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院内感染症の裁判に思う

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000001947

司法における裁判の改革こそが急務
記者名 S口 S造
2006-10-12 07:51

 私たちの住む街で、10年前に院内感染症の患者さんが裁判を起こしました。患者さんは当時21歳という若さでした。アレルギー性血管炎のため市立熊本市民病院に10年前の5月に入院されておりましたが、9月に熊本大学病院に転院されました。

 同じころ「メチシリン耐性黄色ブドウ球菌」(MRSA)に感染してしまい、その年の11月に死亡されました。患者さん側は、院内感染のための死亡として、早々に裁判に打って出ることにしました。当時、この地域でも大きな論議を呼び、市民の大きな関心事でもありました。

 地方裁判所は「院内感染による死亡」と認め、患者側の勝訴となり、賠償金の支払いを命じられました。ところが、市側は即座に高等裁判所に控訴したのです。患者側にとっては思いもよらぬことでしたが、やむなく再び裁判が始まりました。日本の裁判はご存知のように、判決が出るまでには数年も経過してしまいます。当事者ではない私どもは、無責任ではありますが、「何で今なの…」というぐらいに遅い結審となりました。高裁の判決においても、一審同様に市民病院の注意義務違反と死亡の因果関係を認めることとなりました。「院内感染による死亡」と断定され、7100万円の支払いが命じられました。

 市側は、10年間に及ぶ患者側の胸中を察して、謝罪され、これ以上の上告は取りやめにされました。私たちの身近な問題でもありますし、考えてみれば、なぜこのように、10年間の歳月を割かなければならなかったのか、交通事故死の場合もそうですが、おかしな話だと思います。いつも「加害者の救済?」の裁判であって、「被害者の心情、被害者の救済、遺族の心情」などが二の次になっているということに大きな疑問を抱かざるを得ません。

オーマイニュース(日本版)より

この記事についたコメントは5件。

5 augfirst 10/15 02:55
被害者救済が裁判の存在理由ではないのでは。
この裁判では、市立病院がMRSA感染を防止するための「スタンダードな」方策をとっていたのかどうか、また感染が死亡の原因になったのかどうか、を争う裁判なのではありませんか?

昨今医療訴訟が増えているようですが、治療を受けて結果が良くなかっただけで「私は被害者」といわんばかりに訴訟を起こすような例が増えているようです。もちろん医療側(この裁判では市民病院)に非があれば賠償をしなければいけないでしょう。しかし特に医療がらみの裁判では、「被害者救済」という名目で患者側に圧倒的に有利な判決がでる例が多いと聞きます。
医学的に適切な対処を行っても死亡や後遺症が出ることは、病気の性質や勢いでありうるそうです。しかし結果が悪ければ訴訟を起こされ、医学の理解のない裁判官の判断だけで(十分に治療の妥当性を検証されるチャンスが少ないまま)被害者救済の名目で賠償を命じられるなら、医療提供者は萎縮してしまいます。(参考図書:朝日新聞社「医療崩壊」小松秀樹著)
今回の審理の内容はわかりませんが、原告被告とも控訴・上告の権利はあるわけで、納得がいくまで審理を尽くす権利を行使することは決して非難されるべきではないと思います。

4 生ける屍 10/12 17:06
>>3
西日本新聞のサイトには記事が残ってましたよ。
「熊本・院内感染死 市側の過失 2審も認定」
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/national/20060915/20060915_004.shtml

記者が、
>いつも「加害者の救済?」の裁判であって、「被害者の心情、被害者の救済、遺族の心情」などが二の次になっているということに大きな疑問を抱かざるを得ません。

と思われるのは勝手ですが、かと言って一方的に「被害者感情」に寄り添った判決ばかり出すと司法はもう成り立ちませんよ。ただでさえ刑事裁判は世論に配慮した厳罰化が進んでいて大混乱に陥りつつありますよね。今は誰よりもまずTVの前の視聴者様がいちばん偉いですからね。
どうもオーマイはこうした大衆のその場の良心(しかも往々にしてマスコミに植えつけられたに過ぎない)を満足させて事足れりという記事が多過ぎますね。2ちゃんと何が違うのか、「左」に寄るか「右」に寄るかの違いでしかない。こんなもん、朝日や産経・正論にでも投稿してればいいんじゃないのかね? 実はブログの方が人によってそれぞれ異なるステレオタイプではない様々な意見が沢山載っている。退化した媚びた「世論」ばかりの何が市民メディアやねん。

3 monkey 10/12 16:43
>訴訟ではMRSA感染の経路と時期が争点となったが、

>両親は熊本大医学部付属病院の過失も主張していたが、同高裁は同日、両親の控訴も棄却した。

上記、くまにち.コム2006年9月14日より

感想文を書くより以前に事実を正確に伝えてください。裁判に時間がかかり過ぎることは問題だと思いますが…。

1 L'howon 10/12 13:12
何が『おかしな話』だかよく分かりません.裁判に時間がかかりする過ぎることなら同意できますが.
『加害者』に賠償を請求するなら裁判で争うのはやむ終えないのでは.この記事からは詳細は分かりませんが,院内感染の問題は誰が悪いかは非常に微妙な問題です.MRSA位は多くの日本人の口や鼻には常在しているわけで….

ほかの記事もそうですけれど,感想を書くだけならば自分のブログでやればよいです.


さて、そろそろ書き始めてもいい頃かな。

この記事も市民記者さんによって投稿され日本版オーマイニュース編集部スタッフさんの編集を経て紙面に掲載されました。この記事についたどのコメントも「事実を正確に伝えてくれ」と市民記者さんに要求しておられることを覚えておいてもらえると幸いです。

なぜわたしが当時一番最初にあのように書いたのかの理由がこれですね。わたしはきちんとコメントで書きましたが当時誰も信じていなかったようですのでここであらためて記しておきますね。わたしはあのコメントを書く時点までに正式採用され紙面に掲載された日本版オーマイニュースの記事に全部目を通していました。目を通した上で日本版オーマイニュースに足りないものを日本版オーマイニュース編集部スタッフさんの方から言ってもらおうという意図をもってコメントをつけました。意図は編集部の方に伝わったようですが、そもそもあの記事(とコメント欄でのやりとり)が出来レースだったので意味はありませんでしたがw

無理だろうとわかってはいてもSSR狙いはしたくなるものです。

ま、それがあなたがたの選択ならわたしが口を挟む道理はありません。