものが結構大変で、あまり恵まれていない人々やいろんな人々が地域で疲弊しているというのも事実でしょう。けれども、僕はわがふるさとを愛するという気持ちはあるし、ただそれが国と場合によっては対決したり、国の歩みに対して対決したりすることはあり得ると思います」

 「沖縄の新川明さんという人は『琉球独立論』というのを唱(とな)えています。しかし、彼は必ずしも“独立”という意味ではなくてパトリオティズムなんだと思います。沖縄・琉球というものを、国はどれだけ踏み台にしてきたかという異議申し立てをするわけです。そんなことを考えて、愛郷と愛国は違う、違うけれども連続しているように見せるものがあって、どう見せるかということを考えて問題提起をしたかったんです。違うということを踏まえて愛国心というものを見なければ、と問題提起したかった。でも、熊本に帰りたいときはありますよ(笑)」


■歴史認識と現在を生きる私たち■ 【動画4】歴史認識と現在を生きる私たち(9:45)を見る

――郷土を愛することの延長線に「愛国心」という言葉があるということで、根無し草のようになってしまった若者が奮い立つ思いをしていると考えられます。それは忠誠心だとか帰属する場所がほしいからだと思うんですが、形はどうあれ、現在の若者にとって政治に対しての意識はそういう動きの中で高まっていると思うのですがいかがでしょうか。

 「本にも少し書いたかもしれませんが、ミーイズム(私・自己中心主義)だとか、学生時代に本当によくはやった言葉で『アパシー』というのがあります。これは無寄生ということなんですが、三無主義というものです。何も関心が持てないという。今おっしゃったことを政党政治で言うならば、無党派で投票にも行かないし、政党活動もしないというような感じです」

 「そういう人たちがある日突然、オール政治になる。例えば、北朝鮮の問題が起こるとそこにはせ参じ、そこをバッシングすると言うことです。あるいは小泉氏が靖国神社にくれば鈴なりになって、なんとか携帯電話で彼を撮ろうとする。それは小泉氏にシンパシーを持っているかどうかということは別にして、極端にブレるということの現れだと思います。これが問題なのです。『愛国心は』というものが極端なブレの1つのスローガンのようになっている気がします」

【画像省略】

 「重要なことは、一定の横のつながりを持って政治へコミットするときにオール政治にならずに、やはり地域社会の中で市民として常に政治と向き合うということです。何か政党や政治家に対する過剰な期待もないけれど過少な無関心もないという姿勢です。政治への関心ごとは『お母さんが政治の話をすると、女の子なのに』と(たしなめる)こともなければ、過剰な政治へのコミットメントでもないようなあり方が普段着の愛国心じゃないかと思います。それが市民性というならばそうかも知れません」

 「政治に対して認識を高めていると言いますが、そうでしょうか。認識は高まっているのでしょうか。極端から極端へブレたときに、ボーンとオール政治に変わった人たちはやがて、急速に政治から手を離れていくということはあるでしょう。それの繰り返しだと思います。オール政治に変わったときに、過剰なナショナリズムがばっこして、そこでいろいろな問題が起きている

 「例えば、『中国・韓国何するものぞ』となったり、『韓国を黙らせろ』や『中国を黙らせろ』ということにもなりかねません。もちろんこれは中国・韓国にも言えることです。日本と中国と韓国ではグローバル化の発展段階は違うのですが、そういう没政治からオール政治へ急速にブレていく。そういう社会構造みたいなものができあがりつつあるのではないかと考えます」

 「それは都市のどちらかというと社会的に所得水準が低くて、しかも学歴は非常に高くて、かなりいろいろなルサンチマン(嫉妬などの感情が反復され内攻して心に積もっている状態)を持っている人で、政治的に代表していると自分で自分に思えない人々が、一定の都市化が進み一定のグローバル化が進む中で極端なオール政治として現れてくる。それが反日という形になったりするわけです。日本では今、靖国神社で若者が鈴なりになったり、靖国神社はじまって以来のことじゃないでしょうか。また、同様に北朝鮮に対しても馳せ参じてバッシングするのではないでしょうか。当然、北朝鮮は批判してしかるべき行動をしていると言えます。そういうオール政治が出てくる内実を見ると、実は横の関係があんまりないんだと思います。例えるなら、非常に砂粒のように、流砂のようになっているわけです。そういうようなことを感じます。そして政治への関心や認識が高まっているとは思えないのです」

 「(時間軸の違う問題を語られると)ギャップがあるということですが、今を生きている若い人たちは、そこに原因があるとすると自分たちはなにをすれば良いか分からないと……。しかし、それは必ずしもギャップではないと思います。靖国の問題がなぜ今こういう形で出てきたのか、今を生きる人であれば誰しもが関心を持てるし、それに対してどうしたら良いかということは過去に起きた問題ではあるけれども、ずっと現在もわれわれを動かしているのです。そうするとその問題をどう受け止めるかということは、今を生きている私たちにとっても共通のテーマではないでしょうか。だから『歴史の問題は歴史の問題で過去に起きたことで今の私たちと無関係』とはならないと思います。形を変えてその問題が累積されて、依然として歴史の問題は生きているということです」


×××××

【画像省略】

『愛国の作法』姜尚中
  国を愛することや愛国心といった「殺し文句」の感情的価値に大きな変化が起きていることだけは確認しておきたいと思います。このことを確認した上で、わたしはあえて国を愛することや愛国心といった「禍々しい」言葉から逃げず、むしろそれが思い起こさせる情念――「誇り」――をしっかりと受け止めつつ、その中に含まれる他者とのつながりを求める契機を探り出してみたいのです。つまり、愛国心なしにすまそうと考えず、むしろその中に飛び込んでいって、愛国心のあり方を問いつめ、その中から「愛国の作法」のようなものを考えてみたいのです。(『愛国の作法』朝日新書・「はじめに」より抜粋)

『愛国の作法』朝日新書001
2006年10月
735円(税込)
著者 姜尚中
××××××                           
姜尚中(カン・サンジュン)
政治学者。1950年、熊本市生まれの在日韓国朝鮮人2世。早稲田大学大学院政治学研究科博士課程終了。国際基督教大学準教授などを経て、98年から東京大学社会情報研究所(現・大学院情報学環)教授。著書に『アジアから読む日本国憲法』『ナショナリズム』『在日』など。


【関連記事】
『愛国の作法』を書くということ【動画】
姜尚中氏が語る『愛国の作法』

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは93件。取得に失敗しているので保全できたところまで引用します。

93 rattler 11/17 01:05
お互いのコメントの文章を読み返していて興味深い点に気付きました。
>同じスタイルを持つキリスト教の中に自ら投射し直す必要があった
と姜尚中氏が在日をアーレント女史のパーリアに重ねる行為の共通性です。
韓国民族とは深層心理の中で自身の現実の姿を嫌悪しているコンプレックスの固まりみたいなものではないでしょうか。
自己の逃避としてキリスト教やユダヤがあるのかも知れません。
これに関しては他の事例とかもあたって掘り下げてみたいところですが・・。
色々調べたり確認したりという時間を考えると、そろそろタイムリミットのようです。

最後に
madomaさんとの意見の交換は私にとって有意義なものでした。
ありがとうございます。
機会があればまたネット上のどこかでお会いしましょう。

92 rattler 11/16 21:49
で以前、姜尚中氏の引用について後回しにした件を書いておきましょう。
靖国論で姜氏は石橋湛山の「靖国神社廃止の議 難きを忍んで敢て提言す」から部分的に引用しています。その前後の文章にも若干の説明が加えられてはいるのですが、石橋湛山の全文を読むとそこには保守派リベラリストとしての石橋湛山が考える現実的な部分、そして日本・日本人・戦没者に対する愛情がベースとなっている事が汲み取れます。未来の世代への羞恥心をもってやり直すと言う一方向の姜氏とは主張の根底が違う。言葉の上澄みが同じだからといって引用、自分の思想に利用するのは如何なものなのでしょうか。

