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公務員を上手に働かせるのが国民の仕事

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003214

法律は「働かない理由」にも、「働かざるを得ない理由」にもなる
K野 Y一
2006-11-28 08:03

【画像省略】
(写真はイメージ)
撮影者:OhmyNews

 法律や条例を利用して、いかに自分が働かなくてすむかを考えている――。そう思わざるを得ない公務員に、以前出会ったことがある。

 数年前、記者の住む市は「一層の飛躍を期す」ための取り組みの1つとして、“市歌”を制定すると発表、「歌詞と曲」「曲のみ」「歌詞のみ」の3種類で公募を開始した。「曲のみ」「歌詞のみ」の応募は、あらかじめ市が選んだ歌詞、曲につけるものとされていた。

 結局、グランプリを含む入選作品は翌年に決まったのだが、私はこの公募で「歌詞のみ」の部門の課題曲になっていた曲が気に入った。そこで入選作品が決定した後、「自分のホームページなどでその曲を使いたい」と市の担当部署に出向いた。

 そのときの対応が信じられないものだった。

 事情を説明し、作品を使いたいと申し出た私に、担当者は「著作権が作者にあり、作者に問い合わせないといけないが、作者の個人情報は教えることはできない」とごもっともな回答をした。そこで私が「では、あなた(担当者)が取り次いで作者に伝えてほしい」と頼むと、「(あなたのような)問い合わせが多くなると対応できなくなるのでやっていない」と切り出したのだ。その後も、プライバシーなどに関する法律をいろいろあげて、素っ気なく断られてしまった。

 私は後日、作者宛てのはがきを書いてもう一度、市の担当者に会った。

 「このはがきにあなた(担当者)が作者の住所と名前を書いて出していただけませんか。これでプライバシーの問題はないでしょ」と私が告げると、担当者は「(こんなはがきを送ると)作者が迷惑するので、できません」。はがきには、私が作者の作品が気に入っていること、ぜひ使わせてほしいこと、ダメなら返答は不要と書いているだけで、作者が迷惑するような内容はどこにもない。そもそも、封筒に入れて送らないといけない便箋ではなく、はがきに書いたのは、担当者が内容を確認できるようにするためだった。

 担当者は私を厄介者と決め付けていたのだ。私は嫌気がさしてその場を去った。そして市の担当者に電子メールを送った。「著作権は作者にあるのに作者に無断で市の担当者が勝手に判断し、作品の使用をできなくしているのは著作権侵害になるのではないでしょうか?」

 結果、担当者はすぐに作者に連絡し、後日、作者から返答があり、作品の使用を快く了解していただいた。

 法律や条例などは、公務員が「働かない理由」にすることもできれば、「働かざるを得ない理由」にすることもできる。この場合、個人情報やプライバシーを彼らは働かない理由にあげた。それに対し、著作権で問いただすと、それが働かざるを得ない理由になった。

 公務員は国民をお客さんと勘違いし、国民も公務員を態度のデカイ店員と勘違いしているところがある。そうではなく、国民は税金を払って公務員を雇っている経営者である。経営者である私たちは、あらゆる手段を駆使して従業員を働かせる義務がある。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは20件。

20 わだっち 12/01 20:05
自分自身のホームページで使用するための私的なものであり、公共性が乏しいですよ。
憲法にも書かれているように、公務員というのは全体の奉仕者であって一部の奉仕者じゃないんですよ。

課題曲そのものにも公共性はあるでしょうが、作者への連絡を要求するのは公共性からは逸脱しています。

市の担当部署への問い合わせそのものはいいんですけどね。それを拒否した職員を批判するのは違うと思いますよ。

18 高橋篤哉: 11/30 20:16
一部の出来の悪い人を見つけてそのグループ全体を攻撃するという構図はなんとかならないものか。
教師も公務員も頑張っている人はちゃんと存在します。
寧ろ、まともな人のほうが多いと思います。
駄目な人だけが、きちんと排除されないシステムに問題は有るでしょう。
なんか、どっかのニュースサイトと同じですね。

