見出し画像

一通の手紙

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/blog/archives/2006/06/post_8.html
投稿日時:2006年06月04日19:29

鳥越です。

昨日、私の事務所宛に一通の封書が届いていました。
差出人の名前には見覚えがありません。
誰だろうなぁ??
と封を切りました。中には3枚の便箋にびっしりときれいな文字で文章が綴られています。氏名と住所はありましたが、メールアドレスや電話番号は書いてなく、連絡するならこちらから手紙を送るしかないので、ここでは取り敢えずイニシャルで東京都練馬区のW・Hさんとだけ書いておきます。どうかご本人がお読み下さればいいんですが。
この方はオーマイニュースの編集長に私、鳥越が就任と聞き「気持ちを抑えきれずにお手紙を書かせて頂いた次第です」と書き出しておられまして、極めて真面目に私たちの試みを受け止めておられる様子です。そんな訳で私も昨日はコンサートの司会で疲れきっていたんですが、最後までキチンと読んでしまいました。
書き出しのところだけをご紹介しておきます。

「私は、神戸出身の女性です。昨年より主にウエブのフリーライターとして、お仕事をさせて頂いております。
結論から申しますと、私を是非『オーマイニュース日本版』の市民記者として使って頂けないだろうかと思っております。学生時代よりジャーナリズムというものに興味を持ち、ゼミやマスコミ関係の学校に通い、中途半端に勉強して参りました。
しかし、意思が弱かったのか勉強不足のためなのか、なかなか希望の道に進むことができず、一時はあきらめてIT関連の仕事をしておりました。
しかし、この年齢になっても“書く”ということがあきらめきれず、昨年に幸いながらツテのありましたウェブにてライターの仕事を得ることができました。(中略)念願の“書く”という仕事ができるようになり、少しでも多くに方に満足して頂けるものを提供したいと日々精進しておりますが、できれば現在のような情報系ライターではなく、取材を元に真実を伝えられるようなノンフィクションライターになりたいと思っております。(後略)」

彼女がどんな方なのか?会ったことのない私には本当のところは分かりません。ただ文面からは「オーマイニュース」で何か仕事をしたという必死な気持ちは伝わってきます。
もちろんこの方に仕事をして頂けるかどうかはスタッフとも相談し、彼らの意見も聞かなければなりません。でも、私が一つ嬉しいのは日本にもこういう熱い気持ちをお持ちの方がおられると分かったことです。
今回の「オーマイニュース」創刊について、一部どころかかなりの人々から「韓国では成功しても日本ではどうかなぁ?」という意見があるんですね。確かに韓国と日本とは文化・歴史や政治状況も違い、そう簡単ではないことは分かっているのです。でも、私の中には、日本に住む、どういう方々か分かりませんが、とにかく人々…、それを市民と大雑把に呼ばさせて頂いている訳ですが、日本の国民と言うか市民と言うか納税者というか、いずれにしろ何かのため、または誰かのために伝える仕事をしてみようという人がいると信じてそこに賭けてみよう!!この辺の感じが私が編集長を引き受ける時の正直な気持ちだったんですね。
冷笑……シニシズムからは何ものも生まれはしない。
信じて行くしかない!
ちょっと気取って言うとそんなところなんですばい。
あらま、こういうことを書くと突如筑後弁が出てきましたとねえ。
まあ、これからもこうしてW・Hさんのような方が次々に現れて「市民記者」になって頂くことを私たちは心からのぞんでいます。
正式には市民記者組織本部の田中康文さんの方から募集のお知らせが公表されると思いますが、私たちのオフィスは皆さんには常にオープンです。どういう形にしろ連絡を取って下さい!!!

3日、紀尾井ホールでのチャリティーコンサートで司会役をつとめた鳥越編集長
【画像省略】

※引用文中【画像省略】は筆者が附記
-----
市民記者として鳥越編集長と一緒に仕事をしたい、という方からの手紙の一部を紹介することで市民記者への登録を促すエントリです。これには東京都練馬区のW・Hさんからのコメントが書かれていましたので、参考として以下に引用しておきます。

鳥越編集長
お手紙書かせていただいたWHです。私の手紙をブログでご紹介いただけるなんて感激です。
以前から、ウェブライターの仕事をしながら感じていたことは、「日本において、メディアとしてのウェブの地位はまだまだ低いなぁ」ということでした。
こんなに影響力があって、誰でも参加できるメディアにも
関わらず、その手軽さゆえか、他メディアに比べると信憑性の低いものに思われてしまう…。
それが、ウェブの世界で仕事をしている私にとっては、
とても悔しかったんです。(だからと言って、何か行動に移せていたわけではないのですが…)
だから、鳥越さんが「オーマイニュース」の編集長になられたと聞いたときは、「これからのメディアを変えるキッカケになるかも!」と大変心強く、嬉しく思いました。
微力ながら、皆さんと共に「オーマイニュース」を盛り上げていければと思っております。宜しくお願い致します!

投稿者 W・H : 2006年06月05日 23:56