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新庄の信条

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003123

その心情
H嶋S次 2006-11-20 11:56

 先の日本シリーズはパリーグの覇者・日本ハムが44年ぶりに優勝を果たした。北海道にホームを移して3年、「石の上にも3年」を証明するように、殊勲を手にしたファイターズで歓喜にあふれた北海道は今もって熱い。

 優勝の立役者は何と言っても新庄剛志外野手だった。何かと話題性に富んでいて、派手なパフォーマンスにサプライズを振りまき、時にマスコミも翻弄する。「野球界の風雲児」という存在だ。いつも真っ白い歯に、屈託のない明るい笑顔で観衆を惹きつける、人間性豊かな選手である。

 今年4月の突然の「引退」表明にはファンもマスコミも唖(あ)然とした。新聞紙面も「新庄引退?」「本気かうそか?」「野球熱を上げるためのパフォーマンス?」などと書かれた。だがシーズン終了後、意外にも彼は有言実行で「引退」した。

【画像省略】
2002年10月、サンフランシスコ・ジャイアンツでワールドシリーズに向けたウォームアップをする新庄選手(ロイター)

 彼の野球人生にはさまざまなシーンがあった。1989年、ドラフト5位で阪神タイガースに入団し、チームの躍進に貢献するものの、95年に「自分は野球に向いていない!」と、いきなりの引退表明。かと思ったら「ごめんなさい」のひとことで引退を撤回した。こんな自分勝手なことがなぜか通ってしまう。打率を見ても2.50台と平凡な数字だ。では足が速いかと言えば、これも平均より毛が生えた程度。強肩が売りではあったが、外野しか守れない。体つきも華奢(きゃしゃ)で、野球人には見えないこともあった。
 
 阪神の看板選手だったが、フリーエージェント宣言後の2000年オフ、米大リーグのニューヨーク・メッツへ移籍を表明した。阪神からの5年12億円の高額オファーを蹴って、年20万ドルというメジャー最低保証額、しかも実質1年契約を選んだのである。「新庄がアメリカ?」「野球もなめられたものだ!」と日本のマスコミは言いたい放題にバッシングした。実際、その翌年にはサンフランシスコ・ジャイアンツへ移籍し、オールスター出場という快挙を遂げながらも再びメッツへ移籍、マイナー落ちという変遷をたどる。

 それでも彼はアメリカで野球をした。それも、周囲が想像した以上のことをやったように思う。米国での人気も高かった。

 2003年に帰国後は、北海道で地域密着のチーム作りを始めていた北海道日本ハムファイターズへ移籍した。再びの「新庄劇場の始まり」――である。そして最後は「チーム優勝」で自分の野球人生の幕を下ろした。まるでドラマのように……。

 新庄選手はシーズン中、スランプ中のチームメイトにこんな言葉をかけている。「頑張らなくていい! 楽しんだらいいんだよ!」。彼らしい言葉である。それは時として、私たちが忘れてしまうことだ。私たちは「目標に対して結果が求められる」という当たり前の図式に自分を埋没させている。そのことに集中するあまり、「やっている」より「やらされている」感覚に陥る。そんな錯覚のままで、頑張っているように感じる。

 楽しくやれればそれがいい。簡単そうで意外に難しい。好きだから楽しめる。それも一理だ。嫌いだけど楽しい。これも一理ある。正反対の2つの一理が、一路につながっている。

 新庄選手はまた、NHKのインタビューでこうも述べた。「楽しいことって、1人より大勢の方がもっと楽しいでしょ!」 これが野球人生28年最後のコメントだった。彼の軌跡を振り返っていたら、なんだかとても面白かった。同時に、彼が残したこれらの言葉を自分に言い聞かせていた。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは1件。

1 Mint 11/20 20:33
もー、何もかも許す。

新庄の活躍は最高のパフォーマンスを見せてくれた。

アメリカで新庄が信条としたことはプロスポーツは観客ありきが原点だってことだろう。
選手はそれを受け止めて観客を楽しくするのが使命。個人打率とかホームラン王とかで観客を楽しくする選手は一握り、他の選手は「私を野球に連れてって」と観客に言わせるのが仕事。

私は日本のプロ野球が嫌いだ。鳴り物入りの応援は止めて欲しい。昭和の高度成長時代の亡霊だろう、飲んで太鼓叩いてプロ野球ってのは。

子供が球場に行ける環境を作るのが新庄の信条だったのではないだろうか。そのためにも、ビール飲んで太鼓叩いてるお父さんは子供には見せられない。


自分の応援しているチームが勝ったらうれしくなって負けたら悲しくなる。で負け試合の後はグジグジ文句たれて、懲りもせず次の試合をまた見るの。阪神を応援していたファンの人は、今年は楽しかったと思います。

新庄剛志選手(当時)の出ていた試合はほとんどリアルタイムでは見ていませんが、魅せる試合ばかり印象に残っています。

これを見た時「やりやがったwww」と大歓喜でした。すごいよねぇw