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自由な言論の場である2ちゃんねるが消滅する日…。

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000519

記者名 中村 厚一郎

インプレスの運営するインターネット・ウォッチの8月30日のやじうまウォッチでは、「2ちゃんねるのひろゆきさんに、債権者からの破産申請の動き!? 」との記事が掲載されている。ネタ元は、ジャーナリスト山岡俊介氏の「ストレイドッグ」他らしい。

西村氏は訴訟対応をしてきたが、数億円にも登るといわれる賠償金額を払えるはずもなく、滞納を続けてきたため、現在、被害者から自己破産の申請をされる方向にすすんでいるらしい。万事抜かりのない西村氏のことだから、2ちゃんねると西村氏の法律上の関係を上手く構築しているだろう。とはいえ、そのような手筈を整えていたとしても、今後起こりうる訴訟案件を引き受けるシステムは構築できていないのではないのだろうか。ならば、多くのユーザーに指示される2ちゃんねるは消滅することはないにしても、訴訟の可能性を持つ過激な言説を許容できないメディアになってしまうのではないかということは容易に予想できる。

時事通信社の湯川鶴章氏は、言論機関は訴訟に対応するシステムを備えているもので、そのようなシステムがなければ自由な言論など展開できないと述べている。
事実、2ちゃんねるが自由な言論の場として活況を呈してこれたのも、西村氏が訴訟を一手に引き受け、東京地裁に日参してきたという理由が大きい。
オーマイニュース日本版は、自由な言論の場を提供するにあたって、訴訟対応システムが重要との認識があるのだろう。市民記者に50万円を上限として、それ以上の訴訟費用の負担を市民記者に強いないことを規定している。

インターネットなら、自由な言論ができると考えている人が多いかもしれない。もちろん、散発的な言論であれば可能かもしれない。だが、論理立てて世の中の不正を指摘し、それを社会を動かすような影響力にまで高めていこうとするならば、訴訟事になる可能性は排除できない。そして、市井の個が訴訟に耐えうるような時間的・経済的余裕を持っていないならば、言説することは事実上不可能になる。

たしかにオーマイニュース日本版は市民参加型ジャーナリズムのひとつの有様として成立しているのかもしれない。だが、そこに集まる言論たちが「最悪、50万円払っても仕方がない」と感じている人たちの言説であることは否定のしようがない。実際、このメディアには右だ左だという議論が横溢しているが、そのような事情の反映といえぬでもないだろう。

勿論、鳥越編集長が求める責任ある発言に通じるのかもしれぬが、50万円払わねば自由に言説できぬ日本というのも情けない気がするのである。

2ちゃんねるが消滅した日本…。そのときのことを真剣に考えなければならぬ時期に来ているのかもしれない。
2006-08-31 20:32

この記事は2006年9月1日07:06以降、2006年9月2日07:25までの間にニュースのたねに掲載されました。タイムスタンプは2006/08/31 20:32:56。翌年のリニューアル時にタイムスタンプが2006-08-31 20:27へ修正されました。

ご存知のように2ちゃんねるはなくなりました。ただ、その要因はこの記事の示唆しているようなものではありませんでした。当時の2ちゃんねらーの活動の場はツイッターをはじめとするSNSへと移りました。