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仮想世界の中で描かれる「北朝鮮」

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003000

現実には起きてほしくないが、かなりリアルなゲーム
W辺N人
2006-11-12 15:39

 今回は、先日、北朝鮮製のゲーム「泥棒捜し」(※1)が一部ネットを賑わせたこともあり、北朝鮮とゲームをテーマにしてみたいと思う。とはいえ、「北朝鮮へ行ってゲーム事情を取材してこよう!」というわけにもいかないので、北朝鮮が登場するゲームを紹介していこう。

 ※1泥棒捜し……北朝鮮の公式サイト「われわれ民族同士」で公開されたゲーム。住宅に侵入した泥棒を穴に落として退治するというシンプルなものだが、登場する泥棒が、「日の丸鉢巻」「星条旗模様の帽子」と、日本人とアメリカ人を連想させるものだった。

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■現代大戦略2005 護国の盾・イージス艦隊■
 ハード:パソコン(Windows)
 ジャンル:ウォーシミュレーション
 メーカー:システムソフト・アルファー
 発売日:2005年11月18日

【画像省略】
「現代大戦略2005 護国の盾・イージス艦隊」
撮影者:OhmyNews

 日本を代表するウォーゲームのひとつ『大戦略』。その1シリーズである『現代大戦略』(※2)の最新作「現代大戦略2005 護国の盾・イージス艦隊」は、軍事ジャーナリスト・清谷信一氏がシナリオ作成に関わっており、そのストーリー性の高さが話題となっている。

 本作における北朝鮮は、シナリオ「落日の金王国」で登場。その内容は、6カ国協議の破綻から米国が北朝鮮へ攻撃を行う「核施設掃討作戦」や、北朝鮮が日本に報復を行うことを阻止する「美浜原発防衛線」「報復の応酬」に始まり、ついには金正日総書記亡き後、息子たちが対立し内乱にいたるという「正男VS正哲・正雲」「奮闘! 改革解放軍」と、北朝鮮崩壊までをもシミュレートしている。

 もちろんいずれも架空シナリオではあるが、「ひょっとしたらありうるのでは?」と思いかねないシナリオ構成が興味深い。もっとも、各国がすぐ武力に走る点は、ウォーゲームだけにやむを得ないところだ。

 その他にも、「EU崩壊」「中央アジア紛争」「中華帝国の暴走」「地獄のイラク撤退」「日韓攻防戦」「米国東西戦争」といった、「現代」の名にふさわしいシナリオが用意されている。

 ※2)現代大戦略……主にゲームソフトなどを開発している国内有数のパソコンソフトメーカー、システムソフトが発売している戦術タイプのシミュレーションゲーム。プレイヤーは、レッドやブルーなどの勢力指揮官となり、配備済み、生産した兵器を移動、そして隣接もしくは武器の射程内に入った敵との戦闘を行っていき、最終的に敵勢力の全滅や司令部の占領を目指す。先日、シリーズ最新作「現代大戦略2007~テポドン・核施設破壊作戦~」を発表。こちらも清谷信一氏が手がけたシナリオが多数用意され、12月14日発売予定。

■マーセナリーズ■
 ハード:プレイステーション2
 ジャンル:ミリタリーアクション
 メーカー:エレクトロニック・アーツ
 発売日:2005年4月28日

【画像省略】
「マーセナリーズ」
撮影者:OhmyNews

 本作は、混乱の朝鮮半島を舞台に、傭兵(=マーセナリー)稼業を描くミリタリーアクション。

 舞台は、西暦2000年代中頃の北朝鮮。南北朝鮮の平和的統一を拒み、軍部の独裁を目論むチョイ・ソン将軍は、実父であり北朝鮮総統のチョイ・キム総統を殺害し、クーデターを起こしてしまう。指導者不在となり、混沌(こんとん)とする北朝鮮に、国連軍、韓国軍、中国軍、そしてロシアン・マフィアまでもが進出。決起した反乱軍と5つ巴(どもえ)の様相をなす。

 そんな中、プレイヤーは傭兵派遣会社「エグゼクティブ・オペレーションズ」から派遣された傭兵として北朝鮮に潜入。チョイ・ソン将軍ら反乱軍の幹部に懸けられた懸賞金でがっぽり儲けようというのである。

 この設定はもちろんフィクションであるが、ゲームに登場する北朝鮮の地形、ピョンヤン、ケソンなどの市街、兵器は実在のものばかり。反乱軍の幹部“Deck of 52”は、トランプの図柄で表されている(これは、アメリカ軍がイラク戦争で兵士たちに容疑者の顔を覚えさせるために配布したトランプを元にしている)など、リアルな要素も多い。現実の北朝鮮の現状や後継者問題と照らし合わせると、なかなか興味深い作品である。

 ゲームは、広大なフィールド内で自由にやり放題という「GTA(グランド・セフト・オート)」(※3)タイプの作品。反乱軍の幹部を捕らえて国連軍に売り渡すのがゲームの基本だが、好きな勢力に肩入れ、盗んだトラックで走り出す、戦車を乗り回して街を破壊、気ままに北朝鮮をドライブするなど、大変自由度の高いアクションゲームに仕上がっている。