姜尚中さんへ。(見てるかどうか知りませんが)
アーレント女史にしろ湛山氏にしろ自分の都合の良い解釈での引用は辞めた方が良いと思います。
アーレント女史のパーリアの前はエドワード・サイード氏の周辺者・亡命者でしたっけ?
在日韓国人は在日韓国人であって他の何者でもありません。
次に本を出される時は全て自身の言葉でお願いします。その方が貴方が何者か日本人が理解出来るでしょう。

91 rattler 11/16 21:31
>madomaさん

私は韓国や韓国左派ナショナリズムとキリスト教の成り立ちを合わせて考えた事はありませんでしたので興味深く読まさせてもらいました。本来であれば自分なりにその手の資料・ソースに目を通し自身の意見を書くのが筋だと思いますが何せ時間がありません。。。ただ姜尚中氏はプロテスタントらしいですよ。外国人指紋押捺問題(84年)以降洗礼を受けたようです。(Wikiより)

>87について
リッター氏に関しては本書内で16行でしか触れられていませんね。187pです。イラク戦争を反対する大衆の前で「私は愛国者だからこそ、この戦争に反対する」と言った内容ですのでイラク戦争に大義がないと言っただけだと私も思いますしこの文章はそうでしか無い。ただ姜尚中氏はこれを「私は愛国者だ。日本を愛する。日本憲法を愛する。だからこの戦争に反対する。と言える日本人は何人いたでしょうか」と強引に繋ぎます。時代だの何だの全て混ぜ合わせての主張となってます。戦前戦中の日本人の事に向けている言葉になっているようにしながら現代日本人に対しているようにも読める。madomaさんの仰る糾弾する時の前者なんでしょうが、このテの書き方は他にも何か所かありますね。この人の頭の中はいまだ日本=大日本帝国なのかって感じです。ま、韓国の対日ナショナリズムも根底はハッキリ言って対日帝ナショナリズムですから。

90 madoma 11/16 18:14
 韓国は国民の四分の一がキリスト教徒という、アジアでも有数のキリスト教を愛好する国です。対外的な布教にも熱心で、アメリカに次ぐ二番目の勢力を持っています。これが意味するところは何かと言えば、唯一神を信仰するというスタイルが、韓国という国の民族性に非常にマッチしていたということです。そしてそれは、キリスト教よりもユダヤ教により深い感情を持っていたのではないかと推察できます。ユダヤ人ではない韓国人がユダヤ教を信奉するわけにはいかず、同じスタイルを持つキリスト教の中に自ら投射し直す必要があったと考えます。むしろ、キリスト教の体を成す、新興宗教に近いのかもしれません。
 ユダヤ人と韓国人の類似点。それは、両者が共に覇権の狭間の存在として漂い続ける宿命を持ち、自らそれを根本的に解決する手段を持たないということです。両者が最も恐れること、それは民族の滅亡です。いま韓国が熱心に行おうとしていることは、自らの国が消滅することさえも視野に入れ、それでも民族として生き残り続けるための準備といえるでしょう。
 振り返って日本人は、もう何国人にもなれるのだと思います。それこそ必要とあれば韓国人にも中国人にも、それこそコスプレのようになりきる手段を身につけてしまっています。なんでも飲み込むのが日本人の特徴でしょう。
 私はそんな日本が好きですがね。
 もしいつか姜尚中さんと話ができるとしたら、宗教観について伺ってみたいですね。

89 madoma 11/16 18:13
 そろそろ終わりに近づいているので。

 実のところこの記事や人物、韓国について調べていけばいくほど、どんどん怪しさやうさんくささが増してゆくという感覚を味わいました。人は理解できない物には嫌悪を抱く生理を持っているので、客観的な理解こそがそうした感情を払拭し、次のステップを提示できるのではないかと考えています。

 最後にトンデモを語るのはどうかなと思うのですが、私自身の韓国理解についてまとめてみたいと思います。

ナポレオン・ボナパルト
『愚人は過去を、賢人は現在を、狂人は未来を語る』
『愚かものは経験に学ぶが、我輩は歴史に学ぶ 』

 歴史の中に韓国という国の行く末を探すと、一つの例として古代イスラエル王国に行き当たります。あまり知られていない事実として、古代イスラエル王国は、有名なソロモン王の死後、部族間の統制を失って北王国(イスラエル王国)と南王国(ユダ王国)に分離し、政争を続けた末にアッシリア帝国という外圧によって滅亡(南王国はしばらく存続する)します。その後もアッシリア帝国から新バビロニア帝国に覇権が移ったり、属領として自治をしたり独立戦争を引き起こして失敗したりと、様々な形で小国の悲哀を経験してゆきます。しかし、ある意味ここまで覇権の中で揉まれたユダヤという民族が、現在に至るまで生き残るのに至ったのには理由があり、一つには宗教的結束があったと言えます。唯一神を崇めるユダヤ人は当初より多神教の地域では異質な存在と知られ、商売人としてはギリシャ人と競合することから、煙たい存在としてしばしば迫害されたとあります。そこにどこか現在の韓国を彷彿とさせるところ感じました。

88 madoma 11/16 04:37
 そもそもアメリカにおけるいわゆる「愛国」とは、日本に置ける「保守」です。日本ではしばしばファシズムとしての「愛国」と保守としての「愛国」が混同されて、糾弾する時には前者、主張するときには後者が使われます。「愛国」という看板を同じくして、違う主張をするのがそもそも表現者として、他者に正確に物事を表現して伝える努力を怠っていると思います。保守である人は昔から大勢いて、急に増えた訳でも減った訳でもありません。
 保守にしてみれば「愛国」も「平和」も同じ、都合の良い偶像に過ぎません。「愛国」「平和」という神を信じて、その教義を広めるべく熱心に布教活動をし、時には違う神を攻撃し、自らがいただく神の威光を大きくさせようとしているだけで、そこにいい「愛国」も悪い「愛国」もありません。「いい愛国」神と「悪い愛国」神がいるだけです。地域社会に貢献して、よりよい生活と幸福を求める人には、別にアクティブな神はいらないわけです。
 私は左派ナショナリズムの中に、一神教であるキリスト教の成り立ちを見ます。ローマ帝国下のヘロデ王は、統治に頭を悩ませる保守の人であったのではないでしょうか。

87 madoma 11/16 04:36
rattler様

>時期が時期ですしその件に関し別の所が炎上していますので仕方ないのでしょう。
 このまましんみり終わっていきそうな雰囲気ですね。
 姜尚中さんのルーツに関する部分は把握していない部分でありましたので、非常にわかりやすく解説していただけたと思います。ありがとうございました。

 ではできるだけ先に進めていきたいと思います。
 姜尚中さんはインタビューの中で、「愛国」に対する懸念と「愛国」のあり方についても述べており、元国連大量破壊兵器査察官スコット・リッターさんの言葉を引用して、イラク戦争に反対することが愛国の明かしである、と解釈しています。
 リッターさんが参加したシンポジウムの内容を精査していないので、想像として書きますが、リッターさんは全ての戦争に関して反対を述べる、即ち反戦を愛国者の証としていたのではないと思います。イラク戦争に大義がないと言っただけではないでしょうか。

86 rattler 11/14 09:08
日本人でさえ地方は高卒はおろか中卒で就職する時代に大学生ですから在日韓国人としては恵まれていた環境の氏が本国の独裁政権下の民衆の実体、決して親日とは言えない朴政権も圧政の民衆から見れば親米・親日に映る事による民主化運動の根底に流れるナショナリズムに接し自分の在日の立場を憂い韓国民族としての自覚に目覚めたのは訪韓以降、永野鉄男という日本名を姜尚中に変えた事実が物語っていると思います。左派的思想だった若者が民族に目覚めた訳ですからここに完璧な韓国民族左派、左派ナショナリストが1人誕生した訳です。
この本は日本で生れ育った「在日」韓国人が書いているその「在日」というワードが読む人によって印象が別れるスパイスになっているのかも知れませんが韓国人左派ナショナリストが書いた本と考えれば非常に分かりやすいと思います。
もし盧泰愚大統領(左派ナショナリスト)が「日本人は愛国心を見直したらどうだ」とか言うタイトルで本を出したとしたら内容的にはほぼ同じものになるのではないでしょうか。

