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【競馬】無念、ディープインパクト3着、世界制覇に3/4馬身足りず

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002041

「凱旋門賞」レース回顧
K峰 R太
2006-10-04 11:34

 日本時間10月2日午前0時35分。フランス・ロンシャン競馬場にて世界最高峰のGⅠレース「凱旋門賞」に挑んだディープインパクト(牡4・池江泰郎厩舎)は直線いったん先頭に立つものの、後続の伏兵レイルリンク(牡3・仏)、プライド(牝6・仏)にそれぞれゴール前で差され3着に終わった。

 率直な印象からいえば決して力負けではなかった。体調・馬場適応力なども問題なかったように見受けられる。少なくとも勝利圏内の実力が備わっていたことは証明されたと思う。ではディープの世界制覇を阻んだ要素とは何なのか。敗因を分析したい。


【負担重量】
 今にして思えば、筆者が投稿した直前記事の中で唯一不安を匂わせたファクターが負担重量差である。勝ったレイルリンクとの斤量差は実に3.5キログラム。2着のプライドも牝馬にしては楽ではないが58キログラムなので1.5キログラムの差がある。当初有力視されていたハリケーンランやシロッコが、ディープと同じ負担重量で見せ場なく敗退していることからも条件的にかなり厳しかったことは否めない。小柄なディープにとってはなおさらである。ここ10年の同レースの勝ち馬のうち、8頭が負担重量の軽い3歳馬という事実も見逃すことのできないデータである。3歳秋を迎えた競走馬は、ちょうど古馬と実力的に肩を並べる時期である。同レースのルールであり、陣営も承知の上での挑戦なので言い訳にしかならないが、この斤量差は少々気の毒であった。

【スタート】
 予想外といっては失礼だが、絶好のスタートを切ってしまった。大半のレースで出遅れるディープの指定席は後方。押し出される格好での先行策は想定の範囲内ではあっただろうが本望でもなかったはずだ。

【道中】
 上記の通り先行策を強いられたディープは、道中2~3番手というかつて経験のない位置取りでレースを進める。ペースは超スロー。3コーナー付近、シロッコと入れ替わる形でいつもの位置である外側へシフト。これでいつもの形になると思われた。

【直線】
 直線を向いたディープは早々と先頭に立つ。NHKの中継で岡部幸雄元騎手の「まだ、まだまだ」という発言が出た時点では既に追いはじめていた。残り500メートル弱の地点であったので、このまま押し切る期待感もあったが、ここでディープは今までにないもう1つの体験をしてしまう。後ろから来た馬に外から併せられてしまうのだ。ディープの大半のレースは後方待機から大外マクリで直線突き放すパターン。唯一敗北を喫した有馬記念でも追い込み届かずの展開。今まで異次元のレースを演じてきたディープにとって、後から来る馬を迎え撃つパターンはなく、まさに最悪な場面での初体験となってしまった。一度は差し返す根性をみせたものの、最後には力尽きてしまう結果となる。

 個人的見解であるがこの「後から来た馬に外から併せられる初体験」こそが一番の敗因であるように思える。

【ファーブル厩舎】
 今回の凱旋門賞にはフランスの名門ファーブル厩舎から3頭が出走している。有力馬であったハリケーンラン、シロッコ、そして同レースを制したレイルリンク。欧州のレースでは「ペースメーカー」と呼ばれる、有力馬の有利にレースが進むように先導する馬を出走させることが多いが、今回その起用がなかった。これはまさに末脚を武器とするディープ対策でありペースをスローにしたいという意思の表れであったように思える。

 ハリケーン、シロッコは、ディープと真っ向勝負、そしてレイルはディープ徹底マークのジョーカー的存在であったようだ。道中ピンクの帽子のレイルは常にディープを見ながらレースを進めていることがわかる。まさに陣営をあげてのディープ包囲網。我々の想像以上にディープはフランスで高い評価を受けて徹底研究されていたのだ。

 もし、ディープのペースメーカーがいたら。具体的には厩舎・馬主が同じ日本のサイレントディールあたりがペースを上げるために先導していたらと考えるとまだ対策はあったのかなと考えさせられる。


