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私たち1人ひとりと、メディアとの関わり

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000001977

『六ヶ所村ラプソディー』上映会に参加した
Y口 T夫
2006-10-05 08:07

 10月1日(日)、仙台メディアテークで『六ヶ所村ラプソディー』の上映会があった。鎌仲ひとみ監督の講演もあるとのことなので、6月の上映会に続く、「みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会」の2回目に足を運んだ。

 会場はほぼ満員。六ヶ所村核燃料再処理施設の本格稼働まであと1年とあって、関心を持つ人がさすがに増えてきたのだろう。ほとんどが老年の方か学生と思われる若い人であり、世代的には偏りはあったが。

 この日は鎌仲監督にコンタクトをとろうと目的を絞り、講演時のために質問も用意しておいた。核問題に関心を持つ来場者が多く、六ヶ所村の現状や核燃料サイクルの知識についての質問がほとんどだった。しかし私は、メディアに関連する質問をした。

 鎌仲氏がドキュメンタリー監督であることや、自主上映を実施する狙いをふまえ、これからメディア情報にどのように付き合っていったらよいかと考えたからである。会場の参加者全員が、自主上映活動や核問題に限定することなく、生活一般で接しているメディアとの関わりにおいて役立つことが聞きたかったのだ。質問内容の要約は次のとおりだ。

 「7月末にスウェーデンの原発4機が停止した。この重大な電源喪失事故を日本の大手マスコミは全く報道しなかった。これは明らかに“偏向報道”だ。情報化社会の現代では、情報を選ぶ能力であるメディアリテラシーが大切であり、市民メディア活動が重要だともいわれている。とはいえ、メディアリテラシーも市民メディアも、いまだ多くの人にとっては関心の外にある。大手メディアで働いているわけでもなく、市民メディア活動もしていないような私たちに、いったい何ができるのか」

 これに対して鎌仲監督はこう返答した。

 「『オーマイニュース』などの市民メディアに触れてみること。『人』というメディア、すなわち、私たち1人ひとりが家族や友人とやりとりを交わすことが大切だ。マイニュースは局所的だけれども、影響力は大きい。1人ひとりが核問題についてだったり、自主上映活動についてだったりを知人に知らせる。そのことが大切なのだ」

 自分の生活を振り返ってみても、確かに、家族や知り合いとのコミュニケーションで得た情報は、新聞やテレビなどと並んで、自分の考えや選択に大きな影響を与えてきた。インターネットやフリーペーパーなどのメディアを利用することも可能ではあるが、メディアを通してでも伝えたいことを、今以上に人と話をすることこそ、もっと根本的なところで大切なのだと改めて自覚した。

 残念ながら、講演会終了後の鎌仲監督単独インタビューは叶わなかったが、連絡先を教えてもらうことができた。また別の機会にぜひ話を聞きたいと挨拶した。

 私は来年から大学院でメディア論を研究し、ドキュメンタリーを扱うこともある。それを抜きにしても、ぜひ鎌仲氏とはもっと話がしてみたい。それが叶ったときはまた記事を投稿したいと思う。


※みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会:
体制にコントロールされない市民主体のメディアとしてのドキュメンタリー映画を上映しようとつくったグループ。2006年1月には旧日本軍が遺棄した化学兵器(毒ガス)や砲弾に今なお傷つく中国の人々の苦悩を描いた、海南友子監督の『にがい涙の大地から』を上映。今後も年に1~2回の上映活動を行っていく予定。

※鎌仲ひとみ:
大学卒業と同時にフリーの助監督としてドキュメンタリーの現場へ。初めての自主制作をバリ島を舞台に制作。その後カナダ国立映画製作所に文化庁の助成をうけて滞在する。カナダの作家と共同制作。ニューヨークではメディア・アクティビスト集団ペーパータイガーに参加。95年に帰国してからNHKで医療、経済、環境をテーマに番組を多数制作。98年、イラク取材をきっかけに『ヒバクシャ-世界の終わりに』を作る。現在は東京工科大学メディア学部助教授に就きながら、その後も映像作家として活動も続けている。

■関連サイト
六ヶ所村ラプソディーオフィシャルウェブサイト
スウェーデンの原発電源喪失事故(青山貞一氏のブログ)

