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苦境にあえぐ商品先物取引業界

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003222

自業自得との声も聞こえるが……
I井 T弥
2006-11-28 15:26

【画像省略】
東京都中央区の東京工業品取引所
撮影者:中台 達也

 商品先物取引とは、1カ月後、半年後など将来のある時点において、あらかじめ決められた価格で石油や貴金属、農産物などの商品を売買する契約をむすぶ取引のことで、商品取引ともいう。商品取引所法に基づいて、農水省と経産省が管轄する。我が国では、東京工業品取引所、東京穀物商品取引所など6つの取引所がある。しかし最近、この商品先物業界の様子がオカシイ。

 商品取引と聞くと「アズキ相場」とか「怖い、怖い」という反応が普通であろう。また「石油買ってくださーい!」とか「大変でーす!」あるいは「絶対もうかりまーす!」という電話が突然かかってきた経験はないだろうか? この業界は、消費者トラブルの多いことで有名である。

 日本経済新聞の2003年5月28日付夕刊に「商品先物取引をめぐる苦情・相談件数が4年連続で過去最高を更新した。国民生活センター(東京・港)に消費者から寄せられた2002年度の苦情・相談件数は7815件に上り、前年度に比べ約27パーセント増えた。イラク情勢の緊張で石油や貴金属の相場が乱高下し、商品取引会社による強引な勧誘が増えたようだ」という記事がある。

 商品先物取引をめぐる国民生活センターへの相談は、98年度―3161件、99年度―3798件、00年度―4414件、01年度―6026件と急上昇していた。相談の増加は、勧誘の増加とも言える。取引高も右肩上がり。“行け、行けドンドン”と、業界は絶好調だったのだ。

 しかし04年1月7日、業界大手の東京ゼネラル(福岡市)が、取引所に対する決済不履行(違約)を起こし、その後、自社の資産と分離して保管しなければならない客からの預かり資産を十分に保全していなかったために、200億円以上の簿外債務をかかえて破産。ここから流れが変わった。その年は、商品取引所法改正の年だったのだ。法改正の審議では、東京ゼネラルの簿外債務を見逃した主務官庁(農水省、経産省)の責任が問われた。当時、民主党の近藤洋介委員は、政府を追及して次のように質問した。

* * *

 「苦情も寄せられていた、粉飾決算もあったのを何となく感じていた。何で業務停止命令しなかったんですか、お答えください。大臣でも結構です。副大臣でも結構です。政務官でもいいですよ。お答えください」(第159回国会・経済産業委員会・第9号より、原文ママ)

* * *

 紛糾した委員会で政府の改正案は修正を迫られ、修正案に「業界の体質を根本から変えるかもしれない」と声があがるほどの項目が入れられた。

 それは、商品取引員の禁止事項に加えられた「委託を行わない旨の意思(その委託の勧誘を受けることを希望しない旨の意思を含む)を表示した顧客に対し、その委託を勧誘すること」という項目。この規定を「再勧誘の禁止」という。この規定によって、先物業者から電話勧誘を受けた消費者は、「いやだ」とか「興味ない」とか答えると、業者はもう電話勧誘を続けられない。これは、業界にとってダメージであった。

 我が国の先物業界の収益は、個人投資家に依存している。取引対象の商品を製造したり、仕入れたり、販売したりする業者を当業者というが、個人投資家は当業者とは異なり、商品自体は目的とせず、単に、資産運用の手段として商品市場を利用する。アメリカでは、市場での取引の8割程度は当業者といわれている。

 一方、我が国においては、当業者の参加比率はせいぜい1割程度という人もいる。業界はあまりにも個人投資家に依存しすぎているのだ。しかも、その個人投資家は、投資家とは名ばかりで、先物取引の知識もない、主婦や老人などの素人なのである。このような素人投資家が損をするのは言うまでもない。素人投資家が、なかば必然的に損することを、「客殺し」ともいう。この個人投資家の客引き、つまり客殺しのカモを呼び込む手段が、電話勧誘だったのだ。

