個人基点のジャーナリズム育つ場に
引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/HotIssue.aspx?news_id=000000000121
【創刊によせて】 渡邉正裕・マイニュースジャパン代表
記者名 渡邉正裕
2001年、昼のFNNニュースでOhmyNewsが取り上げられているのを偶然見て、衝撃を受けた。常駐4人、市民記者1万1000人だという。この仕組みは日本にも必要不可欠と感じた私は、翌年8月現地に飛んだ。世宗路大宇ビル5Fの一室を訪ね、広報担当のパクさんやニュースゲリラ4人からじっくり話を聞いた。
ソウルは街中でデモ行進中だった。地下鉄に乗れば若者が演説を始めるし、大学を訪れれば政治集会をやっていた。OhmyNewsが政治ニュースを中核に据えて成功した理由を、肌で感じた。
しかし、調査の結果、時代背景などが日本とは違い過ぎ、日本には潜在的な書き手が決定的に欠落していると判断した。全共闘世代が現役の頃ならまだしも、今の若者は完全に政治に冷めており、書きたいことがないのだ。
そこで我々は、日本市場向けに記事内容やビジネスモデルを抜本的に修正し、2004年春に資本金500万円でMyNewsJapanを開業した。すでに収益ベースに乗せ、上場を目指して成長を続けている。
「組織」を起点に多くの情報を発信する現状のマスコミ報道は、生活者よりも企業利益を優先する構造上の問題を、さらに深刻化させていると思う。「個人」が起点のオンラインジャーナリズムは、その問題を解決する力を持っていると確信している。OhmyNewsには、ぜひ私の数年前の分析を真っ向から裏切り、日本でも大成功を収め、優秀な“個人記者”をどんどん育てていって欲しいと願っている。
(株)マイニュースジャパン代表
2006-08-28 09:00
同業の先輩からのエール記事。組織存続のための収益モデルをしっかりと設計した(株)マイニュースジャパンの代表、渡邉正裕氏の記事です。引用文中のリンク先は生きています。