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郵政造反組の復党問題を考える

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003287

自民党は筋を通すべきでないか
菊池 浩史
2006-11-20 23:15

昨年の衆議院議員選挙から1年以上が経過しました。当時、郵政民営化法案に反対した、いわゆる郵政造反議員の去就が注目されているところですが、自民党執行部は17日、今月中にも造反議員の復党を認める方針を固めたようです。世論調査の結果などから有権者の反発の声を懸念する声も党内にありましたが、来夏の参院選に向けた体制作りを優先したうえでの判断になったようです。安倍総理などのコメントによると、郵政民営化に賛成することを条件に、復党願を提出させたうえで、党紀委員会で審査し正式決定することになります。

そもそも造反議員とは郵政民営化法案に反対票を投じた衆議院議員ですが、今回復党対象となるのは、このうち9月の首相指名選挙で安倍総理に投票した野田聖子氏ら12名の無所属議員です。

復党の背景としては、参院選を睨んだ選挙対策以外の何物でもないように思ってしまうのは私だけでしょうか。復党組には選挙戦に強い議員も多いと聞いています。彼らの力を利用して選挙戦を有利に戦い、一方、造反組もこの機会に大政党に復党し、自身の選挙基盤を固めようとの動きに見えてしまいます。政党助成法に基づく各政党への政党交付金の交付額は基準日(1月1日)現在の届出内容によって決定します。つまり、年内に復党させれば、政党交付金の決定にも有利に働くわけです。

この問題に対する小泉前総理などの発言のなかに、「議員は使い捨て。総理だって使い捨て」とか「議員の身分は保証されていない」的な内容のものが聞かれました。一般的な政治家の心構えとしては理解できますが、釈然としないものを感じ取った方も多いのではないでしょうか。

そもそも政党とは、政策を共通にする政治家の集団のはずです。そして選挙は、政党や政治家の掲げる政策について国民の審判を仰ぐものです。その意味で昨年の衆院選は、まさに「郵政民営化」という政策が争点になり、ある意味では非常にわかりやすい選挙でした。

その選挙から1年余りしか経っていない今、その造反議員はどうして復党することができるのでしょうか、また、復党させるのでしょうか。理解に苦しみます。彼らは、本当に郵政民営化賛成という政策に転換したのでしょうか。重要な政策に関して、このように安易に転換できるものなのか、甚だ疑問を感じざるを得ません。郵政民営化賛成に未だ難色を示している平沼赳夫・元経済産業相の姿勢の方が理解できます。

郵政民営化は、たかが政策の一つかもしれませんが、一つひとつの政策への対応から政治家の姿勢を嗅ぎ取っていくのが国民ということを忘れているのではないでしょうか。筋を通さない造反議員と、それを抱え込もうとする自民党。来夏の参院選には相当に厳しい審判が下るのではないでしょうか。

オーマイニュース(日本版)より

この翌年の参院選が後に続く『悪夢の民主党政権』の予兆だったのだと後になればわかりますが、当時はさすがにねぇ。

政治の世界でも数は力という論理なのは理解できますが、丁寧な説明がなければ(政治の駆け引きとは無縁な)門外漢には理解できませんよ。