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【くらしの話】釜山東亜工業高校の「果物集め」

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/LookKorea.aspx?news_id=000000002669

イ・テウク
2006-10-26 09:03

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[編集部注]
イ・テウクさんは東亜工業高等学校の数学教師です。

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果物を選り分ける生徒たち
撮影者:イ・テウク

 名節の後の「果物集め」は、私たちの学校(釜山プサンの東亜工業高等学校)の年中行事として、十余年続いてきました。

 名節に供えた果物を持ち寄り、恵まれない隣人を助ける行事です。今回も、秋夕(チュソク。旧盆。韓国では祭祀を盛大にとり行う)の後に果物を集めました。初めは「りんご集め」として始まりましたが、最近では祭祀を行わない家庭も多く、「果物集め」に名前が変わりました。

 さる13日、そうして集めた果物を丁寧に選り分ける作業がありました。生徒が持ち寄った果物はりんごが大部分でしたが、今年は梨の値段が下がったせいか、梨もたくさん集まりました。ほかに、柿やメロンもありました。なかには傷んだものもあり、これらは除きます。

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選別対象から除かれた傷んだ果物。作業後、生徒たちがきれいにむいて食べます。
撮影者:イ・テウク

 ある父兄はこの行事の意味を尊重し、果物をいくつか丁寧に包んで寄こしました。もちろん、いくら言っても‘馬耳東風’、まったく無視する生徒もいます。自発的に行うべき行事なので、行事の重要性は強調しますが、強要はしません。     

 学校は勉強だけする場所だと思う人もたくさんいます。受験に関係のないことに時間を割くといった不平も聞かれます。しかし、学校は勉強だけをする場所ではありません。共に生きて行く共同体意識を養うことは、勉強よりも大切なことです。たとえば、旅行も行き慣れた人がしょっちゅう行くものだといいます。奉仕活動も同じで、経験したことのある人がよくやるようになります。また、奉仕の精神は学生時代に身につけなければなりません。

 各クラスで集めた果物を箱におさめます。箱の数はそれほど多くはありませんが、隙間なくきっちり収めると、ひと箱にけっこうたくさんの量がおさまります。それなりに体裁を整えようと、広報用に学校の名前を貼り付けました。

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箱を車に積み込む様子
撮影者:イ・テウク

 さっそく箱をかかえ、毎年訪れる社会福祉施設に向かいます。学校のすぐ近隣にある愛育園です。園長先生の話がまた、ふるっています。

 「うちのキルトンイ(仮名)が学校で果物集めがあると言ってりんごをひとつもって行ったのが、こんなに増えてもどってきたわ!」

 愛育園だけではなく、愛児園、平和老人療養園にも果物を持って行きました。一粒の小麦が朽ちてたくさんの実を結ぶように、こんな小さな行事が社会の暗部を照らす灯火の種火になればと願うところです。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは1件。

1 スベリヒユ 11/01 20:57
マクワウリが懐かしいです。
YAMATOの国ではあまり店頭に出てないです。
ラベル貼っているところを見るとちゃんと品種があるようですにゃあ。
生徒達は終わった後の選外の果物をみんなで食べるのが楽しそうです。
ハロウィンなんかの嘘臭い行事よりなんぼか良さそうですのう。


楽しそうですね。学校に行かない選択肢も尊重されるべきなのでしょうが、学校に行かないと経験できないこともたくさんありますからね。