85 rattler 11/14 08:55
韓国は右派左派問わず多かれ少なかれ反日です。韓国人としての対日思想からくる意図的な反日思想と考えていたのですが元々左派思想であるなら話は少し違って来ます。

姜氏が学生時代に所属していた韓学同は民団傘下にありながら民団内民主化闘争を行っており在日の立場から対外的には行動的では無かったようですが日本の学生運動とも繋がりはありました。
韓国民主化(反朴政権)や戦後日本の平和主義に(在日の立場として偏見・差別と言う意味で)異をとなえると言った思想を既に持っていた姜氏が72年の韓国でわざわざ「民族的」に目覚めたと言うのですから私が考えた単純な韓国ナショナリズムの目覚めは違うと言わざるを得ません。
憶測と言われればそれまでですが72年の訪韓は、所詮日本在住の「『在日』韓国人」の視点での思想は机上のものでしか無いと感じた氏が自分の思想・活動を本国にて確認をするといった意味合いもあったのではないでしょうか。2部の記事中で述べている訪韓の感想、「それこそ飲まず食わずで働かされている労働者が焼身自殺をして労働者の人権を訴えるんですね。あれがちょうど僕が行った前後、それで『えっ!』と、『自分の父親と母親の国はこういう国だったのか』と驚きました。」という記述は事前に学生運動家として韓国の状況はそれなりに知っていた筈ですので不可解とも感じますが本国の状況は氏の予想を超えていた、その驚きととれば理解出来る文章です。

84 rattler 11/14 08:38
>madomaさん

>他の方からまったく議論の提示がない
時期が時期ですしその件に関し別の所が炎上していますので仕方ないのでしょう。

madomaさんの考えと大体被るのですが
以前の私の主張の若干修正もあり私なりに総括してみる事にします。

私は、今迄私が把握している姜尚中氏の発言内容や姿勢から氏に反日思想を感じていました。
ただ氏の捉え方としては韓国ナショナリズム=対日ナショナリズムが根底にある在日韓国人学者といったものでした。
madomaさんとの議論の中で出て来た70年代というワード。(これは姜尚中氏自ら「民族的」に目覚めた年代と言っている事に因る)これについても70年代という時代(氏の訪韓は72年)の朴政権は経済優先政策、独裁主義ですから姜氏の思想と被るものは無い。もし被るとすれば南北統一、ナショナリズムくらいのもの。また「民族的」に目覚めたと言う文章には政権や政策は含まれないだろうし独裁下の労働運動や学生運動と被せてもナショナリズムくらいだろうから、「民族的」な目覚めを単純な韓国ナショナリズム(所謂反日)の目覚めと理解したのですが、意見を交換している内その括りだけで良いのか、あまりにも単純な受け止め方なのかと考え以前読んだ韓国関連の書籍を引っ張り出したりネット上で情報確認したりしたところ考えを改めるざるを得ない事となりました。

姜氏は訪韓以前より民主化を標榜する学生運動家です。

83 madoma 11/14 01:49
 ではどうしてその時代錯誤な発想がいまでてくるのか、という分析をする中で、姜尚中さんは韓国人であるというアイデンティティに多くの発言を由来させていることがわかり、では韓国人のアイデンティティがなんであるかとしたとき、中華思想(中国・中央、韓国・地方、日本・辺境)というまとめ方と左派政権思想とのミックスが、姜尚中さんの発言の根幹にあるのではないかという推論に至ります。
 最後に姜尚中さんは、民族意識の大切さを提唱する思想家の一人としてハンナ・アーレント女史を引用するのですが、それは都合の良い解釈ではないかと指摘しています。経済と政治思想に関して大きな対立のないユダヤ人と、大きな対立のある韓国人では、民族意識自体が違い、同列で語るのはやや拡大解釈なのではないかと。
 おおよそ私が感じた姜尚中さんは、見かけ倒しである、という結論を持っています。それは左派論陣が持つ、希薄な現実感覚と非常によく似ていて、説得力や実行力、及び世を変えていくムーブメントとして浅いと言わざるを得ないと思います。

82 madoma 11/14 01:47
 せっかくトップに掲示されてそれなりにヒット数も増えているのに、他の方からまったく議論の提示がないというのは、とても残念です。この議論はもうじきに終わってしまう訳ですし。
 その意味で、これまでの議論を簡単にまとめましょう。
 私はそもそもこのインタビュー記事の起こし方に、動画で姜尚中さんが答えている表現といくつも違うところを発見して、姜尚中さんの発言として先入観のある日本の歴史観(昭和天皇の戦争責任や東京裁判の不理解を姜尚中さんが指摘しているように見せている)を植え付けようとしていることに問題がある、と編集部のモラルを問いました。ただこの指摘についてはほとんど触れる方が居らず、では一方として姜尚中さんが本当に言わんとしていることを確かめようと、その発言を確認する方に移っています。
 書籍『愛国の作法』のプロモーションという意味もあり、つまりは姜尚中さんからはよりよい日本の提示がされているわけですが、国際政治という観点から言って、思想対立が主であった冷戦構造的な提案がなされていたことから、それは時代錯誤ではないかと指摘しています。

81 madoma 11/12 22:25
 70年代の韓国に関しては、姜尚中さんが何を見て、どう思ったのかがないと、残りが全て憶測になってしまうと思います。意見としてのクオリティを上げるには、70年代韓国をライブで知っている人の意見と、姜尚中さんの実体験、それに地域経済と地域政治が出そろわないと意味がないと思います。私はもっぱら経済と事件を追う訳ですが、ちぐはぐな印象がどうしてもぬぐえません。なにかこのばらばらな状況を一本化できないかと考える訳ですが。

 例えばこんなのはどうでしょう。
 韓国において、権力をとるための基盤は三つ、軍事と経済と政治思想があります。軍事と経済はおおよそ兄弟みたいなものでしょうか。
 軍事無いし経済があれば、政権は取れます。ただし、政治思想はないがしろにされます。政治思想をつきつめれば、政権は取れます。ただし、経済はガタガタになります。両者は共に権力に固執するという点で一致して、協調することなく互いに悪とののしりながら争い続けます。韓国のナショナリズムは権力を握るための極単純で必要不可欠な回路の一つなのではないか、という説です。
 ユダヤ人が経済的成功と民族悲願の結晶としてイスラエル建国という政治信条的成功でもって自ら律する中で、韓国人は経済的成功を政治信条でもって否定し、どちらがより韓国にとって有効であるかというマッチポンプに陥って、いつまでもいつまでも足踏みを続けている印象です。そこには反面教師的な学びしかない、と考えます。

80 madoma 11/12 22:23
rattler様

>残念な事に編集部がコメント欄からのオピニオン会員一掃を決定しましたね。
 おやまあ。いままでの苦労が水の泡ですね。
 コメント欄に関する議論には参加しませんでしたし、こういう結論に至るとも思っていませんでした。固定ハンドルを使って責任ある言論を自分なりに精一杯やったつもりですが、雑音の大きさ故に消えてゆくというのは悲しいことです。ネットオークションと同じで、オピニオン会員評価とかつければよかったのでは? 後の祭りですね。
 韓国系メディアということで、理不尽な叩きがあったことも事実ですが、それも一段落したとばかり思っていました。
 記者転向はいまのところ考えていません。参加できる他のニュースサイトを探してゆくというところだと思います。議論の魁となる最初の記事を書くのはなかなか骨の折れることだと思うのですが、ちょっと怪しげなまとめ方をする市民記者と同列にされるのは遠慮したいと。市民記者の質を上げることに失敗し、オピニオン会員の管理に失敗して、管理体制だけ強化するのは納得いかないですね。

