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対テロ戦争で見込み違いをするムシャラフ大統領

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003012

イスラム神学校への襲撃などの攻撃がパキスタン政府の土台を崩す可能性も
ブワン・タパリヤ
2006-11-13 06:50

 10月末、アフガニスタンと国境を接するパキスタンの部族地域にあるマドラサ(イスラム教神学校)をパキスタン軍がミサイル攻撃し、政府の対テロ戦争に関する新たな懸念が起きている。

 この攻撃では少なくとも80人が殺害された。「対テロ戦争」の軍事作戦がいつもそうであるように、詳細は完全に闇に包まれている。

 パキスタン政府によれば、マドラサは軍事訓練キャンプとして使われていたという。一方、怒りを感じた部族の指導者たちは、犠牲者は実は無実の学生や教師だったと主張している。誰が本当のことを言っているのは今後の成り行きを見てみないと分からないのが現状だ。

 攻撃後の数日間、パキスタン各地で数千人が抗議集会を開いた。

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パキスタンのムシャラフ大統領(2006年10月撮影、ロイター)

 ムシャラフ政権は、殺害されたのはアフガニスタンで攻撃を開始する準備をしていた国際テロ組織アルカイダのテロリストだと主張している。野党議員の一部は、犠牲者はテロとは関係がなかったとし、事態の調査を求めている。

 評論家たちは、ムシャラフ政権が政権存続の鍵として米国との関係維持に力を入れているのは明らかと指摘。10月末のマドラサ襲撃にみられるような攻撃を実施することで、ムシャラフ体制は米国に対し、より強力な関係を構築したいと宣言するための信号を送っているという。

 ムシャラフ大統領は実際には自分の首を絞めていると指摘する評論家もいる。マドラサ攻撃はイスラム過激派の反政府感情をあおり、最終的には強まった怒りがムシャラフ大統領の支配を弱体化する恐れがあるからだ。

 米大統領府は、11月1日、米国はパキスタン政府のマドラサ攻撃を支持するとし、ムシャラフ大統領が対テロ戦争における決意を示したとして、これを評価した。

 「10月末の攻撃はアルカイダを追い込むことを意図していた。パキスタン政府は、自ら収集した情報に基づいて攻撃を行い、米国をこれを支持する」とトニー・スノー米大統領報道官は語った。

 人権団体はこの攻撃を行き過ぎた行為と非難。アムネスティ・インターナショナルは、2日、以下の声明を発表した。

 「容疑者を最初に逮捕しようとせず、警告もなく、武装抵抗を企てる容疑者がおらず、容疑者が治安部隊に差し迫った危険を与える状況になかったにも関わらず殺害が行われたとすれば、これは超法規的な処刑と言える」

 なぜマドラサにいた人々を検挙し、合法的にテロとの関与に対する取調べをしなかったのかと問いを発する評論家もいる。なぜ自ら降伏する機会を与えなかったのか?

 パキスタンの今回の対テロ作戦は、ムシャラフ大統領と彼が目指す政治目標に対する逆風となるに違いない。

オーマイニュース英語版から〔11月5日掲載〕)

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


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決断して責任をとるのが為政者の役割。あとテロリストは話し合いに応じません。考え違いしてるんじゃないの?

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https://www.moj.go.jp/psia/ITH/organizations/E-asia/nihon-seki-gun.html