 そして05年、改正法施行と前後して事件が起こった。同年4月、アテネ五輪の女子マラソンで優勝した野口みずきを擁する、業界大手のグローバリー(名古屋市)が突然、加治屋尚会長の退任を発表した。その直後、同社に対して、経産省・農水省が業務停止処分を決定。名証上場のグローバリー株価は急降下した。

 同年6月、主務官庁(ここでは農水省と経産省)は同社に対して、再度の業務停止処分を決定。8月、グローバリーは先物取引からの撤退を発表。山田社長をはじめとする同社幹部は、商品取引所法違反などで逮捕・起訴された。

 同社の違法行為は、裏で自己取引(※)を行い、その収支を帳簿に記載していなかったことである。グローバリーは、この収益を委託者とのトラブルの解決資金に充て、そのトラブルを主務官庁には申告していなかった。

* * *

 (※)法律では、先物業者のことを「取引員」というが、取引員は、委託者の注文を市場に取次ぐだけでなく、自分も投資家のひとりとして、先物取引を行うことが許されている。これを自己取引という。このとき、委託者の買いに対して、自己で売り、委託者の売りに対して、自己で買いを建てることを、向い玉を建てるという。客の7割ほどは、損すると言われている。すると業者の向い玉は、7割ほどの確率で儲かることになる。また、儲けている客が損するまで取引を止めさせなければ、業者は確実に儲かることになる。

* * *

 グローバリーに対しては、その前年の04年秋から、主務官庁の検査が始まっていた。経産省商務課は、同社の顧客などからも情報収集していたらしい。「『取引を止めたい』と言うと、支店長が『おちょくってるの!』と恫喝するんですよ」と語る元顧客もいたのだ。

 その後、主務官庁は立て続けに、取引員に対する検査を行った。そして、取引員の廃業、破産、撤退が続いた。

 05年11月、アスコップ(破産)、西友商事(受託業務廃止)
 05年12月、イトレン(受託業務廃止)
 06年3月、MMGアローズ(違約発生)
 06年4月、コーワフューチャーズ(受託業務廃止)
 06年8月、山前商事(受託業務廃止)
 06年10月、コーワフューチャーズ(破産)

 取引も激減した。04年1月には全市場合計で280万枚だった取組高は、今年9月には約6割減の116万枚にまで落ち込んでおり、好転する気配はない。取引所の統廃合も始まり、横浜商品取引所は今年4月、東京穀物商品取引所に吸収された。大阪商品取引所は中部商品取引所に、福岡商品取引所は関西商品取引所に合併されることが決まっている。

 こうした状況に対し、東京工業品取引所の南學政明理事長は今年9月に「主務省は規制だけであってはならない。産業の振興を視野に入れた対応をしてもらいたい。あらゆる意味で商品先物市場が発展しなければ国益を損ずることになる」とのコメントを発表しているが、出口は一向に見えてこない。

 法改正の審議で、中川昭一経済産業大臣(当時)は次のような、画期的な答弁を行った。

* * *

 「プロレスのプロのレスラーと子供と、そして、仮にその中のプロのレスラーが、例えて言うならば、凶器を持って、昔プロレスでありました、何か栓を持ったり、ガラスの何とかを持ったりというようなプロレスがありましたけれども、そんなことになっていて、そして、レフェリーがそれに対して有効な試合運営というかジャッジメントができないということになれば、これはもう全然プロレスにならないわけであります。これは例え話としてはちょっと不謹慎だったかもしれませんけれども、日本の経済産業において大事な商品先物取引市場を健全に発展をさせていこうというこの法の趣旨という観点から、今いろいろ所管の話とかお話がありましたけれども、それ以前に、我々としても、徹底的に過去のことをチェックし、そして、何が足りなかったのか、欠けていたのかを十分検証をしなければいけない、これが当面の最大の我々に与えられた使命であろうというふうに思っております」(第159回国会・経済産業委員会・第9号より、原文ママ)

* * *

 プロレスならば、ショーだから、多少の反則も演技のうちと大目に見てもらえるかもしれない。しかし、国民の財産を奪い去る違法行為は、単なる詐欺である。消滅しても、国民の同情は得られないのだ。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは20件。