79 rattler 11/12 19:40
確かに70年代の韓国はまだら模様とも取れるうねりの時代的印象もありますね。朴正熙政権時代を一言で語るのは不可能でしょう。
朴正熙氏を併合時代の対日協力者(日本の陸軍士官学校卒業)・親日家と言う見方もありますが
一方、知日家ではあったがナショナリストであったという見方も目にします。
朴正熙政権はまず経済優先でしたし反共主義を強く打ち出していました。資本主義による半島の統一を目標に掲げています。で1965年、日韓の国交回復も成し遂げています。
しかし外交政策としての日韓国交回復の第一目標は日本の植民地統治及び戦中に対しての謝罪とりつけであり(当然補償も)実際、請求権問題が最も紛糾したと言われています。
また、国交回復自体に対し国民の反対の声を押さえてとか謝罪や補償に関しての日本政府の態度に韓国の民衆は反日感情を募らせていたという記述を目にした事もあります。
また韓国民の当時の感情を推測する事実として◎1971年の大統領選で朴正熙氏は金大中氏に迫られている事。◎急激な経済成長から来る労働者への負担増。◎1974年の文世光事件における日本政府の対応に対しての反日感情などがあげられると思います。
また政権自体、初期段階の権威主義は愛国と表裏一体と捉える見方もありますし、74年の文世光事件に関しては対日断交まで検討していた事が後年判明しています。
この時代の韓国は経済発展推進でしたからmadomaさんの仰るように内政重視だったでしょうし
実際の経済成長や反共主義、独裁体制に目が行き対日ナショナリズムは表だって見えない印象ですが
政権、国民感情、民族意識から対日ナショナリズムが消えていた訳ではないと思います。

78 rattler 11/12 19:21
>76.madomaさん

私もアーレント女史に対する姜尚中氏の解釈には誤解と言いますか無理があると思います。madomaさんの意見に異論はありません。
出来ればアーレント女史に精通した方の参加の望みたいところですが、ユダヤ人と在日韓国人を重ねる事自体が?です。
アーレント女史以外にも姜尚中氏が引用しているものについて?があるのですがそれは後に回すとして
まず私が考える70年代、朴正熙政権の韓国について書いてみる事にします。

77 rattler 11/12 18:58
>madomaさん

残念な事に編集部がコメント欄からのオピニオン会員一掃を決定しましたね。
多くの方々が異を唱えていますが覆る事は無いでしょう。
madomaさんはどうされるのでしょうか(記者に転向されるのでしょうか)。
私は17日以降暫く様子を見た後omnから去ると思います。
時間は僅かになってまいりましたが此所は時間の許す限りお互いのペースで続けましょう。

76 madoma 11/12 15:19
75の続きです。

 私自身が姜尚中さんの言葉尻を捉えると、言わんとしていることがずれると思うので、結論から先に書きますが、私はハンナ・アーレント女史に対する姜尚中さんの解釈には誤解があると思っています。
 この辺りはハンナ・アーレント女史に関してどなたかに解説していきたいのですが、ネットの情報をもとに考えを構築します。

「1つの民族に属するということを通じて他の民族と共存を図る」

 この考えはアーレント女史が、自らのユダヤ人としてのアイデンティティ行使することで、他民族との共存を実現するのではなくて、アメリカ人になることでユダヤ人であることも内包する社会に参画することではなかったのか、と思います。アーレント女史が本当にユダヤ人たらんとしたのかというところに、どこか違和感を感じるのです。
 自らのアイデンティティを確固としつつ、他民族に溶け込むのは華僑(チャイナタウン)の発想です。私はアーレント女史に華僑の発想があったとは思えません。なにしろ世界には確固たるユダヤ人コミュニティが、その当時無かったはずですから。
 姜尚中さんの言うのが華僑の発想であれば、元々日本に溶け込む気のないコミュニティがそれ以上大きくなるはずもないですし、社会に溶け込みたいのなら韓国系日本人になればよいだけではないでしょうか。
 日本に置けるよりよい在日社会を構築する為にその拡大を目指すのは、本末転倒しているように見えます。おおざっぱにとらえてですが。

75 madoma 11/12 15:14
73の続きです。

 正直な話、70年代の韓国を見て、そこからなにか抽出したようにインスピレーションを受けるという感覚が、ちんぷんかんぷんなんですね。これに関してはもう少し考えさせて下さい。
 親日故の経済発展があって、強い反共とともに親共もしくは親北朝鮮もあって、それのどこから愛国のあり方が生まれてくるのか。私はそこから祖国統一に至る愛国理念より、そもそもこの不可解な政体に疑問を感じます。日本の統治が、韓国の政体になんの貢献もしなかった、50年代に朝鮮王朝時代に戻ったという説があるぐらいです。ある意味韓国内部での熱狂に、見るべき所があるのかも知れませんが。

73 madoma 11/12 12:41
rattler様

 決して日本に対して友好的ではなかった時期の韓国社会を見て、姜尚中さんの中に生まれた思想が、本当に日本のことを思っているのか、という疑問と考えればよいでしょうか。
 韓国の70年代と言えば、61年より軍政化し、63年に大統領選挙を行って79年に暗殺されるまで朴正煕氏の時代であったので、そのどこかであろうと思います。三島事件は70年。
 歴史の連続性から考えてまず、韓国の戦後政権から考えなければならないと思うのですが、48~60年まで李承晩政権があります。この政権は親米反共を掲げ、また国内をまとめる為に反日が掲げられたという認識があり、今日でも問題になっている竹島の問題も、周辺地域の実行支配を狙った李承晩ラインによって確立されたものです。
 この李承晩政権が不正や汚職、独裁などによって、60年に学生革命によって倒れるわけですが、直後に軍事クーデターのあと朴正煕氏による軍事政権が誕生して、反日思想が故に日本との経済交流が行えず、経済発展を送らせた50年代の李承晩政権の反省から、朴正煕政権では日韓基本条約など積極的な日韓の関係改善が図られ、世界の最貧国から一転、「漢江の奇跡」とも呼ばれる経済発展を遂げています。一方で60年代末は北朝鮮との小競り合いが激化し、70年代初頭は言論統制など朴正煕政権の独裁体制が強化されます。
 このように考えると、70年代の韓国はかなりまだら模様だったと思うんですね。50年代は親米反共反日、60年代は親米反共親日、70年代は?米反共?日、80年代は親米反共親日と、日本に対する感情がどうであったのかを類推するのはむしろ困難です。程度、経済発展の影に日本ありというところはあったのではないかと思います。
 70年代は韓国国内及び韓国と北朝鮮の政治に目が向けられた時代ではないでしょうか。

(続きますが、ちょっと休憩を。)

72 rattler 11/11 19:00
71の続きです

で、私が書いた反日と言う言葉の中には意図的と言う意味も含んでいる訳ですが、
姜氏がそうかというと断言出来ないのかも知れません。
ただ民族として目覚めた姜氏が韓国の民族主義・韓国ナショナリズムを思想のベースにしているのは事実だと思います。
madomaさんは私と違い
>どうも日本が好きであるみたいだけど、なにか日本感に誤解があるという感じ
と姜氏を受け止められたようですが
>つまりすごくおおざっぱな言い方をすれば、姜尚中さんは日本に韓国の思想を定着させたい。ただ一般的に言って韓国社会を見ていると、非常に寛容さのない社会に見えるんです。
と感想を述べられています。私もまったく同じ感想を持ちました。
例え意図的な反日思想が無かったとしても
姜氏の主張やこの本に民族主義・韓国ナショナリズム=対日ナショナリズムが流れている事がそう言った感想を引き出す事になっているのではないかと思います。

