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生活保護給付にリバースモーゲージ手法を活用

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000001272

これで社会保障は大丈夫か
記者名 菊池 浩史

社会保障関連予算の見直し・削減が進むなかで今回、厚生労働省は、持ち家に住む65歳以上の生活保護対象者を対象に、自宅を担保にして生活資金を貸し付ける制度を来年度にも導入することを検討しています。昨年、生活保護の受給世帯が100万人を突破し、国の予算ベースで2兆円を越えるなか、その圧縮に迫られています。

平成18年9月4日付日経新聞(朝刊)によると概要は次のとおりです。
新制度は「リバースモーゲージ」と呼ばれる手法を活用、借り手である高齢者が死亡した後、担保の土地・建物を売却するなどして一括返済する仕組みのため生前には返済負担がありません。

具体的には、住居用不動産の評価額の70%程度を上限に、生活保護費(6~7万円)に医療費を上乗せした額と同水準を毎月貸し付けます。金利は長期プライムレート並みに抑えます。

そもそも生活保護は、「資産、能力等すべてを活用した上でも、生活に困窮する者」が対象です。しかし、実際には扶養義務があるのに親の面倒を見ない子供が、生活保護を受けていた親の死後にその居住資産を相続するケースも少なくない実態があります。(以上、引用)

確かに生活保護制度の現状には問題点や矛盾点があり、原則論からはずれた不正受給が行われているのも事実だと思います。その意味では予算削減の視点だけではなく、公正・公平の観点からも見直しが急がれています。

但し、今回のリバースモーゲージ制度を活用した手法には、次の問題点があります。
一つは、不動産の将来の売却価格が当初貸付の際の評価額(掛け目70%)、ないしは貸付金額を下回った場合の未回収分について、誰がリスクを負担するのでしょうか。
更には、生活保護対象者が想定した余命期間よりも長生きした場合、また、途中で金利が上昇した場合などのリスクはどうするのでしょうか。これらは、リバースモーゲージ制度そのものに内在する課題であって、日本で同制度がまだまだ普及していない理由でもあります。

今後、住宅ストックの流通を活性化させるには、同制度の拡大も重要な役割を果たすことになるはずです。但し、社会保障の世界に持込むには、上述の問題点を含めて十分に議論を重ねて、本当に保護を必要とする高齢者の切捨てにつながらないようにすべきだと思います。
2006-09-13 23:06

わたしの記憶が確かならば(鉄人的導入)リバースモーゲージを用いた融資を先駆的に導入したのは東京スター銀行だったかと。映画館でのCMでも頻繁に見た覚えがあります。現在も引き続き融資は行なわれているので売上も利益も十分に出ているのでしょう。

子供も独立してあとは自分の葬式の心配だけという方には悪くない話だと思います。銀行側の背負うリスクは融資される側には基本的に関係ありませんし。(途中で契約条件が勝手に変更されると話は別ですが)