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解決に直結するプロジェクトを

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000001949

英虞(あご)湾再生から見た、国と地方のズレ
黒木順
2006-10-03 07:50

【画像省略】
英虞湾
撮影者:黒木順

 三重県志摩市の英虞(あご)湾は古くから、真珠の養殖場として最適な海だった。近年は生産の安定化と、より大きな真珠の生産のため、アコヤ貝の輸入や養殖中のアコヤ貝を冬期間、温暖な外国の海に季節移動させることが繰り返された。

 1992年頃、有毒プランクトン「ヘテロカプサ」が発生。また原因不明の感染症が蔓延することで真珠の生産は大幅に減少した。

 これに対して三重県は2002年、産官学で英虞湾自然再生協議会(仮称)を立ち上げ、03年から5カ年計画で25億円の予算による「英虞湾再生プロジェクト」をはじめた。

 研究テーマは「新しい里海の創生」と「英虞湾の環境動態予測」の2つ。前者の具体的な取組みは人工干潟による海の再生であり、後者は、水質を監視する自動モニタリングシステムと環境予測モデルの開発による水質予報と情報発信システムの構築である。

 しかし問題点は多い。一番重要なのは、来年12月にはこのプロジェクトが終了してしまうことだ。その後、現在のプロジェクトが継続されるのかはどうか、まだ関係者も知らない。

 例えば自動モニタリング情報発信システムは、海に浮かせている人工ブイのメンテナンス維持費だけで年間800万円かかる。この他に情報発信の費用など多額の経費がかかるため、08年以降、今行われているWebやi-modeでの情報発信はできない可能性も高い。

 また人工干潟による海再生は、環境教育的なアプローチとして、真珠養殖業者だけでなく英虞湾を囲むまちの市民に対しても将来に向けてのヒントを与えるものにはなるが、これを継続させるための旗ふり役は誰が担うのかという点も未定だ。

 さらに、干潟事業の障害となっているコンクリートで固められた護岸の撤去費用を誰が負担するのかという点や、もし護岸の撤去ができたとしても、その向こう側にある土地は多くが民地のため、用地買収という点でも高いハードルがある。

 この英虞湾の例で考えさせられることは、国が旗ふり役をするプロジェクトは現在でも多くが進行しているが、一定の研究成果を得られるだけでは、何の解決にもならないということ。

 国が進めるアクションと、地方が求めているアクションのミスマッチをどう考えるかという点に課題は多い。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは2件。

2 新党を欲する人~立憲平和党党首 10/04 06:48
地方分権 それしかないでしょ

無責任な国家公務員にまかせていちゃ何も変わらんよ

地方の民が責任を持って 予算をたてて 継続的にやる

だから 自民党じゃだめなんだ

1 いちろー 10/04 00:11
これって地元で事業を引き取って継続すればいいんじゃないですか?
いつまでも国だって面倒見れないわけだから、どこかで終了しちゃうのはしょうがないでしょう。

それをうまいこと地元(変な金の使い方をされないとの条件付きであれば地元企業・・・でもそうすると地元代議士とか言うのが根こそぎ持って行っちゃうんでしょう)で引き継いで継続させるようにすべきだと思います。
継続が必要であれば・・・ですが(この英虞湾は事業本体以外にも護岸を壊さないといけないとかいろいろあるみたいですが)

多分この記事の感じだと国も「続ける」「続けない」というのをはっきり示さないので、地元もどっちに向かって動いていいのか分からなくなっちゃっているみたいですが地元から主体的に動いて突っついてみるとか。

どうせ国のやることだから「やべっ、連絡してねーよ」とかあるかもしれないです


なかなか面白い経過が見られるので上から時系列でいろいろと貼り付けておきますね。

当たり前と言えば当たり前のことなのですが、そこの地域に住む人が自分のこととして問題に向き合わない限りどうにもならないということですね。ものすごく地味ですがコツコツと活動を続けることで少しずつ状況が良くなっていることがこの英虞湾の事例からもわかります。

もし仮に日本版オーマイニュースが存続していたとしたら、この英虞湾の里海の状況を定点観測する記事が見られたかもしれませんね。