71 rattler 11/11 18:51
69の続きです

あとがきにも氏が学生の頃の自身について「在日」としての何に自分を賭けていいか見当のつかない、自分が誰なのかわからない不安という状況、「愛国」「憂国」を絵に描いたような三島事件に名状しがたい感情の波(嫌悪感と未知のものへの好奇心)が起こった事記述した後『その後、わたしは父母の国(韓国)にはじめて足を踏み入れ、その経験がキッカケとなり「民族的」に目覚めることになるのですが、それでも「愛国」という言葉には何か白々しい思いがしていました。』と書かれています。これは記事の2部の中にも同様に「民族」として目覚めた記述が見えます。
では氏が「民族」として目覚めた70年代の韓国の思想・教育はどうだったのでしょうか。
国を起こす際に民族主義の喚起、韓国ナショナリズム=対日ナショナリズムを取り入れざるを得なかった理由・現実は今迄このコメント欄に書いてきましたが、70年代にそれがすっぽり欠如していたのでしょうか。姜尚中は50年生まれ、盧武鉉大統領は46年生まれです。姜氏より10才程若い60年代生まれの俗に言う386世代にとっての教科書とも言えるのは『解放前後史の認識』です。民族主義の喚起・韓国ナショナリズムは継続している訳で氏が目覚めたという「民族」の根底にはその流れがあると捉えるのは考え過ぎでは無いと思います。
そう考えると氏が主張する「東北アジアとは、『コモンハウス』(共同の家)」に対してもグローバルと言うより大陸人としてのアイデンティティが根にあるのかも知れません。(続きます)

69 rattler 11/11 18:45
>madomaさん

私も脱線する事があるかと思いますのでその際は軌道修正よろしくお願いします。
>私は姜尚中さん自身の立場を掴みかねているのですが
私は姜尚中に反日思想を感じています。メディアでの発言や氏の意見の中立性に対する疑問は姜尚中氏3部構成記事の2部に書きましたのでお手数ですがそちらを拝見して頂くとして(16以降です)ここでは著作や記事における氏による氏自身の記述と絡めてコメントする事にします。
まず本文中196pに「パトリア」と「ナショナリティ」が全く分裂し、しかも自ら帰属すべき国が外にあり母国と母国語が分離しているとすれば、いったいどこに帰属すべき場所を見い出したらいいのかという自身の葛藤にふれた後アーレント女史の「一人の人間はある民族(国民)の中でのみ人々の中に生きることができる。(中略)そして他の民族(国民)と協調する民族(国民)だけが、われわれみんなが住まうこの大地の上にわれわれみんなが共同して作り上げ管理していく人間世界をうち立てることに寄与することができる」という言葉が胸にささってたとし、パーリア性を脱却し自らを民族に帰属させなければならない、そう思いあえて韓国を選んだとの記述が見えます。その後続けてその帰属は決して自然では無い作為的な決断、韓国を祖国としてみなしていない、わたしのパトリアは日本とあります。生れ育ったのは日本ですからこれは当り前の話で、故郷・郷土と国籍が違う葛藤は理解出来ますけど氏がパーリア性と重ねて考える在日のポジション=あたかも存在しないような見棄てられた人々から脱却し自らを韓国民族に帰属させた事を自分で書いている訳です。(続きます)

68 madoma 11/11 05:21
閃光様

 日本の左翼運動(どこまでという区別がしにくいですが)と韓国の民族主義左翼は、違うものであるという共通認識があると考えればよいのでしょうか。
 とすれば、韓国の自衛を主眼とした軍事費の増大も、いわゆる自由主義諸国への強い態度も理解できるような気がします。
 閃光さんの言葉を解釈すれば、日本の左翼運動は軍事的政治的去勢ということになると思います。思いやり予算などを抜かせば、日本が自らの軍事費とするところは、親米であれば少なく、反日であれば大きくなるというようなシーソーであるはずですから、反米で軍事費減という状況に至るには、やはり去勢ということになるのではないかと。


rattler様

 軌道修正は都度都度行って下さい。私も脇にそれているということは気にはしています。ただ議論の中に多くの共通認識があって、ぱっと見わかりづらいので、状況の整理などさせていただければ幸いです。聞いてみたいこと書いてみたいこともあります。
 もっぱら私は、韓国の次の政権で関係改善が図れるのではないかと楽観してたのですが、自分が思っていた以上に根が深いです。
 一つ、私は姜尚中さん自身の立場を掴みかねているのですが、日本の左派思想を代表する人、あるいは代弁する人、中道左派、もしくはインディビジュアリストなのでしょうか。そのあたり著作と絡めて理解できればと思っています。

67 rattler 11/10 20:03
> madomaさん

私も韓国の左派ナショナリストと日本の左派、左翼の人々は同列には語れないと思います。
66で 閃光(Lightning)さんが既に書かれていますので詳細はさけますが日本の左派には本来の意味のナショナリズムが欠如している。
日本左派に関しては、お二人とも的を射るコメントをされていると思いますがそこまで話を広げると記事とまったく違う方向に行く可能性がありますので韓国の話に戻したいと思います。

韓国の反日思想ですが61で書きましたように解放され国を起こす際に併合時代を全否定するところから始めなければなかった事が大本です。新国家として韓国民の心を同方向に向けるためのナショナリズム--民族主義の喚起、そのための対日ナショナリズム=反日・日本否定。そして民族主義の根底にあるであろうmadomaさんが仰る古い中華思想と大陸人としてのアイデンティティ。これをベースに国起こしをしてきた訳ですから根は相当深いと言わざるを得ない。現左派(左派ナショナリズム)政権のみならず政権が交代したとしても反日という思想を捨てる事が出来るかというと非常に疑問です。
将来的に反日を捨てる日が来るのかも知れません。独立国としてのアイデンティティと経済感覚を持ち国の政策に疑問を感じる若者がいると私も思います。でも近い未来とは考えられない。

で、私の52のコメント・質問におつき合いいただき色々2人で韓国の反日思想・反日教育を論じて来ましたがそろそろ今迄の書き込みをベースに『愛国の作法』の話に移りたいと思います。また改めて書き込み致します。

66 閃光 11/10 13:05
>madoma(madoma)さんへ

日本の左翼と韓国の盧武鉉大統領ってのも全く違いますね。
日本の左翼にあるのは徹底した日本へのサディズムのみですが、盧武鉉大統領は民族主義左翼と呼ぶべき物ですね。
だから、韓国は軍事費も急増していますし、保守系の政権よりも反日反米民族主義的です。 日本の左翼だったら、米国との関係を疎遠にした上に、防衛費を減らし、日本の防衛力を無力化しようとするだけでしょう。
そして日本人の贖罪意識を煽り、中国様南北朝鮮様の奴隷になりましょうと叫くだけです。 そこにあるのはナショナリズムどころか徹底した日本へのサディズムのみです。

65 スナギモ 11/10 09:43
おたきち氏 wrote:
>などと「国籍お差別」じみたことを語られるのは、文明国の国民としては、「恥ずかしい」ことだと思っておるのでございます。それで「日本人の恥」と書かせていただきました。

都知事の発言に噛みつく輩と同じですね。
在日だから差別されたことにしたい、というロジックはタカリが得意な在日と同じですね。
ここで指しているのは「在日」ではなく「タカリが得意な在日」ですよ。
どうやらおたきち氏は、日本人じゃないようなので、日本語が苦手なのは理解できました。

>それを気にせずにどうどうとかかれるあなた様の感性は、おそらくネトウヨにありがちな幼児のそれかと思いますので、理解ができるかどうか?は不安ですが・・・。

都合が悪くなると「ネトウヨ」と馬鹿の一つ覚えを連呼する幼稚な人間には理解できないのでしょう。

64 madoma 11/10 03:30
rattler様

 韓国が左派政権であることは、あまり知られていませんね。
 盧武鉉大統領は、東洋のカストロ議長ということであれば、反日教育も反米も程度理解できるところです。
 しかしそうするとますます落としどころが見つかりません。

 自虐史観であるとか、土下座外交であるとか、日本の左派系党首を首相に迎えた時期もあったわけです。ある意味それは左派系のナショナリズムが日本国内に浸透した結果だと思っています。でもそれが非常に大きなダメージを、日本の社会に与えたと思うんです。

 記事を部分でとらえるのはあれなのですが、『歴史認識と現在を生きる私たち』の中で、姜尚中さんは日本人の政治意識の無さを指摘していますが、私は実体は逆だと思っています。非常に強固な政治意識が、公立学校の中で成立していて、子供達がそれを政治と知らずに行使する、すなわちイジメを行うことを一つの権利としてしまっています。私はこれが学校内で行われた政治活動と無関係ではない筈です。
 あるいは左派ナショナリズムこそが、人々の政治離れを促進したし、権力の味がいろんな人を苦しめたと思っています。左派の人が持つある種の正義感は、権力と結びつくと非常に極端に作用するし、権力がないときはテロとして暴力に転化されています。
 環境テロリストとか、左派運動家に非常に良く似ています。

 ある意味、韓国には極左と極右しかいなくて、日本に置ける少しにの右も極右と決めつけているように見えます。近視眼的というところでしょうか。

63 おたきち 11/09 21:42
60 rattler 殿

あれ、私の発言はスルーするんじゃなかったの?

