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本当はどうなんだ、メタボリックシンドローム

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003266

厳しくなる一方の基準、このままでは全員生活習慣病?
矢本 真人
2006-11-27 07:59

【画像省略】
CTスキャンで内臓脂肪量の測定を促すポスター 東京都大田区久が原のある内科医院(2006,11,15)
撮影者:矢本 真人

 血圧や血中コレステロールなど、心血管疾患に関する検査項目の基準が厳しくなっている。健康診断や人間ドックへ行くと皆、病人にされるのではないかというくらいだ。

 日本肥満学会など国内8学会が日本独自のメタボリックシンドロームの診断基準を合同で作成して2年近く経つが、医学界では異論も続出しているという。本当のところはどうなんだ?

 定かでないが、少し前までは血圧は160/90mmHg以下,総コレステロールは240mg/dL以下が正常値の上限だったと記憶している。それが、学会の診断基準が変わるたび、あるいは新しい診断基準ができるたびに、「疑いあり」「要再検査」に分類されるようになる。

 私の場合は、4年前に人間ドックで高脂血症とされ、薬物治療を受けるようになった。血圧も、白衣高血圧とでも言うのか、医師や看護師(女性)の前では「少し高め」になる。かかりつけ医には「顔に似合わないなぁ」と言われる。

 市の健康診断で、「基準値がドンドン厳しくなるので、病人になってくる」と訴えると、その医師からは「心筋梗塞などの疾患が増えてきたので、基準値が厳しくなっている」と説明された。ただ、今回は前年の検査値を参考にしながら「コレステロール値が一定以下に維持できているのであれば高脂血症薬を止めてみても良いのではないか」とアドバイスしてくれた。運動することが条件ではあるが……。

 日本のメタボリックシンドローム診断基準は、「ウエスト周囲径が男性85センチ以上、女性90センチ以上に加えて、血清脂質異常、血圧高値、高血糖のうち2つ以上該当する場合」となっている。本来は内臓脂肪面積100平方センチメートル以上が必須項目なのだが、コンピューター断層撮影(CT)などでなければ正確な測定が難しいため、これに相当するマーカーとしてウエスト周囲径の閾値が定められた。

 私の場合、ウエスト周囲径は87センチあるので、第1段階は該当する。基準が厳し過ぎやしないか、と思っていたら心強いデータが出てきた。

 九州大学の久山町コホート研究からの報告で、女性は80センチ、男性は90センチを境に、心血管疾患の発症リスクが上昇することが分かったという。つまり、ウエスト周囲径の基準は「男性90センチ以上、女性80センチ以上」が妥当ということだ。男性は現在の基準より5センチも大きい。

 血圧でも分からない事がある。毎日、朝晩測定しているのだが、1回目の測定では高い値が出るのに、2回、3回と測定するたびに下がり、正常血圧に近くなるのだ。「数回測ってその平均値を採ればいい」と言われるが、血圧の変動はこんなにも大きいものかと驚く。

 東京大学循環器内科学の石坂信和特任講師らの研究では、メタボリックシンドロームであっても、降圧薬を使わずに、生活習慣で正常血圧を保っていれば、動脈硬化の発症リスクは上がらないことが分かったという。メタボリックシンドロームの有無にとらわれず、生活の中で個々のリスク因子に注意する必要性があるということだ。

 さらに、メタボリックシンドロームの基礎病態とされる内臓脂肪の蓄積でも、脂肪そのものではなく、その脂肪細胞から分泌される物質が、血圧や血糖値を引き上げる因子として問題となることが明らかになってきたという。

 これだけいろいろな研究が報告されると、自分の健診結果にも疑問が出てくる。厚生労働省も、CTなどで内臓脂肪量を測定することが望ましいとしている。ウエスト周囲径に振り回されるのではなく、一度やってみようかと思う。

 メタボリックシンドロームには疑問があるが、日常生活で病気予防を心がけることは大切だ。まずは、血圧を正常に保つ努力をしながら、高脂血症薬の服用を止めて様子を見ることにしようと思う。開業医からはそう簡単に言ってくれないだろうから、私から提案するしかない。

 厚生労働省は毎年、生活習慣病予防週間のスローガンを募集している。今年の募集は終了しているが、私なら「本当はどうなんだ?メタボリックシンドローム」とでもしたい気がする。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは1件。

1 Ronnie 11/27 22:25
N.Y.のような大都会のど真ん中に広大なセントラルパーク。ジョギングしている人が実に多い! 
ハドソン川沿いのサイクリングロードでも、サイクリングやローラースケートに限らず、皆走ってます。

健康保険が完備されてないアメリカでは、病気になったら莫大な金額が必要。
従って、病気にならないよう予防に力を入れます。健康は自己管理なんです。
クリントンなんか、日本に来てからも走ってた。

でも、食べることになると日本人の3倍! BSEなんか関係ない。
人生いろいろ、人さまざま = 小泉前首相の言うとおり。


現在はそうでもありませんが、この記事が掲載された当時はメタボリックシンドロームという言葉をテレビや雑誌で頻繁に見かけました。

『週刊現代』2006年6月3日号48~49ページから引用

週刊朝日や週刊現代、女性自身などでも頻繁に特集が組まれていた記憶があります。ま、健康に気を使うというのは悪いことではありませんので今のほどほどの取り上げられ方くらいがちょうどよいのではないでしょうか。

腹八分目でそれなりに運動をしてよく睡眠をとってれば、そう不健康にはならずにすむと思います。何か体の調子が悪ければ病院に行って診てもらいましょう。