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ネットでの意見交換は聞き上手に徹すること

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002624

書く能力よりも読む能力が必要
N山 M志
2006-10-26 07:50

 1985年の電気通信法改正によるさまざまな変化の中で、パソコンが手軽に(当時は手軽ではなかったが)ネットワークにつながり、コミュニケーションの道具となった。商用パソコン通信ネットとして2巨頭、「PC-VAN」(NEC)と「Nifty」(富士通)が多くの会員を集め、電子掲示板サービスを提供していた。私もネットに書き込むようになってかれこれ20年になるが、ネットでの意見交換には「よく聞く(読む)」ことが欠かせない。

 大学の講義で学生に「明石家さんまは『聞き上手』か『話し上手』か?」と問いかける。多くの学生は、「あれだけしゃべるのだがから『話し上手』だ」と答える。実は、これは誤解。彼のトークを見ていると、常に複数のネタを秘めながら、相手の出方次第で的確にネタを選択して話す。常に複数のネタを用意し、その場に最もふさわしいものを瞬時に判断して提供する。これは表面的に「話し上手」に見えるが、実際は高度な「聞き上手」とも言えるだろう。

 では、「聞き上手ではないが、話し上手」なネット参加者は、どのように映るだろうか。「正直、ウザイ」「場の雰囲気が読めない」「永遠に自己主張するが、他人の話には耳を貸さない」「雰囲気が読めないだけでなく、他人の文章も読めないので相手の文章を的外れに引用し、これに的外れな感想を書く」「話は繰り返されるか、発散する」「決して終わらない」、加えて“いつ寝てるんだ?”というくらいレスポンスがいい。

 実は、ネットの掲示板的な場では、物量作戦が優位を占める。とにかく文字数勝負してると、やがて勝利の未来に出会うと勘違いしてしまう。実際には議論は発散し、終わらないのだが。

 パソコン通信時代は、「全員が初心者」というくらいの社会だったので、ネット経験年数もほとんど変わらない。だから、さまざまな実験が行われた。上記の事象をどのように防ぐかという観点から始まったのが「往復書簡」である。これは、文字数制限(おおむね800文字)、一方が書いたら翌日返答する。つまり、2日に1回しか書けないルール。ディベートも試行された。これは1週間に限り双方が好き勝手に書いて、観客が1週間後に勝敗を決するという遊びだ。

 そう、どれもこれも「遊び」だった。

 最近のネット社会の意見交換を見ていると、同じ意見の者が集まる(ネットの特性として広く薄く広まったものを集約する機能があるので、これが生かされる)、意見の異なりは許さない(人間は十人十色、それぞれが是々非々で生きてることを認めない)傾向が読み取れて、物量による巨艦巨砲主義が大手を振ってる感じを受ける。

 じっくり「聞き上手」になり、“ハチのひと刺し”的なウイットに富んだ書き込みを行う余裕が、今のネットでは失われてる(ハチはひと刺ししたら死ぬから、的確な表現ではないが)。

 PC-VANの中の金言に「バカと論争するな、端(はた)から見ているとどちらがバカか分からない」というのがあった。まさに、熱くなって語るよりは「聞き上手」(決して発言するなと言っているのではない)転じて「話し上手」になることをお勧めする。


【編集部注】記事の一部を修正いたしました。市民記者ならびに読者のみなんさんにご迷惑をおかけしました。(2006/10/26 13:55)

オーマイニュース(日本版)より

このこの記事についたコメントは19件。自己削除されたコメントがありますのでシステム上は18件です。

18 Mint 10/27 10:47
>>17

1990年頃です。

17 スナギモ 10/27 10:17
>パソコン通信時代は、「全員が初心者」というくらいの社会だったので、ネット経験年数もほとんど変わらない。

イマイチどの時代を指してるのかよくわからないので、具体的に教えてくれないか?