いかんよ君、人に言っておいて自分で破っちゃ駄目だよ。まったく、しょうがないねえ。(笑)

62 おたきち 11/09 21:33
アメリカの中間選挙で共和党が惨敗しました。上下院とも、民主党が過半数を取るようです。
イラク派兵や福祉の切捨て、中絶問題を巡る対応などなど、武力行使の行き過ぎや保守的に偏った政策の失敗が招いた結果だと思います。行き過ぎた保守主義からリベラルの方向へのゆりもどしがこれから起こるでしょう。アメリカの対外政策というものも見直され、いままでのようなネオコン主導の先制攻撃主義は改まるのではないでしょうか?そうした意味で、世界に大きな影響を及ぼす選挙でした。

転じて、これからの北朝鮮問題や東アジアへのアメリカの対応などにも転機が訪れるでしょう。
6カ国協議は継続するとして、対北朝鮮政策がなんらかの変更をこうむることが予想されます。民主党政権のやり方として、北朝鮮に対していくらか態度を軟化させるのではないか?と思います。北朝鮮がそれに乗る形で、核の放棄に同意するのが、方向としてはいいでしょう。中国の北朝鮮に対する態度も以前とは変わっていますし、米中が一致することができれば、なんらかの見返り(経済制裁の一部停止等)の代わりに、核を廃棄されることができるかもしれません。これから、6ヶ国協議の真価が問われることになりそうです。

61 rattler 11/09 20:41
>madomaさん

反日思想・教育のスタートについては日本に併合されていた時代を考えねばなりません。
この時代、韓国は日本の一部であり日本からの強制もあったでしょうが自主的に協力した部分もあった筈です。解放され国を起こす際にまずそれを否定する事から始めなければいけなかった。
日本絶対悪、すべて強制、抗日戦争の勝利などの主張がそうでしょう。
そこには抗日という自力に主眼をおいて国民を教育せざるを得ない現実及び
57でも書きましたが自力で独立出来なかった事、そこからくるコンプレックスもあると思います。
そして思想の中にはmadomaさんが仰るように大陸人としてのアイデンティティもあるでしょうし民族自主性の根底には古い中華思想・華夷秩序も含まれると思います。
で民主化以降、左派ナショナリズムの台頭があり現政権は左派ですから反日思想を捨てることが出来ないのは当然と言えるのかも知れません。
それともう1つの要素として日本の過去の対応の仕方もあると思います。韓国の主張に対し敗戦という結果から来る贖罪意識からか日本が応じて来た事実もある。現実的に政治的なカードとして使える訳です。

>日本が大陸に飲み込まれて一体になるのが、あるべき姿と思っているのではないでしょうか。
確かにそう感じる時も多々ありますね。

60 rattler 11/09 20:30
> 59.おたきち氏

君が読解力の無い事は姜尚中氏関連記事の1部2部で露呈済みです。

>を、釣れましたね。(笑)
flamerかと思いましたが、釣り目的の荒らしでしたか・・・。

59 おたきち 11/09 07:39
を、釣れましたね。(笑)

54 スナギモ 殿

>相変わらず読解力のない人ですね。

ほほう、読解力ですか。(笑)

まあ、私が思うのは、このコメント欄にあるような、ネットにアクセスすれば誰でも読めるようなオープンな場で、
>33 スナギモ
>このような国籍すらはっきりしないような人間が、日本人の愛国心について語るなど差し出がましいにも程があるのです。

などと「国籍お差別」じみたことを語られるのは、文明国の国民としては、「恥ずかしい」ことだと思っておるのでございます。それで「日本人の恥」と書かせていただきました。
それを気にせずにどうどうとかかれるあなた様の感性は、おそらくネトウヨにありがちな幼児のそれかと思いますので、理解ができるかどうか?は不安ですが・・・。

よろしくお願いします。

58 madoma 11/09 05:30
rattler様

 そうすると次に来るには、なぜ韓国が反日という思想を捨てることが出来なかったか、でしょうか。
 そこには韓国が韓国という独立国というより、大陸人としてのアイディンティティに執着したとも考えられます。中華思想みたいなものでしょうか。
 大陸の意志が韓国の意志であるなら、日本占領時代を経てなお、反日というアイデンティティを持ち続けられる理由がわかるような気がします。つまり、日本が韓国及び満州国というように大陸に食い込んでゆく中で、大陸は反日・抗日で答える。日本は大陸にとって異物であるというわけで、大陸に二度と日本人を来させないようにする、それが反日教育ではないかと。
 ところが、第二次世界大戦を経て、属国や植民地といったタガが外れて、アジアといったような地域の連帯は無くなり、独立国という考え方が現れます。
 大陸とその外縁だった中国や北朝鮮、台湾が、独立国であると名乗り上げる中で、韓国だけが律儀に大陸人としてのアイデンティティを守り続けた。時折中国の出方をうかがっている所など、大陸人としての連帯をかなり強固に信じているように見えます。ところが、経済は国境を易々と越えていってしまう。日本人を含む諸外国を大陸に来させない、という考え方ではもう国を維持してゆくことが出来ない。韓国の若者は独立国としてのアイデンティティと経済感覚を持っているから、国の政策にそろそろ疑問を感じているかもしれません。
 大陸人としてのアイデンティティ、連帯を重んずる左派思想(?)のようなものは、日本が大陸に飲み込まれて一体になるのが、あるべき姿と思っているのではないでしょうか。

57 rattler 11/09 03:04
> madomaさん

返答ありがとうございます。
>日本も東京裁判を捉え直すように求めていると見えます。
・・・論理破綻しているようですね。>韓国。
韓国は日韓基本条約の清算、見直しどころか日本の敗戦からやり直したいのではないでしょうか。
自力で植民地政策から自由を勝ち取れなかった歴史。
実際併合されていた時代ろくな闘争も無かった訳ですから
(韓国の教科書は抗日独立戦争として違う内容になってるそうですが)当然戦勝国になれなかった。
しかも、これは日本が主張した事では無く連合国の判断です。
現行の政策・教育を進める限り、韓国の主張と歴史の事実とはどんどん間が拡がって行く事になる。
そこで清算とか捉え直し、見直し、立て直しといった言葉が出てくるのでしょう。
大きな問題を抱えていても他国に拳を振り上げざるを得ない。
「歴史の立て直し」を公に言っていたと思いますが
過去の歴史を振り返ると歴史とは10年とか20年で語れるものでは無くさらにその前後で大きなうねりを持っている。そしてその時代、時代の思想や背景も考慮するのは当然な筈なんですが
ある時期を端的に捉えて、しかも「歴史」を「立て直す」と言う韓国の姿勢・思想には留意しなければなりません。
>韓国教育界の崩壊が見えます。
そのとうりだと思います。矛盾を抱えるのにはもう無理だという事でしょう。

56 madoma 11/08 23:09
rattler様

 教育という観点で考える訳ですね。
 反米教育というのは確かに大きく扱われた記憶がありません。
 反日教育の方は、 地方と中央でかなりの温度差があったと聞きますが、かなり過激であったことはなにかで聞いた覚えがあります。盧武鉉大統領が地方の出身で、その影響をもろに受けているとか。

