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川がつなぐ広域行政とボランティア

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003257

市民交流から目標の共有へ
G司 K
2006-11-22 08:00

 神奈川県大和市を水源とし、綾瀬市からの支流を上流にもち、藤沢市の鵠沼海岸に流れる21キロの2級河川・引地川(ひきじがわ)には、水質汚濁の防止や浄化対策を推進する自治体横断の会「境川・引地川水系水質浄化促進協議会」(協議会)があります。現在、藤沢市を会長に9つの自治体(神奈川県を含む)で構成されています。

 その協議会の主催による「市民流域訪問事業」が11月10日に開かれ、藤沢、綾瀬、大和の各市環境保全課の案内で、大庭親水公園(藤沢市)、綾南公園(綾瀬市)、泉の森とふれあいの森(大和市)を訪問しました。藤沢市からは市民10人が参加し、大和市からの参加者と泉の森にある「しらかしのいえ」で市民交流会をもちました。

【画像省略】
「しらかしのいえ」の前で(前列左が記者)
撮影者:大和市職員

 参加者のうち約半数は川にそれほど親しんでこなかった人たち、残りの半数は引地川関連の様々なボランティア活動をしている人たちでした。流域訪問や交流会で参加者たちは「暴れ川」といわれてきた引地川の治水問題と環境保護を求める親水問題の幸せな共存とはどのようなものか、それぞれの立場で学んだと思いました。

 特に山林や田畑の減少や、上流の蓼川(たてかわ)流域の下水道整備問題などで、引地川の水質がいまひとつ向上しないことが話題となりました。

 大和市の参加者からは次のような発言がありました。

 「19年前ボランティアとして引地川に取り組んだときは、川というより下水道でした。その後大和市では下水道整備が進み、川もきれいになってきました。『よこはま川を考える会』の故・森清和氏の『汚い川でもその川に親しまなければ』という言葉に啓発されて川に入り、調査と清掃を続けています。もう15年になります。コンクリート3面護岸だったふれあいの森の川を、大和市と市民の協働で自然護岸に変えました。きれいな川の象徴であるハグロトンボは1976年に引地川上流では死滅と記録にありますが、今年の夏の調査(2時間、2.5キロメートル)では、875頭を数えました」

【画像省略】
自然護岸に改修された川を探索する参加者(ふれあいの森で)
撮影者:G司 K

 今回の「流域訪問事業」は関係三市の環境保全課が参加し、藤沢市と大和市の市民を含めた交流会を開催できました。ただ、県や綾瀬市民は参加しておりません。2006年度の協議会予算はわずか47万4985円です。

 各自治体の熱心な担当課をみるにつけ、広域行政と、関係市民と行政の協働が広域問題には必要と痛感しました。

 今年8月に起こった酒匂川(さかわがわ)の不幸な水難事故発生を例にとるまでもなく、自治体をまたがる川、海、山などは情報管理や目標の共有が望まれます。

 (藤沢市市民記者

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは4件。

4 ツニー 11/23 20:03
ナカサンこんばんは筆者です。大和市では市会議員の方や元市議の方も
地道に汗を流しておられます。本当に頭が下がる思いです。湘南のサーファー
やカヌイストたちも運動を始めて20年位、みな中年に見えます。
ボランティア同士の協力、関連自治体の協力、ボランティア達と
関連自治体の協力を時間をかけて楽しく続けることかも
しれません。私は大和市のボランティアの方から学んだ
「汚い川でもその川に入らなければ」の故森清和氏の
言葉をよく思い出します。

3 ナカサン 11/23 14:54
環境を大切にする活動、すばらしいですね。
同じ神奈川県で、酒匂川は橋の建設によって環境破壊が進められてしまっています。
由緒ある松の木を保護していくのはどの様に活動していけばよろしいでしょうか?

2 ツニー 11/23 11:55
ハンミョウさん今日は。筆者です。21kmの川に大和市と藤沢市で
10以上のボランティア団体があり環境活動をしています。沿川の人たち
にとって思い入れのある川なのでしょう。特に大和市の方々は長年
継続してこられ、市との協働で成果をあげてこられました。民間の
ボランティア同士の協働と行政同士の協働そしてボランティアと行政の
協働がベースとしてできあがり、そこに農家や事業所が参加することが
望まれます。

1 ハンミョウ 11/23 09:41
私が引地川を始めて見たのが19年前。大和市の南側、高座渋谷に越してきたのが17年前です。千本桜の近くなのですが、当時は白濁とした汚い川でした。大きな鯉が沢山いましたが、震災等で食い物がなくなっても非常食にしようとは思いませんでした。当時と比べれば今では清流のようです。カワセミもよくみかけます。
 郡司さん達の努力があったのですね。アーちゃんを連れて気持ちよく川辺の散歩をしていますが、皆さんの努力に感謝します。


環境問題はそこの住む人の関心がなければ始まりませんからねぇ。この記事のように流域の市町村を巻き込んだ河川の水質問題のように大きな事柄でなくとも、身近なポイ捨て問題も同じカテゴリに入ると思います。タバコの吸い殻やコンビニで買ったコーヒーなどの飲み終わったカップとか道端に捨てられているのをよく目にしますが、あれを片付けているのは近所に住んでいる方たちですからね?

モラルうんぬんの話を持ち出せるような聖人君子ではありませんが、タバコの吸い殻をポイポイ捨ててる人を見ると、小さい頃のしつけがちゃんとされなかった人なんだなと思ってしまいます。育ちが悪いというやつです。