 ※3)GTA……用意された街(箱庭)の中で、シナリオ進行以外に、気ままにドライブしたり、ときには強盗をしたりなど、やりたい放題にプレイできるアクションゲーム。ゲームの規制(レーティング)が考えられる要因となった作品でもある。あまりの暴力描写に批判が上がる中、逆にゲーム内で犯罪や人道的行為を知るきっかけになるという声もある(ゲーム内で無差別殺人を行えば、それ相応のペナルティを受ける)。この手のアクションゲームは、犯罪をテーマにしたものが多く、クライムアクションと呼ばれる。

■ゴーストリコン2■
 ハード:プレイステーション2
 ジャンル:ミリタリーアクション
 メーカー:ユービーアイソフト
 発売日:2005年8月18日(ベスト版は2006年12月14日発売予定)

【画像省略】
「ゴーストリコン2」
撮影者:OhmyNews

 最後に紹介するのは、アメリカの特殊部隊“ゴースト”とテロリストとの戦いを描くミリタリーアクション『ゴーストリコン』シリーズ。本シリーズは、『レッド・オクトーバーを追え!』『今そこにある危機』で知られる小説家トム・クランシー監修の作品。氏の小説や映画に見られるような、世界情勢を先読みしたリアルなシナリオ、緻密(ちみつ)な軍事設定がウリ。実例として、とある要人の暗殺をテーマにした作品を執筆中にある機関に執筆中止を迫られたほど。そんな氏が北朝鮮を舞台に描いたのが本作「ゴーストリコン2」である。

 本作では、北朝鮮内部でクーデターが発生し、韓国との境界、非武装地帯に侵攻を開始する。また、クーデター軍は大量破壊兵器(簡単に言えば核ミサイル)を所持。世界は全面核戦争か?という事態に陥るのだ。いまにしては非常にタイムリーな話題ではあるが、本作の発売が日本版で2005年8月。ゲーム制作の期間を考えると、少なくとも2年以上前にこのシナリオで制作は進められているはずである。

 また、作品のクライマックスでは、クーデター軍が北朝鮮最大のダムを爆破しようとする。このダムというのが、北朝鮮に実在する金剛山ダムと思われる。数年前にも話題になったが、この金剛山ダムは北朝鮮と韓国の2国にまたぐ漢江上流部に2000年に作られている。その工法は、土と砂で固めた原始的なもので、2002年にすでに「決壊の恐れあり」と報道されているのだ。漢江は韓国・ソウル中心部を流れており、ダムが決壊した場合の被害は甚大なものと推測される。これが北朝鮮による作為的なものかはわからないが、韓国にとっては大量破壊兵器よりも身近な脅威であることは間違いない。

 ちなみにゲームの時代設定は2011年。Xデーの設定としてはあまりに近すぎるかもしれない。

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 以上、北朝鮮が登場する3作品を紹介してみたが、いかがだっただろうか。筆者としては、「現代大戦略~」は国産、「マーセナリーズ」「ゴーストリコン2」はアメリカ製ということで、日米の視点の違いが感じられたのが興味深かった。とはいえ、これらはあくまでゲームの中だけの話であることを願わずにはいられない。


【編集部注】記事の修正を行いました(2006/11/12 18:55)

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは5件。

5  11/14 23:25
最後の一文、やめてください。
夜のニュース番組のお利口ぶったキャスターがもっともらしく思ってもみないきれいごとのコメントをつぶやき、さっさと次の話題に移る、あの瞬間を思い出して、鳥肌がたちます。

4 W辺 R 11/13 17:47
「現代大戦略2005」は買いました。これは確か、北以上に韓国の描写が過激でした。

シナリオ1番「襲来!反日漁船団」では、まず軽武装を施した漁船が日本海に大挙
押し寄せて、これを何も考えずに迎撃すると長射程の対艦ミサイルが弾切れになり
後から来る韓国海軍のミサイル攻撃をまともに食らうという素薔薇しい仕様でした。

で、昨年は確か韓国の"国会議員"が噛み付いたような…今年はどうなるんでしょう?

3 まさしくんはい! 11/13 16:49
記者さんへ

別に北朝鮮に行かなくてもいいですよ。南朝鮮いけば幾らでも笑えるゲームがあります。
やれ「独島守備ゲーム」だのといった反日ゲームが沢山ありますし、皆さん日頃の鬱憤を晴らしてホルホルしてますぞ(笑)

http://specificasia.seesaa.net/article/27182656.html
http://specificasia.seesaa.net/article/10427652.html

それから参考記事を。ゲームごときで騒ぎ立て、ゲームと現実の区別がつかない方が向こうには沢山いますね(笑)

2 ヤン ブタコビッチ 11/12 16:57
如何な物かと言われても、何処ぞで無料配布しているのでしょうか?

1 眼鏡屋 11/12 16:52
>■マーセナリーズ■
>傭兵(=マーシナリー)

 すいません、まさか同一文章中でこんなことが起こるとはあまりに驚いたのでついコメントしてしまいました。カタカナ表記はどちらでもありだと思いますが、ゲームタイトルにケチつけてるんでしょうか編集部様。


北朝鮮の本名は? 住所は 年収は? ゲームを買って調べてみました。いろいろ調査しましたが結局わかりませんでした。いかがでしたか?


北朝鮮の公式サイトはこれね。公式ツイッターは↓

常に監視していたわけではないのでアレですが公式の認証マークがついたことはなかったと記憶しています。買えるようになったんだからケチケチせずに認証マーク買えばいいのにね。どうせならツイッターブルー(今はProでしたっけ?)を買って140字制限を気にすることなく北朝鮮をアッピールすればいいのにw