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市民メディアは「商売」になるのか

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003007

オーマイニュースに儲けて欲しいんです
O羽 S史
2006-11-10 09:39

 韓国のオーマイニュースのアクセスが落ち込んでいて、今年度は赤字に転落する見通しだそうだ。

 そのこと自体に別にどうということもない。一部でささやかれているブログの出現でオーマイニュースの意義がなくなったという見方も、性急過ぎる結論である。(ポータルサイトに転載されるようになったから、元記事を読む必要がなくなったという見方もあるわけであるし。)
 しかし問題は、市民メディアは政治活動としては成功であるかもしれないにしろ、ビジネスとしては決して成功ではないということである。

 いくら、テレビ等のメディアの広告の価値が近年少し減少したとはいえ、インターネットにおける広告というのはまだ定着した形態ではないと思う。

 今のマーケティングというのは、いかに訴えたい層に訴えられるかにかかっている。
 漠然と「インターネット」では、まだもう一つ、どんな層が見ているか分からないのだ。まあ、インターネットで特定のページを見ているというならば、既にある程度どのような層であるのか限られるのかもしれないが。

 知り合いのいわゆる「アルファブロガー」などと言われている人に話を聞いてみたが、実際のところその人は自身のブログでは決して儲かっていないというのが本当のところだそうだ。amazonやgoogleだけではとても儲かるようにはいかないらしい。
 もちろん、ブログと市民メディアでは形態は違う。が、どちらにしろアクセス数だけでは「商売」にはならない。

 少し脱線するが、ではどうすればブログが「商売」になるかというと、その「アルファブロガー」の知人いわく、方法の一つとして、完全にオタク向けにしてオタクが喜びそうな内容の記事を書けばいい、という。もちろん、オタク向け商品のアフィリエイト付きで。(「オタク」であるからには、ゲームでもマンガでも、なにか指向の対象が存在しなければいけないわけであるから。)それは儲かるらしい。
 他にも、書評ブログであるとか、電化製品であるとか、なにか物を買わせる指向があると、ブログでもかろうじて商売になる、ということらしい。
 いや、一番手っ取り早い方法は単純明快で成人向けだという。

 しかし、そんないかにも「ニッチな感じ」が漂う話を聞くと、ブログとかweb2.0なんて大層な話のはずだったわりにはなんだかなあ、と感じてしまうのは、ぼくだけなんだろうか。

 話を戻そう。オーマイニュースをオタク向けメディアにできるかというと、もちろん市民メディアである限りは無理である。
 まあ実際のところ、提灯記事を書け、と言われたらぼくは別にやぶさかではないが(わらい)。

 さて、マンガであるとかゲームであるとか、特定の志向性を持たないオーマイニュースははたして「商売」になりうるのか。

 セールスポイントとして考えられるpv数も、pv数を測定する会社であるalexaで単純比較する限り(もちろんその数字を全面的に信用捨てもいけないように思うが)、同じ市民メディアであるJANJANやlivedoorPJにも劣っている。
 それどころか、デイリーポータルZ以下である。デイリーポータルZなんて、主に飯の話しかしていないイメージがあったため、こんなにpv数があるのは驚きであった。

 また話が脱線するが、特筆しておくべきとがある。これらメディアの中でまともに原稿料が出るのは、オーマイニュースだけである。

 JANJANは基本的に無報酬である。

 livedoorPJはlivedoorポイントが報酬として支払われるが、livedoorポイントは換金できない。それにlivedoorPJでは記者になる前に1000円を払って研修を受けなければならない。ぼくみたいな田舎者にはちょっとつらい制度だ。
 これは完全に余談だが、どうにもぼくにはlivedoorPJのメディアとしての姿勢が好きになれない。原稿料について取材してみようと思ったのだが、編集部への連絡先がどこにあるのか分からなかった。
 これはちょっと独自のメディアとしては問題がある。自分たちのニュースで誰かの名誉が毀損されているとき、すぐ対処が出来ないであろうからだ。
 市民メディアと言うのは2ちゃんねるではない。管理など放棄すればOKというわけにはいかないのである。

 デイリーポータルZは報酬体系が明記されていなかったため、編集部に問い合わせてみたが返事が返ってきていない。

 とにかく、オーマイニュースのビジネスモデルとしての今後を考えるならば、先行きはあまり明るくないと考えるのが妥当な結論であろう。

 しかし、ぼくはオーマイニュースに愛着がある。
 オーマイニュースが創刊されたときから関わっているし、ぼくの名前で検索してもらえれば分かると思うが、基本的にぼくは細野晴臣の話ばっかりしている。こんなに細野晴臣について触れているのは、bounceかオーマイニュースか、てなものだ。
 それらの記事はぼくが以前やっていたブログよりもアクセスが少なかった。それでも原稿料は300円である。
 そんなオーマイニュースの男気には惚れ惚れするものがある。
 何とか、オーマイニュースがビジネスモデルとして成立する道はないものか。

 そこで、ぼくなりの解決策を考えてみた。
 「記事の質を上げろ」であるとか、そんな抽象的な議論よりも具体的に、である。

 せっかく、ソフトバンクがスポンサーなわけであるから、どうにかyahoo!JAPANのトップページにリンクをつけてもらうわけにはいかないんだろうか。

 ぼくが思うに、JANJANやlivedoorPJにpv数に劣るというのは、記事の質がどうこうということではなく、おそらくlivedoorのポータルサイトやgoogle newsからリンクがあると言うのが大きい。
 ニュースというのは基本的にポータルサイトから何気なく見るものになっているように思う。つまり、ニュースを見るのにわざわざニュースサイトまで行かないのだ。

 ポータルサイトとして比較するなら、livedoorとyahooではかなり後者のほうが大きい。おそらくpv数への影響は倍以上であろう。

 もちろん、ポータルサイトで娯楽からニュースまで一まとめに片付けてしまうスタイルに賛同できるか、というと賛同はできない。
 それに、ポータルサイトにコンテンツの一つとして組み込まれてしまうことで、独立性がそこなわれてしまうことへの危惧もあるだろう。

 しかし、独立性を維持するために孤立無援の姿勢を貫くという青臭いやり方ではとてもビジネスとしてやっていけないし、googleに買収されながらも独立性を貫く道を選んだyoutubeのような道もあるように思うのだ。ちょっと例えが不適切かもしれないが。

 ということでここは一つ、是非市民記者仲間の孫正義社長に検討いただきたいと思う。孫社長の一存では決められないんだろうけれども。

オーマイニュース(日本版)より

トニオくんの提案が採用されましたよ? よかったですね。