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『福耳落語』三宮麻由子著

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003044

◇読者レビュー◇Sceneless(ご盲人)という言葉
太田 和彦
2006-11-27 09:12

【画像省略】
(C)NHK出版

 全盲である三宮麻由子さんが落語の世界を描いた著書『福耳落語』(日本放送出版協会、2006年7月)の中に「SCENELESS」という言葉を見つけました。今の日本語では、ハンディキャップを表すときにマイナスの言葉が使われがちなのですが、彼女は「見えないことはただ目の前に風景がないだけことだ」というニュートラルな意味をこめて使っているそうです。

 落語的な世界に小さいころから親しんでいた三宮さんは、小学校4年のときにボランティアの方が「寿限無(ジュゲム)」を点字翻訳してくれたことを契機に落語の世界に深く入っていきました。来る日も来る日も“ジュゲム、ジュゲム”とやりだしたそうです。

 同書には、目の見える人間が何気なく見ている“所作”による世界とは違う形で落語の世界を楽しんでいる様子がうかがえる、こんなくだりがあります。

 「五代目柳家小さんの『お神酒徳利』を録音で聴いていると、所作が見えないけど、食べ方の口真似をするとすぐさまお膳に盛られたそれぞれのごちそうの姿が実に細やかに浮かんでくる」

 三宮さんは、その後柳家さん喬師匠にタバコのすい方、うどんの食べ方など所作を習います。「落語は見えるものであること」を知りました。「見え人」にうかがって楽しみを増やしていただくといいと思うのでした。

 とても乾いたニュートラルな表現が見えます。ここがポイントと思いますがどんな視点から表現したらよいのか分かりません。「障害は個性だ」……そんな表現を最近は見ます。そう言われちゃうと「どうも」と感じます。「テヤンデー。ベラボーメー」。もっともっといろんなものを含んでいます。

 三宮さんは、「SCENELESS」の代わりになる、もっと素敵な大和言葉を捜しているとのことです。どんな言葉が見つかるのでしょうか。大和言葉であることが大変に重要なポイントと思います。落語の世界の住人のように生きた言葉を使えるようになると良いです。

 では、おあとがよろしいようで。

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NHK出版
定価1470円(本体1400円)
2006年7月29日発売
244ページ

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


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それぞれの人がお互いにちょっとずつ気遣いをしながら生活していければ良いのでしょうが、現実はそう甘くはないですね。特にネット上では悪意しか向けてこない人たちも多く見られますので、戦う姿勢を見せる必要はあると考えます。

日本版オーマイニュースの初代編集長・鳥越俊太郎氏は上記記事の内容について、いまだに2ちゃんねらーに対して謝罪していません(事実の摘示)

ごめんね。30年でも50年でも事実として残していくよ?w