 盧武鉉大統領が1946年生まれで、1950~1953年まで朝鮮戦争を挟み、日韓基本条約(日本国と大韓民国との間の基本関係に関する条約)が(1952~)1965年ですから、反日教育を受けた時期とか期間とか、戦後20年間という相当に歴史のあるもののように見えます。すごいエネルギーにちょっと圧倒されてしまいます。
 日韓基本条約の話でふと思ったのですが、これは日本に置ける東京裁判と少し似ていて、歴史の流れを留めようもなく、受け入れたくなかったが受け入れたという感覚が、韓国の中にはあるのかもしれません。いま日韓基本条約の歴史の精算を盧武鉉政権が行っていて、その中で日本も東京裁判を捉え直すように求めていると見えます。

 民事裁判のようです。
 50年前、和解で合意した案件を、50年後に不服申し立てをして損害賠償をとれるか。これはほぼ寿命がない国家という物についてまわる厄介ごとだと思います。イスラエル建国に関連したパレスティナ問題とか、アルザス・ロレーヌとか、アイルランドとか。けれど韓国は自国領を持っていて、独自の経済基盤もあり、北朝鮮という大きな問題を抱えている物の、それを押して他国に拳を振り上げるというのは、どうなのでしょう。
 韓国教育界の崩壊が見えます。

55 rattler 11/08 19:49
> madomaさん

仰るとうり反米感情があるのは確かですし、かなり変なところがあるのは私も感じます。
韓国人の50%が米国について良くないと考えているそうでアメリカの新聞からは韓国人を疑問視する意見も出ているようです。
ただ反米感情と反日感情の質は違うと思います。反日は国が率先し政策・教育で意図的に行って来ています。
理にかなっていなくともそうせざるを得なかったという事でしょう。

54 スナギモ 11/08 16:06
おたきち氏 wrote:
>国籍の違いを理由に「差し出がましいにも程がある」「語る資格はない」ですか。
>もはや「国籍による差別」の段階へ突入してますな。

相変わらず読解力のない人ですね。
そういえば日本各地で暴れるたちの悪い半島出身の人間はこうやって「差別だ!差別だ!」と言って日本人にたかるのが得意ですよね。

>いまどきめずらしいような、「日本人の恥」がここに2人・・・。(笑)

恥そのものの日本人もどきに言われてもねぇ。

53 madoma 11/08 10:18
rattler様

 韓国には若干反米もあるかなと思っているのです。
 アメリカに対する責任追及とかは、特別やってはいませんが、在韓米軍を追い出そうとしているところとか、かなり変なところがあります。もちろん国内に外国の軍事基地を抱えることはいろいろ問題があるわけですが。

 台湾の親日家はニュアンスとしてつかったものなので、特定の誰かをさしてはいません。日本にそれなりの造詣がある外国人という意味で、韓国よりこの場合は台湾かなと思いました。
 あえて言うなら李登輝元総統かもしれません。
 ただ、李登輝元総統の発言についてはあまり明るくないので、戦中派として過去の日本に郷愁があり、それを褒めていたような、という記憶があるだけです。これについてはもう少し調べてみたいと思っています。

52 rattler 11/08 07:33
> madomaさん

横レス失礼します。
あなたの48のコメント概ね賛同出来るのですが
韓国政府が寛容の無いのは日本に対してだけだと思いますよ。
姜尚中氏も然りです。
韓国がいびつなところは北朝鮮よりも歴史の捉え方だと思います。

ところで貴方が41で姜氏と語彙が似ていると感じられる
台湾の親日家の名前を教えて頂けませんか?

51 madoma 11/07 23:08
>>そういう市民の声は50年なり、60年なり後に一つの形になって世界を動かしいている。
 その市民運動の思想統合が形として現れたのがソビエト連邦で、その結末がソビエト連邦の崩壊である、と考える訳ですね。あるいは日本国内に置ける学生運動の崩壊は、弾圧による殲滅ではなく自滅です。それを見てその考えに将来があると考えるのはちょっと難しいですし、国策に取り込むのも同様であると思います。ある意味NPOという形で実現しているとは思いますが。

>>ヨーロッパにおけるEU連合なんて“夢物語”
 これもソ連的な思想統合ではなくて、経済統合であることが外せないと思います。つまり融和という夢を見たのではなくて、融和による経済発展という実をとっているわけです。現在進行中のNATO軍の再編成(アフガン関連とか)などを考えると、平和な共同体とはほど遠いです。ラテン諸国もどちらかといえば軍事同盟ですし、むしろアジアが一番平和的かも知れません。

50 madoma 11/07 23:07
いこい様

 小倉和夫さんの発言がいつのものなのかによるのですが、現在ではむしろ戦争に反対した人がよりクローズアップされています。最近だと、『硫黄島からの手紙』の栗林忠道中将などがあげられますか、軍人は最終的には国家の意志に従わなければならないとはいえ、対米戦争は無謀であると指摘した人は少なくありません。多少眉につばをつけるとして、最近の小林よしのりさんの著作の多くに、戦争の是非を問う軍人が何人か登場していたと思います。うろ覚えです。他では外交官の杉原千畝であるとか、白州次郎なども有名です。書籍もあります。
 彼らが戦争に反対(広義に)したとして、それは愛国に突き動かされていたかは不明で、自分及び周辺の生命財産心情が脅かされて、その上で持ち合わせていた権力を行使したのだと思います。
 運動として戦争に反対した人には、非国民のレッテルと弾圧が加えられたと思いますが、戦争に反対し、反対した中で行動した人はそれなりに評価されていると思います。

49 madoma 11/07 21:54
 逆に北朝鮮は味方であるはずの共産陣営自体とつばぜり合いを演じながら、韓国に対する独自の欲求を満たそうといくつもの事件を起こしていきます。文世光事件(パク大統領暗殺未遂事件)もその一つですが、その中で北朝鮮の工作員が日本を経由して韓国でテロを行う事態になり、この結果、韓国は日本を恨むんですね。これがよくわからない。
 他にもソウルオリンピックにかこつけた大韓航空機爆破事件といった嫌がらせを受けるのに、それでも韓国は北朝鮮を許してしまう。許すどころか手に手を取り合って、世界を相手に政治闘争まで始めてしまう。なにを考えているのか判らないというのはこのことです。
 韓国が日本を恨むのは部分的には正しく、それは在日の人々がその資産を湯水の如く朝鮮半島に注ぎ込んだからで、様々な事件の資金源はジャパンマネーであることは間違いないんです。ですが、それなら韓国は日本に北朝鮮への送金をやめるよう働きかける必要があった訳ですが、それに関してはどうだったのかなと。拉致被害で資金凍結をし始めたところを見ると、いままでは全然やっていなかったような気がします。

 さて弁舌でもって世界にうってでている小国が記憶する中で一個だけ合って、それはバチカン市国です。大国ならイランがあります。どちらも宗教的側面が多い訳ですが、韓国がもうしそういうことを目指しているのなら、かなり誇大妄想的と思うところでもあります。

48 madoma 11/07 21:50
おたきち様

 ちょっと政治と思想をごっちゃに書きますがご勘弁を。
 つまりすごくおおざっぱな言い方をすれば、姜尚中さんは日本に韓国の思想を定着させたい。ただ一般的に言って韓国社会を見ていると、非常に寛容さのない社会に見えるんです。
 韓国の国益を考えたら、60年前の戦後処理を巡って日本と政治的に対立するのは、まったく理にかなっていません。でもあえて国益を犠牲にしながら糾弾する姿勢は、韓国社会が寛容さを持ち合わせていないと見える訳です。
 韓国が政治的な思考に傾倒してゆくところは、それが小国の常であり、弁舌が最後の拠り所であるからです。資源がない、産業がない、山岳地が多くて平野も少ない。その上で大国から常に圧力を受けるのであれば、政治でもってのらりくらりとやりくりするのが、小国としての生き方でしょう。琉球王国がそんな感じではないでしょうか。
 ただ韓国がいびつなところは、その主な交渉相手が大国ではなくて隣の北朝鮮であったことだと思います。これがある意味韓国の政治眼をくるわせていると思うのですが、それはひとまずおいておきます。
 喉から手が出るほど韓国が欲しい北朝鮮以下共産陣営(中国・ロシア)に対して、それを留めたい韓国以下自由主義陣営(アメリカ・日本)。この中で韓国は北朝鮮以外の大国と政治的な交渉をしなくてもいいというワイルドカードを得たわけです。それはアメリカが引き受けると。