公務員を目の仇にして、賃金や労働条件を下げて、得するのは誰なのか考えた事は有りますか?
それを考えたら、弱いもの同志が足を引っ張り合うなんて下らない事と思うでしょう。

相手は人です。
確かに粗の見える、腹の立つ公務員や教師も見かけますが、趣味のサークルとかで、相手の職業を知らずに面識が有ったりしたらどうなのでしょう。
こうは、ならなかったと思います。
それで、サービスや対応の差別をされる事も問題ですが、殺気を消して接する、相手を理解しようとするという姿勢も大切かと感じました。
と、言う私も実生活では、駄目めな、公務員や教師の方にはかなり厳しい対応をしてしまう方です。
逆に、しっかりした理念を持って仕事をされている方には、多少の不手際なんて屁とも思わないくらい我慢できます。

17 しーさー 11/29 12:42
>Tony(fuyukastony)さん

そうでしょうか? 記者さんの依頼は、ごくごく個人的な嗜好に基づいて、「気に入ったから」個人的に利用したい、ということですよね。

そのようなものにまで、情報公開法の法理を振りかざして、行政の責務とするのはどうか、と思います。それを是とするのなら「市のポスターのモデルにファンレターを送りたい。個人情報の保護は理解してるので、あて先を担当者で書いて送ってくれ」なんていうものも、対応せねばならなくなります。

市の担当者の言うとおり、「じゃあオレも」という方が増えたら、それこそ「やってられない」でしょう。自治体は、こんな“権利”にまで、いちいち付き合わなければならないのでしょうか?

記者さんが市に相談したのは当然です。他に術がないのですから。そして担当者の対応も記者さんにとっては不愉快だったのでしょう。そこまでは理解できなくもありません。

しかし作曲者の連絡先を、記者さん個人が取得する事は、「市民が共有して利益のある情報の取得」ではないのは明らかで、その公開は責務などではありません。

責務でないのに、担当者が行ってくれたのは、強制か厚意のどちらかによるものです。

強制したのでなければ、その厚意に対し、謝辞を述べるべきではないか、と思うのです。

16 ストリーム 11/29 10:29
記事のタイトルと結論によりたかざわ(rayline)様のようなコメントも書かれる。同意する部分あり。Tony(fuyukastony)様のコメントも論理的。ただし対象が役所でなかったらという視点も有りかなと思う。
自分としては、タイトルが例えば『公務員を働かせる大人の知恵』で結論もそのようなものであれば一番納得かな。(サブタイトルはOKです)
そういう意味でMint(Mint)様の説はそうなのかもと思ってしまいますね。コメント付ける人が沢山いて補完してくれる状況であればその限りではありませんが(笑)。

15 Tony 11/29 07:41
>13 たかざわ さんへ

とは、言え、この記事では記者さんが、職員は対応を渋っていたことは如実に著されています。また、はがきまで書いて、対応を迫っても、なかなか職員は本当の問題解決に当たって納得しておりません。記者さんの粘り腰でやっとこさ職員が重い腰を上げて、解決したのです。これでは、当事者としては、感謝するにたる対応をしたのか、甚だ疑問です。

なお、記者さんはお相手に連絡とるには、市役所の対応以外に連絡方法がないのですから、その情報源に尋ねるのは当然です。秘匿すべき情報源だとしても、お相手に関し何も対応しないで、お帰り下さいでは、真の問題解決ではない、と思います。もちろん、個人情報を簡単に開示できないことは当然ですが、それなら職員の方で対応して頂くことは已む得ぬことなのです。
情報ソ-スに対する取り扱いが間違っている、と言わざる得ません。
職員が秘匿すべき情報を持っているから、と言っても、情報を独占すべきでないのです。それが、情報公開法の法理なのです。だから、個人情報など情報公開できない部分をきちんと整理して、公開するのが役所の責務なのです。
この場合、記者さんは、はがきに書き、個人情報の取得を本人自身が制限して相手に伝えようとしているにも関わらず、職員の動きが鈍っていたのですから、この場合に関して、職員は非を認めるべきではありませんか。

