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耐震強度偽装事件に絡む「報道被害」

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/MediaCriticism.aspx?news_id=000000002169

篠塚氏を極悪人に仕立てあげたメディア
米重 克洋
2006-10-12 07:31

【画像省略】
証人喚問で証言する元一級建築士の姉歯秀次被告(2005年12月14日、ロイター)

 耐震強度偽装事件に絡み、昨年12月14日に衆議院国土交通委員会で証人喚問が行われた。この席で姉歯秀次・元一級建築士は、耐震強度偽装を行った経緯について、「木村建設の篠塚明・元東京支店長から偽装を指示された」「指示に従わなければ発注しないとの脅しを受けた」旨証言をした。

 篠塚氏は、同日の証人喚問でこうした証言を否定したが、以後テレビをはじめとする各種メディアで篠塚氏に対するバッシングが加速した。同氏は心労から30キロ近くも痩せ、家族も入院したり学校でいじめを受けるなどの被害を被ったという。

 この後、姉歯氏の「篠塚氏から偽装を指示された」旨の証言が虚偽であることがわかるが、篠塚氏はそれまでマスコミのバッシングを浴び続けた。

 テレビ朝日の番組に出演した某ジャーナリストは、篠塚氏と姉歯氏の証言の食い違いについて「2人の表情を見ればどちらが嘘をついているのか大体わかる」などと、明らかに篠塚氏の証言を虚偽とする趣旨の発言をした。また、篠塚氏が建築業法違反で逮捕された4月26日の早朝、やはりテレビ朝日の記者が散歩帰りの同氏を直撃して怒鳴り返された際「姉歯さんもそうやって脅したんですか?」と挑発的な質問を浴びせた。この映像は同局の番組で繰り返し流され、篠塚氏への社会の視線を一層厳しくさせた。

 姉歯氏の虚偽証言が明らかになる経緯を見ても、篠塚氏がマスコミから受けた以上のような批判はまさに「報道被害」と言われるべきものであるはずだが、テレビ朝日をはじめとした民放テレビ各局は遂にこの件で篠塚氏や視聴者に明確な謝罪をすることはなかった。

 木村建設の決算虚偽申告をめぐる篠塚氏自身の初公判でも、弁護側が「姉歯氏の虚偽証言によって篠塚氏が耐震偽装の首謀者のようにとらえられ、処罰ありきの観点で捜査が進められた」という趣旨の主張をしたが、やはり民放テレビ各局はこの事実を淡々と伝えるにとどまり、「報道被害」への謝罪や反省の弁を述べることはなかった。

 もちろん、一連の耐震強度偽装事件では篠塚氏も責任を問われるべき立場にあるだろう。だが、犯罪者が相手ならば何をしてもいいのか。

 この問題に関する一連のテレビ報道には、「誤報」と言っても差し支えない程度に篠塚氏を指弾し、場合によっては姉歯氏が「追いつめられたかわいそうな被害者」とさえ映るようなニュアンスが込められていたように感じる。

 今後同様の事態を防ぐためにも、今改めてこの「報道被害」問題を論じていく必要があるのではないだろうか。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは3件。

3 ロニー 10/13 18:42
米重記者の視点を強く支持します!
この国では、特定の弱者を苛めて、自分は関係ないと
いう正義面をした無責任な偽善者が多すぎます。
松本サリン事件でも同じような現象が見られました。
言うまでもなく、公平な裁判によって有罪無罪を決定
するのが法治国家のルールであり、それまでは無罪を
想定されているのです。
中世の魔女狩りでは、ひとたび疑われれば反論することは
許されませんでした。白状すれば、絞殺のうえで火刑台に
架けられるが、否認すれば生きたまま火あぶりだと理不尽な
暴力がまかり通っていたため、悪魔と交わったなどと科学的
真理に反する嘘の供述が世論を形成していったのです。
近代の法秩序は、その反省に基づいて確立されたものです。

1 二立 10/12 17:16
僕は、テレビはニュースは割と見ますが、バラエティ番組などはほとんど見ません。篠塚氏がワイドショウ等でどの程度バッシングを受けていたかよく知りません。
しかし、この事件の被害者は、あくまで偽装マンションの住民です。篠塚氏の人柄についても僕はあまりよく知りませんが、一つはっきりしているのは、この事件以前にも篠塚氏が姉歯氏に裏金を要求していることで、それを営業経費として使ったことは、氏も認めていたはずです。裏金を要求するということは、明らかな違法行為です。会社の規則にも反することだと思います。すなわち、氏は不正なことを平気で業者に要求する人です。その氏がもっと鉄筋を減らせとか、もっと経費を押さえろとか言った場合、「法の範囲で」ということで要求しているのではないと考えるのが自然です。法に反してまで減らせとは言っていないと言っても、普段から不正を要求する人の言うことだから、断りきれないという流れになるのではないでしょうか。
 テレビや新聞などで大々的に取り上げられたせいで、関係のない家族にまで迷惑がかかったとしたらお気の毒ですし、氏がその責任以上に糾弾されているのは事実だと思いますが、本当の被害者はマンションの住人で、その救済を考えることのほうが先決ではないでしょうか。

件の耐震強度偽装事件については割愛。篠塚氏は関連はするものの別件で有罪(木村建設の粉飾決算)。この件を解説したYouTubeの動画もありますので興味のある方は各自検索してください。で、

いまだに掲載を続けてる「日刊ゲンダイ」のこの記事ですが、

「日刊ゲンダイ」と「新潮社」が反社と共謀して青汁王子こと三崎優太氏から金を巻き上げようとしていたと三崎氏の主張。たぶん金額はどうでもよいでしょうし、各所に出回り始めた判決文全文を見てからですが、判決内容に不服を申し立てて控訴の可能性もあるかもしれませんね。判決文は約30ページあるそうです。(削除)だと考えれば悪くはないかな。

(削除)でおなじみの「日刊ゲンダイ」さんと呼びたくて仕方ないのをガマンしてます。対岸の火事は大きく燃え上がるほどキレイです。