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産まない選択

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/HotIssue.aspx?news_id=000000000837

仕事と両立できる環境が欲しい
記者名 和田秀子

 なぜ産まないのか、産めなかったのか。それぞれの女性、カップルが抱える多様な事情。都会で暮らす一人の女性に聞いた。

 × × ×

 佐川恵美さん(仮名)。結婚12年目の38歳、夫は40歳の会社員です。大手百貨店に勤務して16年目。「私がこれまで子どもを産まなかった最大の理由は、子どもを産むことで仕事上のハンデを背負いたくなかった面が強い」と打ち明ける佐川さんが語るー。

=仕事したい気持ち強く=

 私は地元の大学を卒業し、すぐに今の大手百貨店に就職。始めの数年は婦人服の販売員として商品知識や接客業などを学びました。結婚したのは入社4年目の26歳の時。1つ年上の主人は学生時代からお付き合いしていた人でした。

 お互いにまだ若かったですし、もともと私は「仕事をしたい」という気持ちが強かったので、「子どもは、もう少し落ち着いてからにしよう」ということで主人とも一致し、結婚後も迷いなく仕事を続けました。

 しかし、結婚した翌年に主人が東京へ転勤することになったのです。「単身赴任をさせないためには、私が会社を辞めるしかないかな…」とも思ったのですが、ダメもとで転勤願を出したところ聞き入れてもらい、夫婦そろって東京へ転勤することになりました。ちょうど、私が27歳の時でした。

=同期で管理職の女性は6割が未婚=

 東京に住まいを移し、親元から遠く離れてしまったことも出産を躊躇する一因ではありました。しかし、最も大きい要因は、昇進試験を受けて管理職のポストについたことと、東京に転勤してから3年目に販売職からバイヤーに転進したことで今まで以上に仕事に対するやりがいを感じていたためでした。

 世間一般にはそろそろ出産を考える年齢ではありましたが、ちょうどそのころ主人が会社を辞めて転職活動をしていたこともあり、仕事面でも経済面でも「子どもなんてまだまだ先」という状態でした。

 建前で言うのではなく、男女平等に昇進できるチャンスがある現在の会社は、女性にとっては働きがいのある職場です。ただ、私も含め同期で管理職になった女性たちは、責任のあるポストに登用されてしまったがゆえに「家庭を取るか仕事を取るか」で葛藤を抱えている人が多いのも事実です。

 実際に、同期の管理職女性は4割が既婚、6割が未婚。また、既婚者4割の中でも子どもを産んでいる人はごく少数という現実があります。もちろん、家庭に比重を置きたいため昇進試験を受けないという人もいるのです。

=利用しにくかった育児休暇や時短勤務=

 もちろん、私が勤める百貨店は育児休暇も最長6年(第3子まで)まで取ることができますし、勤務時間も5パターンの中から選ぶことができ、家庭状況に合わせて勤務することが可能です。

 でも、これらの制度を気兼ねなく利用できるようになったのは、ここ4、5年前くらいから。少子化問題がクローズアップされるようになり、社会的風潮も手伝ってようやく利用できるようになったのです。ですから、現在、20代後半から30代前半の女性は、私達の頃に比べ利用者が急増しています。

 私達が30代半ば頃までは、まだ育児休暇や時短勤務などを利用しにくい風潮がありました。販売のように女性の多い部署ならまだしも、私の配属されている部署は男性や年配社員が多かったので理解を得るのが難しく、どうしても気兼ねをしてしました。また、取引先の手前、「仕事のクオリティを落とすわけにはいかない」という気持ちもあり、物理的にも利用できない状況にありました。

 私達の世代はちょうど中途半端というか…。女性の社会進出が盛んになり、重要な仕事を任せてもらえるようにはなったけれど、まだまだ福利厚生を受けにくい時代だったといえるかもしれません。

=経済支援より保育設備の充実を=

 しかし最近では社会の風潮も変わってきましたし、私自身の仕事やプライベートに対する考え方も変わってきました。

 仕事のクオリティを追求することも大切ですが、上を目指せばキリがありません。「仕事は仕事、子育ては子育て」と、ある一時期は割り切ることも必要だと感じています。

 私も40歳になるまでには子どもを産むつもりです。出産後も仕事はできるだけ続けたいので、育児休暇や時短勤務を利用しやすい部署に移動することも検討中です。

 現在、政府や自治体、企業などではそれぞれに少子化対策を打ち出しているようですが、経済的な援助や働き方の多様化以外に、保育施設など子どもを安心して預けられる施設を充実させ、子育てと仕事をうまく両立できる環境を作ることが急務だと思います。
待機児童も多いようですし、勤務先や自宅の近くに保育所が見つからず、働きたくても働けない、という方も多いと聞いています。

 「仕事も子育てもがんばりたい」というワーキングママにとって、一日も早く働きやすい環境が整えられることを望みます。

2006-09-06 10:44

【特集】マイライフ・マイチョイス【出産・育児編】に掲載された記事です。この記事についたコメントは23件。2ちゃんねるの方から来た方のコメントで当初は荒れましたが、編集部スタッフの参戦もあり落ち着いた議論になりました。落ち着くところに落ち着いた結論になったので引用はしません。

どこかのドラクエマンガ?で書かれていましたが子育てはエクストラクエスト(だったかな?)で受注してもしなくてもいい。ただやりがいはあるよね、って話をしていました。ソロじゃ受注できないわ難易度は高いわ先の見えないレベル上げ必須だわでつらいことも多いけど、仲間と協力して達成すれば満足感は高いだろうなんてことを描かれていて変に納得しました。

マンガを描けるとこういう表現もできるんだなとうらやましく思いました。