14 まさと 11/29 05:03
おもしろいですね。担当窓口などが明確でなければ、それに近いであろうところに尋ねるしかないですから、正当方。その際にどういう対応がなされるかということは注意したいところ。

13 しーさー 11/29 01:48
~ごめんなさい。夜遅いものですから、頭が回らなくて、何度も書き直しです。~
********

 これは別に公務員に限った話ではないでしょう。

 たとえば、耐震偽装問題など、「法を最低ラインでもクリアしてれば良い」から、クリアできるように偽装したり、「法があるから最低限の性能を確保」しなきゃならなかったりするわけです。

>>そのときの対応が信じられないものだった。

“信じられない”記者さんの感覚が信じられません。
 
 もし私の会社に「おたくのCMソングが気に入ったから、歌手とコンタクトを」なんて方が突然やって来たら、私は相手にしません。それは私の職務ではないですし、紹介には責任が伴いますから。良く知っている人で、信頼のおける人なら「厚意」で対応するかも知れませんが。

 市の担当者にしても、公報に「作曲者との連絡窓口」として紹介されているならともかく、「著作権の取次ぎ」は職務ではないはずです。断るのは当然の対応です。

 そもそも厚意に属すべき事柄を強要されるのは、誰であっても迷惑に感じるでしょう。それに腹を立てるのは「逆ギレ」といいます。担当者はむしろ、良く対応なさったのではと思います。

 記者さんは「職務を遂行させた」と胸を張っていらっしゃいますが、それこそ横暴であって、厚意を強要したにすぎません。“経営者”を自任なさるなら、それこそパワハラみたいなものです。

 こうして公衆の面前で、「役人仕事だ」などとあげつらうより、最終的に果実を得たのですから、丁寧にお礼を言って感謝するのが大人の態度だと思いますが…。

12 Tony 11/29 01:37
>11 reou さんへ

確かに、そうあるべき、と思えますが、現実は官尊民卑の鼻持ちならならい方が議員であったり、行政官だったり、現実いるので、困るのです。
だから、目黒区議員のような、とんでもない輩もでるような気がするのです。
納税者が行政機関の出資者なのです。企業なら、株主なのかもしれません。
株主の目を盗んで、したい放題では、経営は立ち行かぬことは必定でしょう。
職務でも、きちんと納税者に説明できる職務ができなければ、問題があるでしょう。

11 れおう 11/29 00:51
 確かに公務員は私達の税金でおまんま食べているかもしれませんが、俺のほうがお前等より偉いんだみたいな考え方ってあまりよろしくないと思います。
 公務員に限らずお店の人にでかい態度で接してる人を見て思うのですが、なんだか「お客様は神様です」をはき違えてる人多いですよね。同じ人間なのに。。。あ、記事とずれてるかな。

6 編集部・朴(てつ) 11/28 15:41
これは面白い記事ですね。実名とかどんな市役所か出しちゃってもいいんじゃないですか。

5 Tony 11/28 15:14
教師をすべてを一方的に思想家にするのは、腑抜けた顔しているひとでは、難はある面はあります。しかし、お役人は自分で職務に責任を取ってがんばっているとは、思えません。だから、法律の書いていることで、役人に都合のよいことを、取り出して、仕事したり、しなかったりする人物が多い、と思えます。

民営化に取組んでいるはずの郵政公社にしても、いまだに役人根性が抜け切れていません。当地の郵便局に民営化の動きに合わせて、無集配化郵便局に移管することなので、当地の郵便局は利用者にとって、どのようにしてサ-ビスの低下のない運営するのか郵便局の窓口の担当者に尋ねました。すると、窓口担当者は来年4月には具体化すべき移管事業のサ-ビス対応について、現場職場では知らないので答えられない。また、現場が具体案を出して、意見具申して組織として動く移管作業することもない。あくまでも、上部組織の指示命令だけ現場は動くので、その指示命令以外での現場責任はないという、利用者に対する業務フロントである窓口業務らしからぬ現場職員の答弁でした。
ほとほと、役人根性丸出しの職員ではないか言いつつ、民間企業の業務姿勢ではあり得ぬことだ、と呆れ果てました。上が上なら下は下の業務姿勢では、郵便局も潰れることなるのでは、思う次第です。