20 ラッキー 12/04 13:10
なかなか良い記事でした。
なんだか必死な人がいるようですが、記者さん頑張って下さい。

19 ご隠居さん 12/01 17:31
>コマイ話をつづけるのはつまらんし、あなたの人生もムダでしょう。まあそれが大切と言うなら、頑張ってください。

どうもありがとう。せいぜい頑張りますよ。

18 ワルキューレ 12/01 16:13
感情的な方ですね。私個人としては、貴殿にも、この業界にも、なんの感慨もない。
ただ、貴殿が占拠するのはおやめなさいといっているだけです。
ただ、この業界にいるつまらん人間たちと刺し違えて、人生無駄に過ごしていると思いませんか。
道具として、商社も海外投資家も、またこの業界の一部の人らは、こんな勧誘とか、客殺しのレベルではなく、別の領域に入っていますよ。今、商品先物業界の一部と、金融界が結びつきはじめていますしね。シンガポールで始まったGOLD・ETFの大証の導入構想とか、年金基金の動きとか。日本の年金が商品と結びついたら、面白い話になると思うんですけど。
コマイ話をつづけるのはつまらんし、あなたの人生もムダでしょう。まあそれが大切と言うなら、頑張ってください。

17 ご隠居さん 12/01 10:48
>自称経済記者さん

①『素人が九割ではありません。』
おや? 「9割」という数字残ってましたか? 編集部とも相談して、もう少し控えめな表現にしたはずだったのですが・・・チェック漏れですかね。ゴメンナサイ。
確かに今年に入ってからは、個人投資家の数が減ってますから、相対的に、当業者などの玉が増加している市場もあります。これは、改正法成立後の傾向としてですが・・・

②一昨日、新日本○○から、「再勧誘」の電話がきました。「再勧誘禁止って法律しってる?」と話したら。「あっ!よくご存知ですね。どーも、スミマセン。」だって。
同じ日に、岡○からもありました。以前より減ったかもしれませんが、「少ない」わけではない。
朝日にタイミンングよくこんな記事がでています。
http://www.asahi.com/business/topics/TKY200611280094.html

③日商協あたりの方の話は載せたいと思ってますが・・・
④ならば、「業界はいいんだ!」「グローバリーは何も悪いことはしていない」と言った『経済記者』さまの記事をお待ちしています。
⑤「主務官庁を敵視している?」どこで? もっとも、あなたは、私を「敵視」しているみたいだが・・・

『上場している先物屋さんは、こんな客殺しの営業なんてしてませんよ(笑)。』
経済記者の割には、思い込み、激しいスね。
グローバリーも上場企業でしたが。だから、潰れたのでしょうけど・・・。あの上場会社もアブナイかな・・・

朝の8時46分に、コメントご苦労さん。経済記者はイソガシイね。
『ふう!・・・』

16 ワルキューレ 12/01 08:46
「べき」論にしても仕方がないですね。別に先物屋さんたちの味方ではないですけど。特定団体幹部が、発言するのはいいけれど、コーナーを占拠するのはやめるべき。バランス感覚の問題ですよ。これはおかしいところあります?
上の記事で、突っ込みたいところも少し知った人間にはあるんです。
①今、世界的な原油・商品価格の最近高騰の中で、東京工業品取引所の建て玉構成は、素人が九割ではありません。機関投資家の割合は、関心をもたれるならHPなどでご確認ください。商社玉、海外玉がすごいですよ。彼らは大儲けでしょうね。
②今、電話勧誘をしている取引員は少ないそうです。クレームは急減していることが語られていない。
③一応、公正性を担保するなら、業界団体側のコメントぐらい載せるべき。相談窓口のあることとかね。週刊文春や新潮の記事だって、反論スペースはあります。この方、その方面の活動家みたいなんで、取材先は知ってるでしょう。そこまで市民記者に要求するのは酷ですが。
④私は被害者の方で気の毒な方と、変な人、双方にあいました。パソコンの前で、想像で「べき」論を空想するより、お金の絡む話しは、ナマナマシイもの。あのわめく「被害者」という方の顔を実際に見れば、業界悪いなんて単純な話でございません。
⑤主務官庁が敵視しているみたいな言い方をしていますが、「市場の健全な育成、だけど、業界のごく一部の悪徳業者」という論理なんです。これも書いていない。
①~⑤は、日経などに掲載されている情報です。最近の詳細は、このレベルでしか知りませんが。上場している先物屋さんは、こんな客殺しの営業なんてしてませんよ(笑)。だったら、会社がつぶれるんですから。

