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時鳥草(ホトトギス)

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002693

東京郊外「花散歩」
こきかほる
2006-10-27 08:37

【画像省略】
白地に紫の斑点が鳥のホトトギスの胸に似ているという。関東以西のやや湿ったところに生える多年草(切り絵も、こきかほる)

 日本中を荒れた天気にした低気圧が離れていき、澄んだ秋空になった。じっとしていられず、自宅裏の遊歩道に出た。

 沿道の植物が乱れたまま日差しを受け、前日の断続的な風雨の強さをうかがわせる。一夜明けて急に乾いたなかで、旺盛な萩の小葉小花は、ある枝はひしがれて弱り、ある枝は艶を増して咲き、バランス悪く立っている。その根元には、千切られたさまざまな葉が寄せ集めたように溜まっている。

 咲き始めた秋の花、咲き残っている夏の花の交ざり合った様子はじつに心地よい。野紺菊(ノコンギク)、芙蓉(フヨウ)、鳳仙花(ホウセンカ)、水引(ミズヒキ)、鶏頭(ケイトウ)などなど。沿道のこれらの花は、放っておいても生えてくる雑草花とは違う。近年、沿道近くに建つ家が増えていて、その若かったり、情熱があったりする人たちが雑草を掘り起こして、花を植えているのである。

 自宅から西(狭山貯水池の方向)に100メートルほど歩くと、つい最近閉鎖された生協のお店が見える。この遊歩道沿いに越してきてから、この秋でちょうど20年目に入るところだが、その間、石川島播磨重工業・田無工場内のこのお店には何やかやと足りない品を買いに走った。とくに愛着もなかったが、とても便利だった。石川島播磨・田無工場は12月に操業を停止し、昭島市と福島県相馬市の敷地に移るという。田無工場は1957年にジェットエンジンの専門工場として設立されたというから、約50年続いた操業を終えることになる。

 閉ざされた生協店舗の前を通って、別の出口から遊歩道に戻った。行きとは反対側の沿道に咲く花の群に、目立たぬように、憩うように咲く時鳥草(ホトトギス)の小花を見つけた。地味な感じが逆に目立つ風情の花である。時の流れを知って感じた切なさを受け止めてくれる優しさがあった。複雑な色の花びらは、目を近づけてよく見ると思いのほか奇抜。名の由来は花びらの斑点が時鳥の胸の模様に似ているからとか。(ユリ科)


 【編集部注】3段落目の花の名称に誤記、書き落としがあり、訂正いたしました。(2006/10/27 19:20)


 東京郊外「花散歩」1秋海棠(シュウカイドウ)

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記
この記事はフォトギャラリーに掲載されました。


この記事についたコメントは3件。

3 うしき@篠ノ井 10/27 21:10
ホトトギス 大好きな花です。日陰でもよく増える(乾燥・西日に弱い)ので、日当たりの悪い我が家にぴったりです。

2 レナード 10/27 18:02
こきかほるさん、はじめまして。矢山禎昭ともうします。
切り絵ですか。(木版画かと思いました)。力強い線は植物の生命力を引き出すのにぴったりですね。

ところで,「鳳仙花(ケイトウ)」と記載されています。
失礼ですが、ホウセンカとケイトウは別の植物ですよね?

鳳仙花はツリフネソウ科(学名:Impatiens balsamina)で、ケイトウ(鶏頭)はヒユ科(学名:Celosia cristata)・・・

花の付きかたをみるとタイワンホトトギスのようですね。

1 鳥越し苦労 10/27 11:19
ホトトギス『Tricyrtis hirta (Thunb.) Hook.』は枝咲きにならないので
切り絵の植物はタイワンホトトギス『Tricyrtis formosana Baker』だと思います。


記事中に間違いを発見して指摘するにも、このコメントでのように礼節をもって書き込めばお互いに嫌な思いをすることもなく、つつがなく修正は完了するのですよねぇ。わたしが言えた義理ではありませんが。

山歩きでは見かけたことはないと思います。植栽で育てられている方も近所では見かけないですね。関東だと人気の花なのでしょうかね。