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日本バスケットボール界の将来は?

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000000822

世界選手権準決勝を観戦して
記者名 K泉 J成

 埼玉で開催された「バスケットボール世界選手権」の準決勝のチケットをあえて選んで購入した。

 世界のトップ4が決勝進出をかけて真剣勝負を行う2試合を観戦できる幸せなチケットだ。「8000円で自由席は高い!」と思っていたが、終わってみると大変に安い価格設定だった。それくらい中身の濃い世界最高峰のプレーを味わうことができたからだ。

 その準決勝第2試合アメリカ×ギリシャ戦で波乱が起きた。

 NBA選手の中でも若手スターを中心としたアメリカチーム。対するギリシャはNBA選手は1人もいない。バスケファンのみならずアメリカ有利とみていたはずである。試合前のシューティングでも会場をわかすパフォーマンスを披露し、余裕さえ感じさせるNBA選手達。かたや地味で選手の名前すら知られていないギリシャチーム。

 結果は、95-101。男子バスケットにおいて絶対的な人気と実力を誇ってきたアメリカの完敗である。ヨーロッパの統一リーグである「ユーロリーグ」に所属するギリシャのレベルは信じられない速度で向上し、結果を残している(最終結果は準優勝)。

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3位決定戦でシュートを狙う米国のレブロン・ジェームズ(左)。米国はアルゼンチンを96―81で破り、前々回の1998年大会以来となる銅メダル獲得(3日、さいたまスーパーアリーナ) 【EPA=時事】

 また、本大会ではファイナルラウンドに進出した中国は、若手選手を中心にしており、2年後の北京五輪に向けた強化が着実に行われている。

 つくづく世界中のバスケット界全体のレベルアップを痛感した大会だった。

 そんな日本で開催された初めての世界選手権であり、次に開催されるのは40年後かそれ以降であるのに、日本のメディアの盛り上がらなさはいったい何なのであろうか?

 日本のバスケットボールは確かに国際的な大会において実績をほとんど残していない(本大会もグループリーグ戦敗退)。しかし、世界最高峰のプレーを目の当たりにできる機会に恵まれたのに、メディアはほとんど取り上げず、一般層への告知すら満足でなかったように感じる。

 バスケットボールが好きで、『SLAM DUNK』の「桜木花道」は知っていても、今の日本代表選手を1人も知らない人は多いのではないだろうか。そんな現状について、日本バスケットボール協会はどんな対策を打つのか? 北京に向けてどんな強化を実施するのか? プロ化についてどんなビジョンを持っているのか? 1人のバスケットボールファンとして発表を待ちたい。

2006-09-06 16:39

※引用文中【画像省略】は筆者が附記
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この記事が掲載された当時と比較すると、バスケットボールのプロ化がなされ、それぞれのチームの地元マスメディアも定期的に取材・報道がされています。選手はもちろんですが、チームを運営されている方々やそれを支えているファンのみなさんがバスケットボールを引き続き楽しめるといいですね。