15 しーさー 11/30 23:57
特定の団体幹部が、メディアを通して何かを訴えるのは、社会通念上まずいという道理がわかりません。

自由民主党の代表の訴えは、毎日テレビや新聞などで報道されているではありませんか。

「真実」は一つでも、その捉え方は人それぞれです。

仮に「先物取引は大丈夫、これだけ儲かった」という記事の投稿があっても、それが記者本人や取材先の体験に基づく実話であるなら、OMNが排除するわけではないでしょう。経済記者なら、“実はチャンス”が…ということでも記事にして、対抗なされば良いだけではないですか。

そうしてメディアの「中立」は保たれるのではないですか?

逆に1ページとはいえ、日経やウォールストリートジャーナルが取り扱う意味は何なのでしょうか、と問いたいです。

まあ、団体の幹部の記事が、徒に読者の不安を煽っておいて、「自分たちのグループに与すれば救われる。ついては金くれ」的な論調であるなら、問題もあろうかと思いますけれど。

14 Tony 11/30 22:39
先物業者の電話勧誘は何回かと経験したことが、あります。本当に執拗な勧誘するので、私も切れて「そんなに儲かるなら、自分等が自分で儲けてください当方を勧誘しないで下さい」、と言ったですがなかなか電話を切ってくれそうにないので、断るのに苦労しました。

コメント記事を読むと、あたかも、取引経験や取引条件の常識など知らなくても、取引勧誘を受けて損しても、契約者の責任論で当然だから、そのような論調で世にアピ-ルすることは、ジャ-ナリズムに値しない偏った記事なのだと。だから、記者の記事は不当であるので、問題がある、とアピ-ルているようです。取引の経験不足なか、儲かると言って、利益誘導による勧誘しておいて、現実の取引で損失が出たときは、追加取引で増々事態悪化させ、あるいは取引停止を申し込んでも、不当な損切り取引の解約金を迫って、なかなか契約解消に応じない社会正義に反する悪質業者もおられるのです。そのような、社会正義に反することを問題にして、世にアピ-ルすることは、ジャ-ナリズムにおける責任があるのは当然のような気がします。社会正義に目をつぶることこそ偏った行為、と言えるのではありませんか。社会通念上、反社会的な活動するものをアピ-ルできることこそ、社会から言論・表現の自由を付託されたジャナリズムの報道の自由権であるはずです。もちろん、商法上あるいは財務省令に則した正規業者もあるのでしょう。しかし、正規業者が悪徳業者を駆逐し正規の取引になるように業界を正す責任があるのだから、それが十分に機能してない業界筋では、批判は免れないような気がします。私もOMN社の運営には疑問を持つ仕儀もあるのは、知っていますが、今回のようなOMN社のジャ-ナリズム姿勢には何が問題ある姿勢なのか、理解に苦慮致しております。

13 woge 11/30 10:45
「先物取引業界」をこんなに弁護する人がいるのに驚きます(数人か)。いや、別にいてもいいんですがね。これが「ラウド・マイノリティ」というものでしょうか。

なにか、「オーマイニュースを批判するためなら何でも、先物取引業界すら擁護する」という人がいるようで、それはそれでまったく「中立」ではありません。もちろん、完全に中立の人なんていないんですがね。

12 ワルキューレ 11/29 07:40
ふうというのが感想です。論理がかみ合っておらず、不毛な議論が続きそうです。

編集部の方に聞きます。「特定の団体幹部が、その主張を、ジャーナリズムを標榜するオーマイニュース上で展開することは認められるのですか」とうかがいたい。判断は任せます。