16 眼鏡屋 10/27 07:30
富士通のサービスは「NIFTY-Serve」ですよ…
表記は正しく。Niftyなんてごく最近の名前。

15 Mint 10/27 06:49
>>14

http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002494

に対する皮肉を込めた記事なんです。

もっとも、対象を明かしては揶揄の意味が半減しますが。

14 じぇじぇ 10/27 03:28
N山 M志記者 おはようございます。
>>“いつ寝てるんだ?”というくらいレスポンスがいい。

これ私のことかな~!?(私関係なかったらごめんなさい、ですが)
私の場合は20歳頃からもう15年以上、1日の睡眠時間が大体3時間~最長で5時間です。体がというか脳がそれで慣れてしまっているので、短く深い眠りで目覚めはとても(友達が言うには…“恐ろしい程に”)良いです。(そして寝起き早々に焼肉丼とか平気で食べられます)

日本と中国では時差が1時間有りますが、今日なんかもそうです。昨晩は9時に眠くなったので寝たら目覚まし要らずで起きたのが0時半でした。一度起きると眠れないので、そうなると起き出してネットサーフィンか仕事するか、です。^^; ですのでどうしてもレスポンスは他の記者より良くなってしまうんですよ。でも…

>>相手の文章を的外れに引用し、これに的外れな感想を書く
ってところは自分で充分に思い当たるので、気を付けたいと思います。

>>「この記事にひと言」に関する論争(やりとり、対応、言い合い、喧嘩、血と汗と涙の結晶)を揶揄したかったのです(中略)最後の1行で「あ、あの事を揶揄してるのか」とドンデンガエシしたかったのが本音です。だから、補足しました。
ココで言う「あ、あの事」が分からないのですが、出来れば教えてください。「血と汗と涙の結晶」とまでに表現されるもの有りました?私は拝読していない記事だと思うので知りたいです。

13 ひらりん 10/26 19:40
ああ、N山さんですね、こんにちは。
ながいパソコン通信からのキャリアがあるのですね。
たくさんの古くからの逸話、とても参考になります。
さまざまな試行錯誤が行われていたのですね。知りませんでした。
むかしの話とはいえ、今でも通じるものがありますね。
いまではだいぶネットの様子も変わっているのでしょうか。私は初心者なので
よろしくご指導おねがいします。

12 Mint 10/26 19:32
>ひらりん(hirarin) 様

>ちなみに私はバカ、馬鹿は知的障碍者を揶揄する意味でなければ特に削除する必要は無いような気がします。

各地でのご活躍目にしています。

知的障害者に対して「バカ」は的確な表現との価値観をお持ちなようで「内なる差別意識」をカミングアウトされてもなぁってのが素直な感覚です。

建前を大切にして謝罪要求までした方が、人の記事のコメントで自己主張されるのはどうなんでしょう。噛み付きたい話題には雰囲気を読まずに自己主張書きなぐりですか(笑い)

この記事が行間で「釣り」なのが成功したのですかねぇ。
まさか、「ひらりん」さんがと、ちと驚いていますが。

11 鳥越し苦労 10/26 19:25
本文とは関係ないけどハチのことで突っ込んでおきます。

ひと刺しで死んでしまうハチはミツバチなど、ごく一部のハチです。
スズメバチ類、アシナガバチ類、ハナバチ類は何度刺しても死にません。

10 ひらりん 10/26 18:48
編集部 二木様

文中に「バカと論争するな、端(はた)から見ているとどちらがバカか分からない」

バカという言葉を揶揄する意味で引用されている文章がありましたが、

平野編集次長の言葉より引用
* *
379 編集部(平野)(hi2rano) 2006-10-24 16:36:10
(中略)
まっとうな批判とそうでない悪口雑言はひとくくりにしていないつもりです。コメント欄に、キチガイ、馬鹿などと書いてあれば、禁止規定(規約24条(6)差別的な表現および差別的な意図を含む、および倫理的な観点等から問題のあるコメント等の投稿)と判断し、即削除しています。

