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ドイツ国防軍:死者を冒涜

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000002909

アフガニスタンの独兵たちの衝撃的な写真
ミルジャ・マレツキー
2006-11-10 11:37

 先月末、幅広い読者を持つドイツのタブロイド紙『ビルト』が、ドイツ軍の兵隊が、アフガニスタンで遺体とともにポーズをとっている写真を掲載した。むきだしの生殖器を骸骨で隠した写真もあった。

 兵士たちが骸骨を使って模擬死刑を執行している様子や、骨を組み合わせながら自分たちの所属部隊の名前を表した写真も後に明るみに出た。

 写真が与えた衝撃は非常に大きく、世界中のドイツ大使館が治安を厳しくせざるを得ず、ドイツ国内では軍隊の役割に関する新たな議論が始まった。

 独の新聞数紙によると、ドイツのメルケル首相さえも写真は不快で我慢がならない、と表明した。

【画像省略】
会見するフランツ・ヨゼフ・ユング独国防相(2006年10月27日撮影、ロイター)

 10月27日、フランツ・ヨゼフ・ユング独国防相は、写真に写っていた兵士たちの中で身元が判明した2人を停職処分とした。

 「独兵によるこのような行為が許されないことは明らかで、間違いない。私たちが兵士を教育し、訓練する時の価値観や態度とこうした行動は対照的だ。写真は不快感を引き起こし、完全に理解の範ちゅうを超えている」

 ロイター通信の報道によると、11月1日、さらに4人の兵士が停職処分となり、これで調査の対象となっている人物は23人となった。

 写真に映っていた遺体はアフガニスタンの首都カブールに近い埋葬所から出たものだった。

 アフガニスタンを訪れたレポーターたちは、イスラム教原理主義勢力タリバンの兵士の遺体が砂漠の中にどんな風に捨てられているかを報道してきた。遺体にはほとんど砂はかけられていなかった。200から300の遺体があらゆるところに置かれていたという。こうした状態を目にして、ドイツ軍兵士たちは死者の安寧を非常に軽く扱ったのかもしれない。

【画像省略】
アフガニスタンのドイツ軍(写真はイメージ、ロイター)

 今回の写真は、デンマークの預言者ムハンマドの風刺画、ローマ法王のイスラム教に関するスピーチ、独ベルリン・オペラに関する論争を思い起こさせるような醜聞となったが、さらに、ドイツ軍の役割に関しても疑問を抱かせることになった。第2次世界大戦以降、ドイツ軍は軍隊というよりも、人権擁護を援助する団体として見られていたのだが。

オーマイニュース英語版から〔11月1日掲載〕)

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは6件。自己削除されたのでシステム上は5件です。

5 まさしくんはい! 11/12 11:52
事件の内容は批判・処罰されて当然の内容なんですが私は記者のこっちの物言いが嫌いですね。

>第2次世界大戦以降、ドイツ軍は軍隊というよりも、人権擁護を援助する団体として見られていたのだが。

英語版をチェックすると記者はどうもドイツ人みたいですが、この発言は典型的なドイツ人の歴史観が反映されてると思いますね。要は第二次大戦の責任を全てナチスに押し付け自分達は反省し生まれ変わったんだ、という意識が背景にありますよね。

自衛隊もそうですが軍隊は所詮軍隊であり、いざ戦争になれば相手と戦う為の組織でしかありません(勿論戦争抑止としての存在意義や災害時の助けになるという意義は当然ありますが)。記者がドイツ軍は軍隊ではなく人権擁護組織だと言ってるのは過去の責任をナチスに押し付け現実逃避した見方がこういう発言をしてる気がしますね。

4 ひゅーべりおん 11/12 04:06
まだ私が学部生だった頃。
大学の図書館にベトナム戦争の時の写真集がおいてありました。
かなり大きい判だったので他の書籍とは違う棚に収められていて、それが私の目に留まったんです。
で、開いてみたら・・・・・・・「さっきまで人間だったもの」の写真がいっぱい収まっていた、と。
中には「それ」を得意げに掲げているアメリカ兵の写真もありました。
・・・その日のご飯がおいしく感じられなかったことは今でも覚えています。

その一方で・・・。
「傭兵の誇り」という本が小学館から出ています。著者は自身傭兵をやっていた高部正樹さん。
この中に、「敵兵の頭蓋骨を射的の的にして賭けをする」エピソードが出てきます(賞品はビール、だったかな)。
その様子がものすごく楽しそうなんですね。
この本には、他にも兵士がどんな食事をしているのか(猫はおいしくないがカレー粉があれば何とかなる)とか、面白い話がいっぱい載っていたりして、なんとなく戦場には戦場の、非日常なりの生活だったり倫理だったり憂さ晴らしの方法だったりの、「有様」があるんだなぁというのがわかる本です。

で、この記事なんですが、「日常の論理」で「非日常の有様」を判断せざるを得ない今の状況を伝えている記事、ということは言えるでしょうね。
今の状況が良いのか、それとも悪いのか、そのあたりは別にしても。

3 Dark-Knight 11/11 06:54
何時敵が来るか、殺されるかどうか分からない場での行動を、自分は安全な場所でぬくぬくして非難するのも卑怯だと思うけど。

また、その写真を公開することで、イスラム教徒の怒りを掻き立てて、自爆テロを誘い、それに対する取締りで更に多くの人が死ぬ、という悪循環に陥ることを考えていないなら、この記者はただの大馬鹿だし、それに気がついてやったなら最悪のテロ賛同者だと言いたい。

加えて言うなら、なぜマスコミは“政府”の軍を非難してテロを非難しないのだ?
自分がテロの目標になることを恐れているなら、言論の自由を語る資格は無いし、テロに乗じて体制批判をしているだけなら、文字通りのテロ賛同者だ。

2 ヨッシー 11/10 19:55
子供に銃を突き付けた奴もいたらしいよ。

1 ニーノ 11/10 16:16
もちろん死者を冒涜する事はよくない。処罰されてもしかたがない。きっと軍規違反に違いない。

だが、戦場で明日は死ぬかも知れぬ状態でこのような写真を撮る行為の罪を問う一方、持ち帰った写真を公にする事が必要なのだろうか。なんのために公開したのか。

私ならば、死者への冒涜を増幅するようで、通報はしても公開はしないと思う。
ジャーナリストには成れないって事か。


タリバンの兵士が善行に励んでいたんですかね? つか、タリバンって自軍の兵士の遺体の回収もしないんだね。