この記事執筆者に関する提言です。とても簡単に言います。
「貴殿は自分の主張を広げるため、社会の方の大半が必要とは思われない先物業界情報で、オーマイニュースの経済コーナーを埋めつくそうとするべきではない。自粛すべきだ。記事1本程度ならいいが」ということです。社会通念に照らして、おかしいことを言っているわけではないでしょう。

11 とのまカンタービレ 11/28 21:29
ここめで決め撃ちで先物業者の不安を煽る。
損害賠償ものですね。
OMNっていじめの温床だと思います。

10 ご隠居さん 11/28 20:55
>経済記者さん
「自らの意思の拡販のために、せっかく誕生した市民メディアを使うことをどう思っているのでしょうか。」
「意思の拡販」とは、何ですか?
自分の考えを人に広く伝えることですか?
それは、いけないことなのですか?

(もっとも、私の個人的な妄想の拡販だったら問題ですね。ですが、それを言っては、編集部を馬鹿にしてることになりますよ。編集部は、ちゃんと事実確認をしてます。数字などについても細かく資料請求してきましたから。)

あなたの言いたいことは、「もっと統制をキビシクせよ」ですか?
だったら、反対だね。

「言論に責任を持ってはいかがですか?」
もちろん、責任を持ってますよ。ですから、内容に関する、意見、批判については、可能な限りお答えします。

私、個人に対する意見であるならば、あなたは、私の住所も電話番号もご存知なんでしょう、直接、私に言いに来てください。それは、「記事にひと言」ではないのでね。
喜んで、お会いしますよ。

9 ワルキューレ 11/28 19:51
ふうというのが感想です。私のコメントを読んでいただけていないようですが。

「自らの意思の拡販のために、せっかく誕生した市民メディアを使うことをどう思っているのでしょうか。」

と私は申し上げました。この記事程度だったらいい。ですが、先物攻撃でオーマイニュースを占拠する意思が仮にあるならばやめるべきではないかと、忠告します。オープンメディアなんですから。ここは。
ネット上にある情報だから公開してもいいでしょう。貴殿はググルと、悪徳先物取引と戦う市民の会の代表という肩書きだそうです。現時点でそうなのかは確認できませんが。
 先物業界とどのような関係を持ったかは、存じ上げませんし、反社会性を持った業界であるとは思います。ですが、貴殿は特定の運動にコミットしていらっしゃる。
そうした方が書く記事は、中立性が保てるのかと言っているのです。
 また個人でどのような心情を持つのも自由です。が、それは個人の責任でやりましょう。貴殿が続けるという、もしくは編集部が採用するというならいたし方がないにしても、普通、発表させてもらう媒体を巻き込んで、政治運動するジャーナリストはいません。世の中で斉藤貴男さんぐらいです(笑)。同じになりたいのですか?。
言論に責任を持ってはいかがですか?

8 ご隠居さん 11/28 19:23
>冥王星(gaka28)さん
記事をお読みくださりありがとうございます。

『実業でガンバです。』
全く、その通りです。普通の人は、「実業」が一番です。
『ナニワの金融道』というマンガがありましたね。教頭先生が「アリ地獄物産」とかいう、先物会社に引っかかる話がありました。普通の人には、そのマンガをお勧めします。結構よくできてます。「向い玉」の話も出てきます。

もっとも、ワルキューレさんの言い分にも一理あるのですが、自由主義経済体制においては、本当は、先物市場があるほうが、健全なのかもしれません。先物市場と現物市場が相互に影響しあうことで、物価の変動が緩和されるのです。

電気に詳しい方なら、フィルターの理論を思い出してください。波をずらして重ねると、干渉して波が消えるでしょう。物価が安定するのです。しかし、日本では、現物を扱う業者さんは、あまり、先物市場を利用しないんです。