* *

バカが許されて、馬鹿が許されないというのは、実に恣意的な削除規定だなあ。

ちなみに私はバカ、馬鹿は知的障碍者を揶揄する意味でなければ特に削除する必要は無いような気がします。
ただ知的障碍者が、「バカ」という用語を目にして不快に思う可能性はありますが、言葉はどのようにであれ他者を傷つける可能性はあります。

以上は記者への疑問ではなく編集部へ向けた疑問ですので。

9 Mint 10/26 18:04
>>4  編集部(二木)様

ご連絡ありがとうございます。

最後の1行の削除は記事とするための妥当な編集と思います。別に編集部批判では無く、記者としての思いは別な断面もあったのだぁと書きたくて「この記事にひと言」を使わせていただきました。

以下、本音。

この記事の真意は昨今のOhmyNewsにおける「この記事にひと言」に関する論争(やりとり、対応、言い合い、喧嘩、血と汗と涙の結晶)を揶揄したかったのです。
それを、一般の記事のように見せるのに苦労しましたが、最後の1行で「あ、あの事を揶揄してるのか」とドンデンガエシしたかったのが本音です。だから、補足しました。

僕はネットで交わされてる意見交換は余裕がある側が読者の心を引き付けると感じています。
硬い文章で理路整然と考えを述べて最後に「うそぴよぉぉん」なんて書かれると抱腹絶倒「やられたぁ」と楽しくなります。

楽しく無ければインタネじゃない。

今のOhmyNewsは硬すぎます。風になびく葦の例えもあり、高度なテクニックで行間に別な思いを埋め込んだ記事が読みたいです。
下手な書き方だと「何を言いたいのか解らん」とお叱りを受ける結果になりますが。

どこかに書いて有りましたが「政府は悪人→皆、きいつけやぁ」みたいな記事ばかりでは殺伐とします(しています)から。

おーーい山田君、編集部の二木さんに座布団いちまい。
へーーい、かしこまりました。

8 ニーノ 10/26 17:17
>>3
「リアルで頭のおかしい人」も「根拠のない暴言」も否定しません。両方とも「こちら側の思い込み」かもしれないのです。

頻度の問題が大きいと思うのです。コメントはつけてもいい。ただし、みんなが「迷惑」だと思う「付け方」を「排除」する方法を考えましょう。意見が偏っているからという理由で「排除」するのは誤りだと思います。

また、記事のように「バカと論争するな」という「放置」「無視」をネット上で表示し続けるのは、正しいと思いません。相対する二人の「バカ」がネット上で、罵詈雑言を言い合うのを傍観者としてえんえんと許そうというのでしょうか。

記者が、記事へのコメントにいちいち「お返事」を書くのも、やめたほうがいいと思います。記者に求めるのは、「よく考えて、的確にまとめた」記事であり、「未完成な記事と、コメントに対する言い訳」などではありません。

7 冥王星 10/26 16:09
自戒を込めて同感です。

>決して終わらない」、加えて“いつ寝てるんだ?”というくらいレスポンスがいい。

このフレーズいいですね。当初私も午前12時過ぎまで、コメントしてたりしてましたが、最近は時間の無駄ですので早く寝るようにしています。

6 yonemura 10/26 15:22
ただ、編集部の文面の変更はいいのですが、記者に最終原稿の確認をせずに掲載するのはどうかと思います。
マスコミではよくあることですが。

5 yonemura 10/26 15:16
>注:本文章はフィクションであり、実在する組織、団体、人物を描いたものではありません

>これらの表記や表現に「フィクション」とする必要性が認められなかったので削除いたしました。

妥当な措置だと思います。
N山M志記者はこの文に何らかの揶揄を込めたのでしょうか?
正直センス悪いですね。

4 emanon 10/26 13:52
> 1.N山M志(筆者)(Mint)様

編集を担当した二木です。

「注:本文章はフィクションであり、実在する組織、団体、人物を描いたものではありません」を削除した件ですが、記事中に登場する特定の「組織、団体、人物」としては、「PC-VAN」(NEC)、「Nifty」(富士通)、「明石家さんま」が該当します。

