見出し画像

メタボリックシンドロームの巨大産業化

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003133

「本当は怖い」内臓脂肪という脅迫観念の植え付け
F木 O
2006-11-16 17:26

 今日もまた、かかりつけ医の診察を受けて来た。思い起こせばもう20年以上、この先生には世話になりっぱなしである。

 職場検診で脂肪肝を指摘されてかかり始め、時に不整脈、軽いうつが加わった。中性脂肪が多いため、3カ月に1度血液検査を行いながら、軽い抗うつ薬と消化促進薬、不整脈予防薬を処方してもらう。これが今も続く私の通院生活である。

 先生が大学病院を辞めて開業されたときには、羊のごとく従順に先生に付き従い、新しいクリニックへ通院している。クリニックの待合室には体組成計測器が置かれ、栄養指導士が常駐している。いかにもメタボリックシンドローム向けのクリニックといったおもむきだ。家に帰ってテレビをつければ、みのもんたの番組を始め、各局が同じような内容の健康番組を流している。

【画像省略】
(写真はイメージ)

 ここまでやられて誰も疑問に思わないのはどうしてなのだろうと思う。健康がテーマであれば抵抗がないからか。

 厚生労働省が今年5月発表した2004年度国民健康栄養調査では、40~74歳の男性の約半数、女性は5人に1人が、メタボリックシンドロームが強く疑われるか、またはその予備軍に該当すると報告されている。有病者人口は、予備軍も合わせて推計1,960万人だ。

 メタボリックシンドロームとは、要するに内臓脂肪がたまっている上に循環器系の異常があるので、動脈硬化を起こしやすくなっていますよ、ということだ。確立された病気では、まだない。

 メタボリックシンドロームが増えれば、心血管疾患による死亡可能性が高くなる、との説明は分からない訳ではない。しかし、それが証明されているわけではない。そもそもメタボリックシンドロームに対する治療が(生活習慣の改善以外に)ないし、少数派ながら、メタボリックシンドロームの存在自体に疑問符をつける医学者もいる。しかも、日本人の死因はがんが31%とダントツで、心血管疾患ではないのである。

 これは、「二酸化炭素(CO2)が地球温暖化の原因である」とは科学的に証明されていないにも関わらず、政府が「大半の科学者は可能性があると言っている」としてCO2排出制限を決めたのに似ている。養老孟司先生が「科学は多数決ではない」と言ったように、科学的証明はされていないのである。それでも京都議定書は2008年に発効することに決定し、すでに排出権取引のビジネス化が進行している。

 メタボリックシンドロームもこれと同様である。みんなが騒ぐからそれを疑おうとせず、ビジネスにしてしまおうというのはおかしな話ではないのか。医療機関、医師、製薬企業、食品企業さらには健康器具、健康ランド、テレビ番組という産官学マスコミの最強タッグで巨大なメタボリック産業が形成されようとしているのである。

 メタボリックシンドロームの産業規模は試算がないので、「LOHAS」(ロハス、健康と環境、持続可能な社会生活を心がける生活スタイルのこと)から試算してみよう。米・ナチュラルマーケット研究所の2003年の報告によると、LOHAS市場は米国だけで2,268億ドル(30兆円)。メタボリックシームとの関連を50%、日本の規模をさらに50%とすれば、日本のメタボリックシンドロームの産業規模は、大概7兆円を超えるのではないかと想像出来る。

 決して私を解放しようとしないかかりつけ医の先生は信頼し、感謝しているが、治らず通い続けさせるべくコントロールしているのではないかと思えることもある。

 真の健康維持のための医療は拒まない。しかし、健康ブームに便乗し、寄ってたかって巨大産業化されたメタボリックシンドロームには、そろそろ警鐘を発しても良い頃と考える。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは4件。

4 Ronnie 11/17 21:27
2 > 内臓脂肪の問題ですので、皮下脂肪をつまんでいるのは誤解を招く

見たところ、若い女性の写真で、metabolic syndromeとは無関係 ⇒
摂食障害で餓死している若い女性に悪影響を与える不適切画像。

3  11/17 03:09
新しい言葉に踊らされて、記者も編集部も不勉強で困ったものです。

こんなことではオーマイニュースの先行きが心配です。

2 国民記者 11/16 22:39
コメントできるのもあと半日あまりでございます。

えーと、この記事のイメージ写真ですが、メタボリックシンドロームは記事にあるように内臓脂肪の問題ですので、皮下脂肪をつまんでいるのは誤解を招くと思うのですが。これ編集部が用意したのかな。
かといって腹の出た男の写真貼られても困るな。商売に利用されてるんじゃないか、という疑問の提出であれば、ドラッグストアの店頭に並ぶ脂肪燃焼系の商品とか売り文句を撮影してきた方がいいかもしれない。

1 朝鮮者 11/16 18:11
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%82%BF%E3%83%9C%E3%83%AA%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B7%E3%83%B3%E3%83%89%E3%83%AD%E3%83%BC%E3%83%A0
この記者はメタボリックシンドロームと言わなくて高脂血症、糖尿病、高血圧や、昔のように成人病とか生活習慣病とか言えば納得するのかな?
それにこれらの状態は薬で治る物ではないよ、コントロールする物であって食事や生活習慣が重要な要素だ・・・。


医師・弁護士他、専門技能(資格)を必要とする職種で優先されるのは、求められているサービスをきちんと提供できているかどうかです。この記者さんが通っておられる医院では、記者さんと相談しながら記者さんの身体の健康管理をきっちりされておられるように見えます。良いお医者さんだと思いますよ。一病息災とも言いますしだましだまし付き合っていくことも必要なことかと。

日々の食事だけで必須栄養素を必要量きっちり摂取する生活をおくっている人がどのくらいいるのかは知りませんが、たぶん事実上無理でしょう。だったら普通に食事を取って足りない分を栄養補助食品(サプリメント等)で補填するのは理にかなった方法です。ちょっとくらい栄養が足りなくても問題ないだろうと考えるならそれらのサプリメントを購入・使用しなければ良いだけですしね。

もちろん自分の健康に関心をもつかどうかも、本人の自由です。