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今生きること・描くこと

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002444

神田日勝の絵と画家魂
W辺 R一
2006-10-19 08:56

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網走市立美術館

 10月7日(土)から10月29日(日)まで網走市立美術館で開催されている、網走市立美術館と神田日勝記念美術館(北海道・鹿追〔しかおい〕町)による特別企画展・網走展「海と大地と空と」を鑑賞してきました。

 神田日勝(1937-1970年)は、鹿追で農業を営む傍ら風土に根ざした作品を描き続け、若くして他界した異色の作家です。

 北海道近代美術館で初めて日勝の作品(室内風景)を目の前にしたとき、心が激しく揺らいだ記憶があります。

 作品「室内風景」は、壁、床全面に新聞紙が貼られ、日勝自身と思われる人物が腕を組み、膝を立てて座っている。天井からは裸電球がぶら下がり、床には人形、吸い殻の入ったブリキの灰皿などが雑然とちりばめられている。人物の目はどこか不安な眼差しで、こちらを凝視している。

 私はこの絵の前にしばらくたたずみ、日勝の画家としての不安、描かずにいられない自分、風土から逃れない宿命、表現する苦しみが、この作品から伝わってきました。

 大地に両足を踏まえ、時代を直視しながら新しい価値の創造者として歩むこと、そして今を生きる画家であり続けることを日勝の作品から学んだのでした。

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展覧会「海と大地と空と」のパンフレット

 再び日勝の絵を見る今、十数年ぶりの「室内風景」、やはりこの絵から、画家としての不安、孤独が伝わり、時代状況が変わっても、画家としてどう生き、どう描くかをこの絵から問われていると思いました。

 日勝は短い画家人生でしたが、絵という生命を残し、力強いメッセージを今も発信し続けています。

 それは、生きること・描くこと、そしてこの風土に根ざして発信すること。また、非力ながらも時代を直視しながらオリジナルを追い求めることが、画家魂だろうと。

 外国作家の作品を自らの作品と偽り、地位と名誉を求めた画家もいました。日勝が生きていたら、このような画家が現れた画壇をどう思ったであろうか。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは2件。

2 冥王星 10/21 21:38
>tarako(tarako) 様
市民記者で参加したので、記事を書かねばと思っているところです。コメント欄ですが、何のことはない記事に参加してますよ。

1 tarako 10/21 09:52
最近コメント欄でお見かけしないのでさびしく思います


絵の心得はないので正直な話、絵画を見てもどのくらいの価値があるものかはかりかねますが、記事中でも取り上げられている『室内風景』は見ててゾワッっとしました。

当たり前ではないものに触れる意味でたまには美術館に足を運ぶのもよいかもしれません。