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高校履修単位漏らし事件

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002733

全ての受験生が被害者だ
O野 M
2006-10-29 01:26

最初に申し上げるが、この問題は履修漏れではなく漏らし事件だと断言したい。

卒業の危機にさらされている学生諸君は、センター試験まで3ヶ月を切ったこんな時期に、自らに非のない騒動に巻き込まれてしまい、動揺は隠せないであろう。心痛は計り知れないものがある。掛けてあげる言葉すら見付からない。

◆マスコミ論調
この事件に対して【補修時間の捻出方法】と【未達既卒業生の処遇】の問題にほぼ集約され、被害生徒に寛大にあれとの意見に終始しているようだ。前記以外に、責任問題や【世界史は必要なのか】【大学受験と履修科目との乖離】等々の問題があるが、これらは高校生自身の問題ではなく監督官庁側の問題であるため、この記事では割愛し他での論議に期待するに留める。

◆政府見解
伊吹文科相は「アンフェアになってはならない」と発言し、安倍首相は「子供たちの将来に問題が発生しないように対応すべきだ」と指示したとされる。結果として、3月末までに卒業単位数さえ合えば良いという安直な流れではないかと容易に推測できる。現実の受験生にとっては、そんな辻褄合わせ的な単純な問題ではないのだ。

◆既卒業生の処遇
一部の不正校によって合格ラインが実質的に嵩上げされていると言える状態では、正規の授業を受けてしまったお陰で過去に不合格になった受験生も数多く存在している事は否定できない。彼らの公正さを保つためには、法律的に高校を卒業していない者を、時間を遡って不合格とし、不足した学生数を次点者から順次繰上げ合格させるのが真の平等であろう。が、直近ですら既に半年以上の月日が過ぎている点からも非現実的である。その上被害者をさらに追い込むことになり、問題を複雑化する原因になっても解決策とは考え難い。結局、既卒業生は超法規的措置で卒業と見なさざるを得ないであろう。しかも彼らの世代は「ゆとり教育」とやらの行き当たりバッタリ教育システムで振り回されてしまっており、既に被害者でもあるのだから。彼らの自主的な今後の努力に期待せざるを得ない。心より健闘を祈りたい。

◆被害者が得をする
履修させられなかった生徒が表面上の被害者であるのは事実であるし、彼らにとっても極めて深刻な問題である。しかしその反面、「合格」だけに論点を絞れば、未履修はその被害者に有利に働いている。非履修コマ数は発表されている最大数で350コマ、すなわち290時間以上である。いわゆる被害者は、取りも直さずその時間「差」を出題科目の勉強時間だけに100%注がされているのである。そのために削られたのだから当然ではあるのだが。

◆全受験生が被害者
来春受験予定の現役生においては、今の時期で300時間近い勉強時間の差は個人努力のレベルをはるかに超越している。ならば、まともに履修して来た受験生の処遇はどうなるのだ。もし、入試試験「後」の臨時講義による単位数合わせを是とするならば、スタートラインが違うまま同時にゴールテープを切る結果にならないか。これでは【受験生全員が被害者】だと言わざるを得ない。せめて、受験生全体に対して出き得る限り不公平感の少ない方法を取るのが、政府/文科省そして我々大人の責務である。それは受験生を受け入れる大学側も望むところであろう。

この事件は、責任者や犯人の断罪レベルの話しではない。受験生は生身の人間なのだから。
伊吹文科相のアンフェア発言の真意は知る義もないが、履修コマ数さえ合わせれば良いという勘違いフェア論でない事を、切に祈るばかりだ。

オーマイニュース(日本版)より

大学受験に必要のない授業中に内職で他の科目の勉強をしていた、なんて人もいるかもしれませんね。日本版オーマイニュースの元編集部スタッフのその後のご活躍をちょっと追ってみたいな、とふと考えることもあります。

プロフィールのどこにも日本版オーマイニュースのことは書かれていないようですね。ちょっと残念かな。他の方はどうなんでしょうね。