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全財産が入った財布を落とした!

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003345

親切のバトンタッチを
H嶋 S次
2006-11-25 17:06

 今の世の中、「親切」と呼べることがどれだけあるろうか。あくどいニュースに悲しいニュース、寂しいニュースや暴力ニュース……。今の日本を象徴していると言ってもいいだろう。

 先日、私は自分の財布を落としてしまった。まさか私が財布を落とすとは。

 財布にはクレジットカードや免許証、現金4万円などが入っている。クレジットカード会社に連絡しなければ。免許証は再発行してもらえるのか。パニックになった頭で考える。どこに落としたのだろう。……落としたのではない。置き忘れたのだ。

 JRのさいたま新都心駅の公衆トイレに入って手を洗った時、ポケットからハンカチと共に財布を出した。そこに置いたままにしてしまったのだ。何とも間抜けなお話だが、時すでに遅しである。

 そのトイレから私が今いる場所までは4駅もある。おまけに2時間以上も経っている。半ば諦めた。「あるはずないだろう」とは思いつつも「万が一」のため、そのトイレまで電車を乗り継ぎ戻ってみた。

 駅に着き、トイレに直行した。むろんない。仕方ない。肩を落とす。いや、まだ駅員さんに聞いてみなければ分からない。諦めてはいるものの、「もし」を捨て去ることができない。

 「すいません、あの、財布を落としたんですが……」。こう聞いてみると、財布の届けがあるという。「先ほど清掃員の方がお届けになったのが1つありますけど……」と、私に見せてくれた。私の財布である。身分を証明して、自分のものだと確認した。中身はすべて無事だ。

 うれしかった。親切心がそこにあった。「親切がちゃんとあるんだな」と感動した。一句が口から出てきた。

 冬の朝親切心に背を押され 弥生
 
 後日あらためてその方に菓子折りなどを持ってお礼に行った。60歳前後だろうか。私の母親と同じ世代に見える。親切心を持った人の顔を見ることができて、うれしかった。

 親切を受けると、これほどうれしくなるのだ。親切のバトンタッチをしていければいいなと思った。

オーマイニュース(日本版)より

この記事についたコメントは10件。

10 T橋A哉: 12/03 01:59
先日、4年ぶりに東京に行っている間、駅前で通勤定期を拾いました。
私も若い頃、東京で電車通勤していた頃、定期を落として辛い思いをしました。
池袋前にいた、警官に届けました。
私の親切自慢をしただけのコメントでした。

さて、この記事はトップの価値が有ると思います。
「親切を呼びかける」良い記事が目立つ所に有る事に、異論を唱えるような人が存在するほど、世の中は荒廃してしまっているからです。
そういう人は自分は悪い事などした事も無いし、社会に迷惑をかけているなどとは、考えてもいないはずだ。間違いない!(古い)

9 ひらりん 11/27 19:01
6 ブーゲンビリアさん
>それにしても、この記事がトップになるほどに世の中は荒廃しているのでしょうか。

逆に考えるんだ、オーマイニュースが荒廃している可能性を……。

8 全力失笑 11/27 12:45
>全財産が入った財布を落とした!

>財布にはクレジットカードや免許証、現金4万円などが入っている。

よく読んでみたらタイトルちょっと大袈裟に書き過ぎじゃないでしょうか?
さすがに全財産ではないですよね?これ。
まぁ、ちょっとくらいの誇張は別に構わないですが。


ホントに全財産だったらゴメンナサイ。

7 冥王星 11/26 09:46
私も学生時代、旅先の仙台駅の公衆電話で財布を置き忘れ、全身が凍り付いた記憶があります。警察に連絡して、まもなく見つかりました。親切な方に拾われたのが幸いしたものと思いますが。全身から力が抜け安堵した事を思い出しました。
記者の気持ち良く判ります。

6 ブーゲンビリア 11/26 09:39
それにしても、この記事がトップになるほどに世の中は荒廃しているのでしょうか。都会の話しのように感じました。わたしから見たら、記事になることがニュースでした。

そういえば、車で1時間30分ほどのところにある画廊に、傘を忘れたことがありました。すっかり忘れていて1週間ほどして電話し、取りに行きました。すると、取りに来てくださってありがとうございますと、お礼を言われました。忘れ物を取りに来る人がいないのだそうです。確かに経済効率で考えたら、新しい傘を買った方が良かったかも知れません。

5 ヨッシー 11/26 00:31
マクドナルドのトイレにサイフ置き忘れて20分後に戻ったら金抜かれてましたが何か?

4 じぇじぇ 11/26 00:19
親切のバトンタッチ=笑顔の交換ですね。
良い記事だと思います。
大連の寒空の下、心が温かくなりました。
ありがとうございました。

>1 四季さん
>同じような体験をしましたよ、
というのを含めての感想です。

世の中捨てたもんじゃないですね。
世の暗い部分に目をつぶるのは良くないことだけれど、
暗い部分だけを見つめて世の中を嘆くばかりでもダメですね。
時にこういう、心がポカポカする記事に出会えるのは
うれしいことです。

3 Tony 11/25 23:34
最近、物忘れが酷くて、家やかばんの中を探し、パニック状態のときが、あります。また、見つかったときの安堵感があります。駅での忘れ物なら、殆ど諦めていたのでしょう。ほんとうに、Happyな気持ちでしょうね。

やはり、発見して頂いたご好意をさることながら、その年代の方ならではの、誠実な人柄ではないでしょうか。また、現代では稀有な幸運だったかもしれません。

2 全力失笑 11/25 19:49
一度道端で財布を拾って警察に持って行きましたが
中身の確認やら書類作成やらけっこうめんどうなんですよね。
財布内の全ての物をいちいち確認して記録しなければならないので。
店とかならわりと楽だったかもしれませんね。

1 四季 11/25 18:21
同じような体験をしましたよ、もう4ヶ月近くも以前のことですがホームセンターのキャリーの中に、ポーチを忘れて15キロくらい先で思い出したんです車の中何処を探しても有りません、冷や汗脂汗記者の気持ちが良く分かります、まさかとは思ったのですがホームセンターに電話しました、馴染みの店ではありましたがサービスカウンターで保管されておりました。

お客様が届けてくれたのですよって云われまして、御礼をと思ったのですが常連客でもなく、何処の何方かは分かりませんでしたが、サービスカウンターの女性の笑顔が忘れられないですね。

『親切のバトンタッチ』・・・・・必須です。


こういう記事は他人事ながら「親切な人がいてよかった」と思えます。置き引きに遭ったとか殺伐とした話は聞いていて気が滅入りますし、まだ人を信じられる記事のほうを読みたいと思います。でっち上げた記事は論外ですがw

コメント欄の『親切のバトンタッチ』は昔からある日本語だと『お互いさま』になるんかな。似たような表現、というか概念だとたぶん『Pay It Forward』かの。

陳腐な表現ですが、心が温まる映画でわたしの好きな作品です。現実はそんなに甘くはないよという気持ちを抑えつつ見るくらいでちょうどよいくらい。夢くらいは見たいものです。