農協は米の上場に反対するのです。ここに、根深い問題があるみたいですね。

7 冥王星 11/28 19:09
なるほどね。勉強になりました。
私の所にも年に2~3回ほど、先物取引業者から電話勧誘があります。断っても、必ず年に数回くるのには困ったものです。
今月も石油投資で電話が来ました。
「向い玉」を建てるですか、なるほどね。
楽して儲けるのには罠があるのかなぁと。。実業でガンバです。

面白い記事でした。

6 ご隠居さん 11/28 19:08
『日経に、商品先物記事が1ページしかない、ウォールストリートジャーナルでさえ1ページ。経済全体で見れば一業界にすぎないものに感情移入するのは、ニュースの価値判断的に、変な感じがします。』

いやー、いいこと仰いますね。その通りなんです。マスコミ関連の人の本音が聞けて、収穫でした。

だから、新聞、雑誌、テレビでは、ほとんど、取り上げられないんです。だから、この状態が、昭和30年代から一向に変わらなかったんです。

最近こそ、相談のメールは減ってますが、事件は、毎日起きてるんですよ。(ただし、先物事件という視点なら、ライフのカテゴリーになるでしょうけどね。)

このような、イビツな市場モドキを作り出した責任の一端は、マスコミにもあると思ってます。

野口みずきが金メダルとったとか、グローバリーの社長が逮捕されたとか、そんな時だけ、「取材したいのですがー」って来るんですよ。先物は、メディアにとっては「金にならない」のですよね。

5 ご隠居さん 11/28 18:40
『また被害者取材もしましたが、自分のリスク許容度もわからずに、投資を行う人間の、金融リテラシーも問題であると思いました。』

必ず、こういった答えも返ってくるのですが、それに対する反論は、証券業界での苦情発生率、トラブル発生率と比較したら、どーなるの? ということです。

やっぱり、業界特有の体質に原因があるでしょう。リスクの高い相場に、むりやり、「金融リテラシー」のない人を引きずり込む「客殺し」体質が問題なのです。

だから、金融リテラシーというのでしたら、やはり、「不招請の勧誘」を禁止して、「私には金融リテラシーがある」と自認する人が、自発的に参加する市場とするべきでしょう。

あと、結果的に03年の数字がぬけちゃったのですが、農水省の資料では、次の通りです。
00 4414
01 6026
02 7584
03 7810
04 7368
05 4418

国センは、数字をしばしば、見直すみたいで、参照する資料ごとに、微妙に数字がかわってます。その点は、ご了承を。(恐らく、マグロの取引とか、石炭の取引なんてのが、混じってたりするのでしょう。それは、国内の商品先物取引ではないと。)

あと、下で、『日商協への苦情数は、「急増」なので、』は、間違いなので、訂正します。正しくは、「取引員が日商協に自首申告する苦情数が、急増」しました。

4 ワルキューレ 11/28 18:27
ふうっ~というのが感想です。
貴殿は商品先物業界を攻撃したがっている。私は「どうだっていいんじゃん。それよりも市場があった方がいいよ。気をつけて使えば」という感情しかありません。
ご自由にどうぞ。この是非を論議しても不毛なやり取りが待っていると思います。
一点2004ではなく、2005でした。失礼しました。

日経に、商品先物記事が1ページしかない、ウォールストリートジャーナルでさえ1ページ。経済全体で見れば一業界にすぎないものに感情移入するのは、ニュースの価値判断的に、変な感じがします。
それはそれとして、この記者さんは、自らの思想信条の拡散のためにオーマイニュースを使おうとするのでしょうか。コメント欄をみると挑発というべきですし、業界の人間を呼び込もうとしています。そして連載するとも。こんな小さな話に。
今ではグーグルを見れば、その人のネット上の発言がたいてい閲覧できます。記者さんは先物業界攻撃に、エネルギーを費やしている様子。もちろんご自由ですが、自らの意思の拡販のために、せっかく誕生した市民メディアを使うことをどう思っているのでしょうか。おかしな議論を続ける斉藤貴男氏と同じでしょう。
市民メディアという可能性に、今でも私は期待しているのですから、そうしたことは自粛もしくは、TPOをわきまえるか、自らのブログでおやりになったほうがいいと思います。

3 ご隠居さん 11/28 18:04
数字は、作為ではありません。法改正までの流れをお伝えしたつもりです。

「流れが変わった」と書いている通りです。

『国民生活センターの苦情数は2004年から急減していますので、あしからず。』
「急減」ですか? (経済記者やってるのなら、数字ぐらいもってるでしょう?)