オーマイニュース(日本版)より

この記事についたコメントは6件。

6 なっと 10/06 11:46
「ヒバクシャ」「六ヶ所村ラプソディー」と監督の映画を拝見しました。今までこういったドキュメンタリーにはなじみがなかったので、興味深く拝見しました。

確かに非核のメッセージ性の強い映画ですね。でも、その中でメディアによる情報操作が、私たちにとって、必ずしも適切な議論をするための情報を与えていないという事をこの映画から強く感じました。
「ヒバクシャ」の中にも登場したイギリスのセラフィールドの放射性核燃料再処理工場で、硝酸に溶解した高放射性核燃料が、オリンピックプールの半分もの量が漏洩するという事故が起きましたが、この映画を観た後に私が調べた限り日本でその事故の内容を報道したのは河北新聞社1社だったと記憶しています。
そもそも、そうした事故が起きた事さえ報道されていない土俵で良い悪いを話しても仕方ないと思いますし「知る事を渇望」しながら「適切なメディアリテラシー」とは何かを考えながら議論する事が大事なんだなっと感じました。

ちなみに映画は。。。。長かったですw

4 タケ坊 10/05 20:50
>>3の補足
左の18年10月5日をクリック→右の予算委員会をクリック→
森英介(自由民主党)  11時 18分  所要時間43分 をクリック

11分あたりから28分ごろまでの甘利経産相の答弁をぜひご覧になってから
記事を書いていただきたいものです。

3 タケ坊 10/05 15:36
そんなに原発に詳しいわけじゃないけど
反対派の誇張されたネガな情報にはウンザリします。

反対派は世界中で巻き起こっている資源争奪戦についてはどう思っているんでしょうか。
支那は日本の領海にまたがるガス田を略奪し、露助は完成間近のサハリン2の開発停止。
反対派は江戸時代以前に戻れとでも言いたいんでしょうか?

今日は甘利経産相の国会答弁もありましたが、核燃料サイクルが本格化すれば高レベル廃棄物の放射線が無視できるまでのレベルになるまでは反対派が喧伝してた数十万年から300年までに劇的に縮まるとおっしゃってましたよ。
他にも事業を開始し始めた頃と比べるとウランの価格が今日では7倍にもなっているが、だからこそ再処理も採算に合ってきた、
再処理によって得られるエネルギーは一回だけ燃やして捨てるのの100倍以上?って言ってましたよ。
CO2による地球温暖化にはどうやって対応するんですか?日本では省エネ技術による効率化推進はもう限界にきてますよ?

安全に留意して欲しいのは反対派と同じですが、何がなんでも反対では賛同は得られないのではないですか?

今晩にも衆議院TVに今日の国会答弁がうpされるでしょうからそれ見てから記事書いて下さい。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/index.cfm

2 鳥越し苦労 10/05 15:28
> みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会:
  体制にコントロールされない市民主体のメディア

中共にコントロールされているようだが。

1 スナギモ 10/05 13:22
記者の文章の部分じゃないけど

>旧日本軍が遺棄した化学兵器(毒ガス)や砲弾

正しくは中国が放棄させた、だな。

とりあえず「みやぎヒューマンドキュメンタリーを観る会」ってのがキチガイ団体だっていうことが判ったのは収穫。


中国でのEV販売は約300万台と好調なようですね。

車載バッテリーに使用されているレアメタルの回収や電解液に用いられている主要な有機溶媒は適切な処理をしないと環境に悪影響を与えるのですがそこらへんの対策は大丈夫なのでしょうかね。

2035年にEUでは完全にEVへと切り替わるみたいですが電力は十分に供給されるのか不安なところです。ドイツでは今年中(2022年)にすべての原子力発電所が停止しますが、不足する電力はフランスから輸入することで補う計画のようですね。ちなみにフランスでは脱二酸化炭素社会へ向けて原発の稼働を今まで以上に推進していくようです。

で、日本ですが世界的な潮流にあわせて電気自動車の普及が進んでいくとみられますが、原発稼働反対、石炭火力発電所反対、風力と太陽電池で電力をまかなえって運動の方向性で、これからの電力需要をまかなえると本気で思っているのでしょうかねw 足りない分は海底ケーブルか何かで中国から輸入でもするのでしょうか。

その中国も石炭不足(諸々の要因あり)で電力が足りていないようです。
日本の原発はダメで中国の原発はOKなんでしょうか。汚染水がダダ漏れになりそうなんですがw