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「反逆者トルコ人」オルハン・パムク氏

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002435

ノーベル文学賞を授賞した小説家
ビシャブ・バーティ
2006-10-17 08:08

 2006年のノーベル文学賞を受賞したトルコ人作家、オルハン・パムク氏(54)は、かつてこう言ったことがある。

 「私は発言することができない人、怒りに耳を傾けてもらえない人、言論が抑圧されている人の代弁者だ」

 コロンビア大学の客員教授もパムク氏は、トルコ政府の権威主義的政策や最近の米国の外交方針に反対する場合でも、少数派の人権を擁護する場合でも、常に、単なる学問的な議論の枠を超えて、抑圧に異議を唱えてきた。

 パムク氏の著作は文明間の衝突やイスラムの世俗的ナショナリズムとの関わりを扱う。

 パムク氏は、スエーデン・アカデミーから1300万ドルの小切手を受け取ることになっているが、昨年、発言が「反トルコ的」だとして、トルコ政府から訴追された。パムク氏は、第1次世界大戦中のトルコでの何十万人ものアルメニア人の殺害と、1980年代と1990年代での何千人ものクルド人の殺害を非難していた。今年1月、起訴は取り下げられた。

 パムク氏の逆境に国際的支持が集まり、ガルシア・マルケスやノアム・チョムスキーといった著名な作家や思想家が彼を支援した。チョムスキーは「そのような異議を抑圧するのは犯罪だ」と述べた。

 パムク氏は1952年イスタンブールで生まれ、建築家になるはずであった。最初の小説『ジェブデット氏と息子たち』は1982年に出版された。トルコの中流階級の生活を描いていた。他には、『白い城』(1991年)、『黒い書』(1994年)、『私の名は紅』(2001年)、『雪』(2004年)がある。

 1992年、著名なトルコ人の映画監督による『秘密の顔』という映画の脚本を書いた。

 インドのチャンディガールにあるパンジャブ大学の英文学教授シェリー・ワリア氏は、パムク氏の人生について書いたエッセーの中で、「パムク氏は、単なる学問上の議論の枠を超え、トルコの政策に情熱と気迫で異議を唱える、異端作家だ。少数派の権利を擁護し、人々にインスピレーションを与える、ローザ・パークス、マルチン・ルーサー・キング、マハトマ・ガンディーらと対比できる。不正義は暴露されるべきだ。現状に異議を唱えるには、良識のある政治が必要だ」と書いた。

 ワリア氏は「パムク氏は、西洋と東洋との間、そして古代イスラム文化と経済的に繁栄している近代的な国家との間を結ぶかけ橋になりえる、ただ1人の欧州の作家だ」と評している。

  昨年、パムク氏はドイツ書籍業界の平和賞を受賞した。授賞式に出たパムク氏は「小説の歴史は、人間の解放の歴史だ」と述べた。彼は、ダニエル・デフォーのフライデー(訳注:『ロビン・クルーソー』の登場人物)や、セルバンテスのサンチョ・パンザ、あるいはフォークナーの小説の奴隷たちのように、小説家が社会から無視された人を認識する必要性を強調した。

 この「反逆者トルコ人」は、富める者によって周辺に押しやられ、取り残された人々を認識しただけでなく、こうした人々の代弁者になった。

オーマイニュース英語版から

オーマイニュース(日本版)より

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『ロビンソン・クルーソー漂流記』『ドン・キホーテ』(安売りの殿堂じゃない方)『あぁ無情』とか名作と言われている作品は大体小学生の頃に読みました。少年少女世界文学全集っていうのを買ってもらってずっと読んでいた記憶があります。『イワンのばか』とか『王子とこじき』だとか現在だと大問題にされかねないタイトルももちろん楽しく読みましたよ。当時はロシアとソ連は別の国のことだと思っていましたっけw

読みたい読みたいと思って結局読まなかったタイトルもずいぶんあります。光瀬龍の『夕映え作戦』とか。上記の文学全集の後ろに広告として出版物のタイトルが載っていてそのうちの一冊でした。『百億の昼と千億の夜』は読んだんですけれどねぇ。いまだに手にとれずにいます。

『パワー・アントワネット』の第2巻、細切れで読んだから感想を書きづらいんだよね。まとめた時間を確保してもう一度読み直したいと思います。