3 mori夫 11/28 12:26
(つづき)

こんな態度でも役所はつぶれないし、公務員は失業しない。民間のように「改善」や「合理化」をして、税金をもっともっと有効に活用しようという意識がまるで感じられない。民間に発注する金額を下げようとはするが、自分たちの数を減らそうとか、5人でやっている仕事を2人でやろうとか、そういうことは絶対に絶対に、しない。

こんなことだから、「税金ドロボー」と呼ばれても仕方ないのだ。でも役人に自己改革を期待するのは無理。だから、どうしても官営でなければならないもの以外は、すべて民営化するのが正しいのだ。

私は中高といった公立学校も民営化したらいいと思う。教師の多くは、現実離れしたサヨク的国家批判をするばかりで、いじめや教室の無法化に、真剣に取り組んでいるとは、とても思えないから。校長や教職員が、教育現場の当事者意識を持っているとは、まったく思えないから。

学校で子供が死んだら、学校や校長を訴えることができるのだろうか? 責任はどこ? 教育委員会? 地方行政? 文部省? わからん。つまり、無責任の体系なのでは?

校長や教員が、責任の第一当事者であるべきなのに、そういう組織体制や法体系になっているのだろうか? なっていないのではないか? どこの校長も腑抜けのような顔をしている。責任者の顔をしていない。企業(大小を問わず)の社長のほうが、よほど責任感を持つ人間の顔をしている。

2 mori夫 11/28 12:24
関連して思ったことを、書かせてください。

たまに行く飲み屋で、ある二人連れがさかんに公務員の悪口を言っていました。「税金で食っている怠け者たち」みたいな。そしたら、たまたまそばに居た客が、「俺は公務員だけど、俺たちだって税金を払っている」とくってかかり、喧嘩になりそうになりました。

会社員の私としちゃ、そんなふうに開き直られても困ると思った。私企業で働く者は、上から下まで皆必死です。商品やサービスに不良があったら、信用は吹き飛ぶし、クレームをほったらかしにしたりしたら、会社はつぶれてしまう。

公務員にはそういう緊張感が無いんですよね。一生懸命働いても、そうでなくても、一種の「独占企業」みたいなものだから、客が離反しない。離反できない。我々は、不便でも無愛想でも、役所に行って頼むしかない。

私も市役所の区画整理課に行って、腹わたが煮えくり返るくらい、嫌な思いをしています。移転しなければならない住民の立場に、まるで立とうとしない。説明責任を、ほとんどまったく果たさない。個々の住民のプライバシーだとか、なんだかんだ理由をつけて、「それはできない」の一点張り。全住民が署名して説明会開催を要望したら、「一回だけですからね。こんなことは普通しないんですよ」としぶしぶ開いてくれたのでした。(あー、腹たつ。)

(つづく)

1 Tony 11/28 11:48
その通りです。税金など優遇税率の適用や補助金の申請などを職員に窓口で問い合わせするとき、何回か問い合わせ内容の説明を渋るときがありましたが、そういうとき、私はどのように適用できるか知らないから尋ねているいますが、説明できないなら、法律・法令・条令などでその説明を制限するどのような条項があるのかも、尋ねます。また、私は貴所の納税者であることも伝えます。そうすると、職員は已む無く説明をし始める経験がよくありました。


読んでいてモヤッとする記事ですが、記者さんは正当な方法で曲の使用許可を作曲者に求めているので問題はないと思います。わたしがこの市の担当者であっても「面倒な人が来た」と思うでしょうがw

ただ業務外(作曲者への取次)のことを1人に対して行なうと、後に続く人にも「前の人にはやってくれたのに」となるので、この市の担当者の方もよい顔はしなかったのでしょう。自分だけは特別は公共サービスとは相反するものです。記者さんもその点は思慮が足りなかったと思います。