2004年は、法改正ありましたよね。当然影響でるでしょう。
2005年は、改正法施行でしょう、急減してもらわないと困ります。

とりあえず、数字を探してきたので、公正を期すためにお伝えしておきましょう。
ちなみに、2004年3月末の苦情数ですが、7368件。 (私は、これを急減とは言いません。)
2005年、4418件。(これは、急減です。)

しかし、日商協への苦情数は、「急増」なので、これは次回のお楽しみと言うことで。

これは、農水省が出している資料にのってます。
「商品先物市場の現状  平成18年10月18日現在」
http://www.maff.go.jp/sogo_shokuryo/data/15kaigai_syouhin/sakimono_sijyo.pdf

2 ご隠居さん 11/28 17:35
えー、この記事を書きましたご隠居さんでございます。よろしくお願い申し上げます。

先物業界の関係者のかた、外務員さん、相場師のかた、反論の投稿お待ちしております。

当業者不在の、個人投資家中心の市場(しかも、そのほとんどは、素人投資家である)という点が、我が国の先物市場の特徴であると思われます。現物の裏づけがない、単なる投機中心の市場である。つまり、根本的にバブル的な性格を持った市場といえるかもしれません。

商取法改正に関わる会議録へのリンクは、次のところにまとめてありますので、興味ある方は参考にしてください。
http://www.isdnet.co.jp/~saki/shotoriho-kaisei.html

先ほど、日商協(日本商品先物取引協会)の方と、15分ほど、電話でお話させてもらったのですが、「なんとか業界を良くしよう」という意思は感じられましたね。過去においては、あまり、感じられなかったのですが、さすがに、今回ばかりは、違うと言うことです。自主規制機関には、頑張ってもらいたいと思います。

これは、この記事では、触れていないのですが、金融商品取引法においても、商品先物取引を規制対象し、「不招請の勧誘を禁止せよ」という声が上がっていたのです。

そして、衆参の付帯決議によって、「商品先物の苦情が減らなければ、次は、不招請勧誘禁止だぞ!」との言質をとられてしまいました。

「苦情を減らせ」というのが、至上命題となっている感じです。

この苦情の問題については、グローバリー事件ともからめて、次の記事で触れたいと思います。

1 ワルキューレ 11/28 17:35
恐縮ながら、見方が単純だなと思います。私は別に、この業界の関係者ではありません。本当のことをいうと私は経済記者です。いくつかの業界を見ました。確かに洗練されていないところもあるし、とんでもないやつがいますが、まともな人もいます。
あと、統計で作為的なところもあります。国民生活センターの苦情数は2004年から急減していますので、あしからず。
また被害者取材もしましたが、自分のリスク許容度もわからずに、投資を行う人間の、金融リテラシーも問題であると思いました。
ちなみに、今は、商品のことがわからなければ経済のことはわかりません。私は日銀の金融情勢月報を使うノリで、業界一調査リポートがしっかりしている、ある会社の有名アナリストのリポートを読み込んでいます。そのため、商品の積み立て(先物はこわい)と、Jロジャースの商品ファンドを買って、利益を個人的にも出しています。人のいく、裏に道あり、花の山。先物業界が変わる過程は実はチャンスなんです。


うまい話には裏がある、という所でしょうかね。経済は専門外なので書いてあることを咀嚼するので精一杯です。

先物というと西原理恵子氏の作品のどれかで「小豆が自宅に届いちゃう」という描写で大笑いした記憶があります。『まあじゃんほうろうき』だったかねぇ。よくわからないものには手を出してはいけませんし、手を出すならちゃんと勉強しましょう、という当たり前の感想でしめます。