「PC-VAN」、「Nifty」が当時、「商用パソコン通信ネットとして2巨頭」であり、「多くの会員を集め、電子掲示板サービスを提供していた」のは創作ではなく、また明石家さんま氏に関する記述は“意見”“考え方”に類するものと考えています。

これらの表記や表現に「フィクション」とする必要性が認められなかったので削除いたしました。

「ハチはひと刺し~」に関しては、誤読がありました。
お詫びして訂正します。

3 yonemura 10/26 11:32
確かに、
「さくらちゃんたちを邪魔する奴らは人間の屑」
だの
「反対する奴らはネトウヨ」
などという根拠のない暴言により言論を封殺する雰囲気がネット界に蔓延している現状は困ったことですね。
「善意」という暴力がネット界を覆い尽くしているとも言えるでしょう。とくにこのオーマイニュースではそれが顕著ですね。

しかし、ネットをそういった暴力で支配しているのは、リンダちゃんのように、リアルでも他人と話のできない、はっきり言えば頭のおかしな人なんですよね。
ネット界が広がったことにより、そういったおかしな人もネットをするようになった、というのが昔と今と違うところでしょう。

真の問題は、そういったリアルで頭のおかしい人と、通常の人に等しく発言権が与えられる現在のネットのシステムでしょう。
これはオーマイだけではなく、Blogでも顕著な事で、このままでは日本のネット言論界の息の根を止めてしまうかもしれません。
システムの早急な改善が必要ですね。

2 Nitecube 10/26 10:56
>意見の異なりは許さない
これはネットの特質ではなく、声の大きい者の意見の不条理な強さと同質のものが表出した結果でしょう。
本人たちは議論のつもりでも、その実態は声を荒げての罵り合いの喧嘩です(ネット上に限らなくてもそういう光景は見かけますよね?)。
自分の意見が正しいかどうかの検証よりも、そこに自分のアイデンティティまで賭けたことに重きをおいてしまったためにこうなります。
 「今のネットでは」と言いますが、ユーザーの本質的な部分では実際には変化がなく、単にシステムが違うために起きた現象であるように思います。

>「往復書簡」
これは現在はブログによって別の形で試行されています。
ブログのトラックバック機能で、意見として掲載されたブログ記事に対して、異議を同じく自分のブログのエントリとして掲載して、対象のブログにトラックバックする、ということを繰り返します。

1 Mint 10/26 08:41
文中に編集ミスがあるので、本人が再掲しておきます。

誤(意味不明になっている)
(ハチはひと刺ししたら死ぬからのような表現ではないが)

(ま、蜂はひとさししたら死ぬから的確表現では無いが)

文末で削除された部分。

注:本文章はフィクションであり、実在する組織、団体、人物を描いたものではありません。

#このような、「この記事にひと言」の使い方もあるんだよね。


Mint先生も、ちょっと斜(はす)に構えようとするところを修正すればもう少しコメント欄という場に受け入れてもらいやすくなっていたのかなとも思います。おおまかなところはほぼ間違っていないとは感じます。

当時オピニオン会員として登録していた方の中にはMint先生と同様にパソコン通信時代からの経験者が多くいました。その時代も含めてネットでの言論(とは呼べないようなものも含めて)に触れてきた経験からちょっと上から目線になってしまうのは、ある意味仕方ないことと自他ともにあきらめるよりないと思います。「老害」「情弱」と一通りののしってしまえばある程度スッキリするでしょうw

ネット経験が長いからといって必ずしも賢いとは限らないのは真理かと。車輪の再発明やら千日手やらもよく見ますが、時にまったく新しいモノやすごい才能に出会えるのもネットの面白いところだと思います。