47 いこい 11/07 21:11
姜尚中さんと、同様な見解の小倉和夫さん(前駐仏大使)は、次のように発言している。

日本国民の中に“戦争に反対した人たちは本当の愛国者ではなかった、立派な日本人でなかった”という漠とした感覚、感情がいまだにあるのではないか。依然として右傾化したタイプの人が愛国者であって、戦争に反対した人は愛国者といえないという漠としたムードがいまだにあるのではないか、そこに日本のいまの重大な問題がある。
むしろ、戦争に反対した人なかに立派な日本人がいたんだ。日露戦争、日中戦争、第二次世界大戦、ベトナム戦争などに反対した人の中に立派な人がいたことをはっきりさせる必要がある。

世界第一次世界大戦から1920年代にかけて、民衆の動きが澎湃(ほうはい)として起こった。アメリカのウィルソンの国際連盟の提唱、ロシア革命、中国では「五・四運動」が起き、韓国では「三・一独立運動」が起こり、スペインの人民戦線運動などがあった。そうした民衆の動きを、当時は「彼らは不満分子だ」といってたかもしれない。これらの歴史をみると、そういう市民の声は50年なり、60年なり後に一つの形になって世界を動かしいている。これらを無視して、机上のプランで国家戦略を立てていると、本当の流れを見失う恐れがある。戦前の日本外交をみていると、そこのところに大きな欠陥があったといえる。

>愛国という言葉、その役割を終えていく・・・。私も同感である。
ヨーロッパにおけるEU連合なんて“夢物語”といわれた時代があった。それが現実化し、その世界の動きは、EU(欧州連合)、ラテンアメリカ諸国連合、ASEAN(東南アジア諸国連合)北東アジアでも平和の共同体が広がる方向の時代にある。まだまだ北東アジアでは北朝鮮問題など課題はあるものの国連・地域連合体による平和の共同体の流れ方向にあることは確かである。

46 哀独者 11/07 19:46
在韓日本人が韓国の愛国を議論しても
恐らく相手にされないでしょう。
そういうことです>>おたきちさん

45 おたきち 11/07 19:36
41-42 madoma 殿

なるほど、姜氏的な発想は、現在においてはとても古い発想と言えるかもしれませんね。「愛国の作法」の中では、後ろのほうで郷土のコミュニティなどの再生によって、国境を下から超える、という方法論がとかれていますが、これとてどの程度の有効性があるのか?は疑問です。

あと、韓国でなにゆえに思想・政治が過剰に意識されたのかというと、やはり隣国と常に停戦状態のままにあるという緊張感からではなかったか?と思います。日本の場合はとりあえず政府が下手なことをしたからといって、戦争になる心配はしなくて住んでいたわけです。対して韓国の場合は常に戦争が頭にあったわけで、政治を過剰に意識せざるをえなかったのでしょう。
それに対して、日本の場合は政治意識の希薄さがもたらされたように思います。

44 おたきち 11/07 19:24
いやはや、なんとも。

>33 スナギモ
>このような国籍すらはっきりしないような人間が、日本人の愛国心について語るなど差し出がましいにも程があるのです。

>35 カツヤン
>日本人でもない韓国人が日本の愛国心について語る資格はない。

ですか。
国籍の違いを理由に「差し出がましいにも程がある」「語る資格はない」ですか。
もはや「国籍による差別」の段階へ突入してますな。

ひどいもんですな、醜いですな、腐ってますな、臭いますな。
いまどきめずらしいような、「日本人の恥」がここに2人・・・。(笑)

42 madoma 11/07 17:16
 そう言う状況の中で、清廉潔白であることを国家の中心に持ってくる思想は、日本を守らないし諸外国からの関心や賛同も集めることが出来ないと思います。
 逆に言えば、思想を華々しく振りかざしている韓国が、今世界の中でどれだけ孤立しているのか。経済発展より自己主張を優先させる国家は今の韓国のようになるという意味で、私は日本に韓国のようにはなって欲しくありません。
 韓国には朴正煕大統領という人がいて、開発独裁体制をしいて国を豊かにしたが、結局思想的にスポイルされて暗殺されてしまいました。つまり経済を優先させる思考が、そもそも韓国的な思想と相容れないのではないでしょうか。そして、究極的に言っていまの韓国的な思考が日本で受け入れられるとは思えません。
 規範とか節度とか、それは大事な物です。あってもいいことですが、今日本で経済感覚が思想より優先されることはないでしょうし、思想が経済感覚に食いつぶされることもないでしょう。
 むしろ危ないのは、気負う貧乏国です。

どちらがより上等とは言えないと思います。

41 madoma 11/07 17:15
 自分なりにテープ起こしをし直して、読解してみましたが。

 印象ですが。台湾の親日家の文章みたいに見えてきました。
 語彙が非常に似ているという意味です。
 どうも日本が好きであるみたいだけど、なにか日本感に誤解があるという感じですね。

 姜尚中さんは、あるべき日本像というものを胸に持っていて、過去の歴史の清算や未来に向けて核の脅威を訴えられるようになれば、素晴らしい日本になると言っているように見えます。

 でもいまの日本人の感覚から言うと、それはとても古い発想に見えるんですね。歴史の精算や平和運動といった政治的・思想的運動が大きく意味を持った時代は、とうの昔に終わったと思うんです。

 それはアメリカからもたらされたグローリズムの中で経済が国の最優先課題となり、すなわちそれは常に変化し続けることを求められます。ただ一つのイデオロギーにかまけていられない。昨日の敵と今日は友になる割り切りや妥協の連続の中で、経済発展を勝ちとったわけです。
 いってみれば今の北朝鮮だって、経済の為にあらゆる政治的プロセスを行使することを指向している訳で、別に北朝鮮は日本に清廉潔白を求めている訳ではなくて、経済的支援を求めている訳です。悪銭でもまったく問題ない。

ここまで。


このようなインタビュー記事は好きで目にとまれば読むことが多いです。インタビュイーの内面が多少なりとも読み取れますし。そのあたりはインタビュアーの腕の良し悪しに依るところが大きく、インタビュイーを通してインタビュアーの言いたいことを記事として出しているものも多く見かけます。インターネットが普及して個々人でメディアを持つ時代になり、ブログ主なりチャンネル主なりの個性(性癖といってもよいもの)が原液のまま吐露されるような状況になったことは、それまで排他的に情報の流れをコントロールしていた旧メディアの中の人たちにとっては面白くないことでしょう。生まれた時からインターネットがあった人たちにはあまりピンと来ないかもしれませんが。

そういう意味では『ファンロード』はスゲーなw 同人活動を商業ベースに乗せた上でインターネットの高波もくぐり抜けてまだ命脈を保っているんだからねぇ。次にどういう形で復活するかちょっと気になります。

わたしはアウシタンなので2043年まではなんとか生き延びようかと思っています。


暇な空白(暇空茜)氏にロックオンされた方がまた出たので目を通しました。貼っておきますね。

敷地権は、田舎だと複数軒が隣接した私道(公衆用道路)の持分みたいな扱いと理解してよいのかな。私道だからと勝手に通行止めにして通行料を徴収するなんてことが社会通念上許されないような感じ。

計算の合わない会計書類をずっとながめていると気がおかしくなりますので十分な休憩をとりつつ作業を進めていってください。期待しています。