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川底から見た風景

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002690

ボランティア活動と行政
G司 K
2006-10-27 16:49

【画像省略】
引地川の長後付近で自転車を上げるボランティア
撮影者:G司K

 ボランティアで川を掃除していると、実にいろいろなものが埋もれ、引っかかり、また流れているのを見つけます。

 先日、大和市の泉の森を水源とし、藤沢市の鵠沼で相模湾に注いでいる、約21キロメートルの2級河川・引地川(ひきじかわ)の中流域、長後(ちょうご)付近で川に入りました。水温20度です。ボランティア活動が単位取得対象となっている2人の大学生と、4人のボランティアの計6人で、約4時間活動しました。

 自転車2台(1台は新しい)、缶、ペットボトル、レジ袋、衣類、傘、酸素ボンベ、シャベル、鉄の棒、ベニヤ板、食器、自動車のナンバープレート3枚などなど……約100キログラム収集しました。夏場にこの川に入ったときには、近くの学校のジャージや、鍬もありました。

 理由のいかんに拘わらず、いらなくなったモノが川に捨てられているようです。これらのゴミは大和や大庭や鵠沼などのボランティアの仲間たちや、JR東海道線の北にある除塵機が集めて県や市が処分しています。

 20年位前は石鹸水などの生活排水で泡立っていた川水も、藤沢市や上流の大和市では下水道整備によって清浄化が進んでいます。水質を計る目安の一つBOD(生物化学的酸素要求量)では、このあたりは年平均で1リットル当たり1.1ミリグラムと、環境省の水浴基準、同2.0ミリグラムをクリアしています。要するに、この都市型の川で理論的には泳げるわけです。実際、川岸には蛇が潜み、水中には鯉も泳いでいました。ここより下流になると、綾瀬市から蓼川(たてかわ)が流れ込みます。その水は下水道整備の遅れから同10.0ミリグラム程度の水質なので、長後より南の川水はおおむね5.0~6.0ミリグラムの水質となって工業用水や農業用水に適する状態です。

【画像省略】
ハグロトンボの数が増えている(引地川、長後付近)
撮影者:G司K

 日本大学の広瀬一美(ひろせひとみ)教授は言います。「目に見えるごみや生物はいいのよ、分かるから。本当に怖いのは環境ホルモンよ。目に見えないから」

 記者は川底で思いました。川の環境を守るためには個人や団体の民間ボランティアの活動も大事だが、自治体間の強い連携も必要である。広域に渉る問題は自治体間の協力なくして解決はない。

 川底でハグロトンボを見つけました。大和市や大和のボランティア団体の皆さんの継続活動のおかげで、最近、その数が増えてきたといわれています。腹部が金属緑色なので、これは雄でしょう(雌は黒色をしています)。「おい、ハグロトンボ。いつか引地川で泳げるようになったとき、また会おうな」

 (藤沢市市民記者

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは5件。

5 ツニー 10/28 06:37
たろちゃさん、おはようございます。
1.水浴基準:環境省はHPで生活環境の保全に関する環境基準を発表
       しています。これによると引地川の長後・熊野橋あたりの
       水質は十分に水浴基準をみたしています。
http://www.env.go.jp/kijun/wt2-1-1.html
2.環境ホルモン:2000年のダイオキシン事件は約7km下流の
         高名橋付近で起こりました。今年の4月に神奈川県
         農政部大気水質課にダイオキシンによる水質汚染度を
        尋ねました。それによりますと事件発生ポイント以南
        で水に入ることと魚を食することは、ことダイオキシンに
        関する限り安全でしょうとのことでした。廣瀬教授は
        一般的に農業、工業、生活などの排水に環境ホルモン
        が入っているが、それは目に見えないので無視され
        がちですが生物(人間を含む)にとってよくないので
        減らすべきでしょうとのことでした。国を含めた
        行政の責務が大きいと考えます。

3.水浴:蓼川のBODが長後の引地川との合流ポイントで10.0mg/l
なので、せっかくきれいな水が大和市から流れていますが、
     長後以南はBODが5.0-6.0mg/l位の水準で水浴の環境省基準を
     満たしていません。農業や工業用の水にしか使えません。
     自治体の連携が望まれます。

4 たろちゃ 10/28 00:12
記者氏の活動は賞賛されるべきものですね。
ボランティア活動に参加したことのない僕のような人間が評価して良いことではないと思いますが。
記事の方で少し分からないことがあります。
・引地川は水浴基準を理論的に満たしている
・目に見えるゴミは良い。本当に恐いのは環境ホルモンだ。
・いつか引地川で泳げるようになったら
という記事を読むと、見た目にはキレイだが環境ホルモンなどの影響で実際には泳げない川、というように受け取れてしまうのですが、どうなのでしょうか?

3 ツニー 10/27 22:47
この記事の筆者です。お読みいただきありがとうございます。
レナードさん、藤沢市では特別大型ごみ(食器だなやソファーなど)
はすでに有料(1000円)で大型ごみ(ワープロや石油ストーブなど)は
大型ごみの資源ごみで市が無料で回収します。来年10月から可燃ごみ(生ごみ)と不燃ごみ(ペットボトルやレジ袋など)の処理費用が有料となります。
すでに山林での不法投棄をよく見かけますので、おっしゃるように来年末には
増えるかもしれません。その場合、市や民間ボランティアが回収するのでしょう。各論の新たなる問題認識と総論での有料化やむおえないが9月議会の雰囲気でした。
牧野富太郎博士の新日本植物図鑑でみましたがご指摘のコセンダングサのように思いました。高さが1m内外とあり、アメリカセンダングサの1mを超えに
該当しないと思ったからです。花もコセンダングサのようでした。

yonemuraさん、清掃ボランティア主催者に確認しました。おっしゃるように
ナンバープレートは警察に渡したそうです。一般的なことですが、銀行カードや新品自転車なども警察に渡します。(自転車は登録番号が重要)

2 yonemura 10/27 20:22
自動車のナンバープレートは犯罪に関係しているので(盗難車のプレート)一応警察に届けたほうがいいのではないでしょうか。

1 レナード 10/27 18:27
G司さん、こんばんは。

いろいろなものが出てきますね。
粗大ゴミ回収を有料化すると、川底や山のがけ下に投棄する。それをボランティアが処理する・・・
有料化で社会的コストはどうなのでしょうね。

黄色いのはアメリカセンダングサか、コセンダングサでしょうか。


良記事です。この記者さんのように率先して環境保全活動に参加される方はまだまだ少ないと思いますが、地域で季節ごとに開催される一斉清掃や草むしりなどに参加することでポイ捨てなどへの関心が高まると思います。

食べたおにぎりの外装袋はゴミ箱へ捨てる、吸ったタバコの吸い殻は携帯灰皿に入れて持ち帰ってから捨てる。ちょっとした気遣いでずいぶんと変わることでしょう。調理に使った油はキッチンペーパーで拭き取って燃えるゴミへ出すとかするだけでも多少は下水処理場へ流れ込む排水の水質汚染度をマシにする効果はあるかな。

気持ち程度かもしれませんが、そういう気持ちは持っていたいものです。