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「預貯金なし」の世帯が4年ぶりに減少したものの、依然高止まり

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002613

格差社会の象徴として受取るべきか。
菊池 浩史
2006-10-23 23:15

一昔前までよく言われた“一億総中流”は、もはや死語となったのでしょうか。我が国でも格差社会が到来したと言われ始めていますが、それを図る主な指標として、所得水準の格差、消費水準の格差、そして貯蓄金額の格差が挙げられます。

ところで「貯蓄に日」ってご存知でしょうか。これは、「10月17日を貯蓄の日にしよう」と貯蓄増強中央委員会(現在の金融広報中央委員会)が1952年(昭和27年)に提唱して決まりました。伊勢神宮(三重県)で「神嘗祭」が10月17日に行われていることがきっかけになっているようです。神嘗祭とは、「天照大神が新嘗(その年に採れた穀物)を召し上がった」という神話から、秋季に新穀を供えて神を祭る行事のこと言います。このことから、勤労からの収穫物である「お金を大切にしよう」と貯蓄の日が設けられた、ということです。

その金融広報中央委員会の発表する『家計の金融資産に関する世論調査』があります。同委員会が金融広報活動に役立てることを目的として、金融資産に関する考え方やその実態などについて、全国の個人の方々を対象に行っているものです。金融資産の保有状況、金融商品の選択、借入金・生活設計・老後の生活、金融環境についての認識が主な調査項目です。

今年の調査結果も去る10日に発表されましたが、なかなか興味深い結果が出ています。
1世帯あたりが保有する金融資産の平均額は1073万円で昨年より12万円減少しましたが、中央値(貯蓄額別に並べると中央にくる数値)は420万円で20万円増加しています。これは、僅かばかりですが貯蓄額の格差が縮まったと言えます。

ただし、「預貯金なし」と答えた世帯の比率が、この15年ほどで急増しているのには注目すべきです。2人以上の世帯でみると、1980年代後半まで5%前後の水準だったのが、2000年に10%を超え、2005年には22.8%まで上昇しています。今年の調査結果では、22.2%と微減しましたが、それでも5世帯に1世帯以上が預貯金にお金を回す余裕がないか、食べるだけで精一杯という状況になっています。更に、単身世帯に限っていうと、実に32.3%が「預貯金なし」と答えています。これも格差が拡大している証の一つでしょうか。

そもそも預貯金は多ければ多いほど良いというものではないと思います。消費や投資も必要です。ただ将来や不慮な出来事(病気、老後、住宅購入、学資金等)などへの備えとして、金額はともかく一定程度の備えはどこの家庭でも必要なのではないでしょうか。

今回の調査結果が、“預貯金がしたくてもできない貧困層の増加”を意味しているのであれば、それは、社会政策として何らかのセーフティネットが必要なのか、それともあくまでも自己責任と考えるべきなのか。なかなか答えを出しづらい問題です。この傾向が続くとき社会にどのような影響を及ぼしてくるのか、非常に気になるところです。

オーマイニュース(日本版)より

自動車でさえサブスクリプションで乗る時代ですから、と書こうとしたら、そういえばツカサのウイークリーマンションがあったかwと思い出しました。厳密には違いますが、短期賃貸(ウィークリー、マンスリー)のアパートも実質サブスクリプション契約ですし、(個人に)貯蓄がないことを前提とした経済が当たり前になっているのかもしれません。

歳をとったら賃貸契約は難しくなると思うので個人的には持ち家のほうがいいとは思います。ファイナンシャルなんたら的には賃貸をお勧めされましたが、ある程度の資産を持ってどこかの介護付きアパートへ入居するのも現実的な選択なのかもねぇ。