 ともあれ今回は残念な結果に終わった。しかし世界最高峰の凱旋門賞で3着という結果に「不本意」を感じること自体、日本の競馬レベルは格段の進化を遂げていると言える。

 レース直後、武豊騎手が憮然と「残念ですね」と言い残し、さらに普段は物静かな池江調教師が慣れないカメラ目線で「またこういった舞台に絶対挑戦したい」とコメントした映像を目にしたとき、「こんなもんじゃない、明日にでもリベンジさせろ」とでも言わんばかりの強い思いが伝わってきた。

 世界の壁は高かった。しかしその壁は確実に乗り越えられるという手ごたえもつかんだ。ディープの今後の予定は未定であるが、できることであれば来年また同じ舞台に立って世界一の称号を手にしてほしい。


【関連記事】
ディープインパクトを徹底検証

オーマイニュース(日本版)より

この記事についたコメントは7件。自己削除で1件削除されていますのでシステム的には6件です。

6 いちろー 10/04 21:41
競馬のことはよく分からないんですが
マイナーリーグのチームがいきなりメジャーリーグで2着を取っちゃったんだったら大健闘なのではないでしょうか

それよりも、日本の恥を世界中にさらした人たちがいたみたいですね
バブル期はフランスやイタリアのブランド店で思いっきり恥をさらしたり遺跡に落書きをしたりしていましたが・・・

ああいう連中は二度とパスポートを発行しないようにして欲しい

5 MK 10/04 20:52
>世界の壁は高かった。しかしその壁は確実に乗り越えられるという手ごたえもつかんだ。

エルコンドルパサーが2着した時から言われてますよね。で、今回あのディープでさえ勝てなかったんだからこれはもう「乗り越えられない壁」だと思います。勝つとしたらディープ級の馬が3歳時にニエユ賞をステップに挑戦したら可能性はあると思います。


>来年また同じ舞台に立って世界一の称号を手にしてほしい。

競走馬のピークは4歳秋と言われます。過去に4歳で頂点に立った馬が5歳になっても現役続行した結果、尻すぼみの成績で過去の成績に傷をつけてしまった例はたくさんあります。最近ではゼンノロブロイ、テイエムオペラオー、グラスワンダーなどなど。
私ももう一度挑戦してリベンジしてほしいとの夢はありますが、馬のためには今年で引退して種牡馬入りするのがベストだと思います。

4 山崎渉 10/04 17:40
馬の事より、民度の低さを世界に発信した日本人団体客について
論じてほしかったです。

3 ミントミント 10/04 14:53
2着のプライドに斤量で不利だったと言うのは事実誤認も甚だしい。
日本のG1なら牡牝で2キロ差でしょう?
ディープインパクトはプライドに比べて斤量に恵まれているんですよ。
つまり、ディープインパクトは6歳の峠を越えた牝馬に斤量の面で恵まれていたにもかかわらず後ろからぶち抜かれてしまったということです。
嘘は書かないように。

2 ミントミント 10/04 14:53
2着のプライドに斤量で不利だったと言うのは事実誤認も甚だしい。
日本のG1なら牡牝で2キロ差でしょう?
ディープインパクトはプライドに比べて斤量に恵まれているんですよ。
つまり、ディープインパクトは6歳の峠を越えた牝馬に斤量の面で恵まれていたにもかかわらず後ろからぶち抜かれてしまったということです。
嘘は書かないように。

1 冥王星 10/04 13:16
私もテレビで観戦しました。残念でした。


競馬をテレビで見ている人の9割は勝った負けたくらいしか気にしていないの思うので記事中に事実誤認があってもわからないでしょうね。その道で馬を追っている専門というかマニアの方がブログやら何やらでいろいろ書いていることと比較して、あ~と誤りに気づくパターンは今でも多いです。

マニア(趣味人)の知識は偏りも多いですが信じられないくらい深いところまで語っていることもままあるのでよく参考にさせてもらっています。この参考は「参考になります」の参考ではありません。