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広まる「高性能」防犯住宅

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002659

「自分の身は自分で守る」意識が定着
菊池 浩史
2006-11-02 16:39

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(写真はイメージ、ロイター)

 高い防犯性能を売りにする住宅の広告を見る機会が増えてきました。見通しが悪い場所への防犯カメラ設置、半透明のフェンスや薄暗い場所の照度改善、2重ロック、さらには警備会社によるIT防犯システムなど、日に日に技術革新が進んでいます。

 さらに最近は、住宅だけではなく住宅「街」を丸ごと警備するシステムまで登場しました。日本経済新聞10月17日付朝刊には、警備大手企業が街単位で防犯に取り組む「タウンセキュリティー」についての記事が掲載されています。

 記事には、積水ハウスが東京都内で販売中の新規住宅地の例が紹介されていました。そこでは、全35戸を取り巻く4カ所の敷地入り口に門扉を設置し、居住者はICカードをかざして敷地に入るとのことです。自宅玄関は指紋認証で解錠するそうで、街全体を一つのマンションとみなすアイデアです。

 こうした高い防犯能を持つ住宅が増えている背景には、犯罪の多発・手口の巧妙化に伴って「自分の身は自分で守る」という意識が市民の間で高まっていることがあると思います。侵入犯や窃盗犯と鉢合わせする懸念は他人事ではなく、防犯の必要性が理解され始めているのではないでしょうか。

 民間だけでなく、行政も取り組みを始めています。国土交通省は今年4月、住宅性能表示の評価項目に新たに「防犯」の項目を加えました。ドア、サッシ、雨戸、鍵、シャッターといった開口部について、一定の防犯性能を持つ部品を表示対象としたのです。

 地方では、大阪府防犯協会連合会の「防犯モデルマンション登録制度」という取り組みがあります。(1)外部から建物に侵入しにくい構造(2)共用部分の見通しを確保した構造(3)エレベーター内に防犯カメラ、非常通報装置などの防犯設備(4)駐車場等の明るさの確保など盗難防止設備(5)ピッキング困難な錠と補助錠の設置――の5つの評価基準に基づき、約70のチェック項目をクリアした物件を登録するものです。2001年の開始から今年6月までの登録数は296件にのぼりました。

 同会では、やはり犯罪防止に配慮した駐車場を「大阪府防犯モデル駐車場」として登録しています。このように、官民が協力して、一人ひとりの防犯意識を高めていく意向が見えてきます。

 ただ、こうしたハード面の取り組みはもちろん必要ですが、防犯対策のキーワードは「時間・光・音・目」です。なかでも「目」の効果が重要とされています。つまり、最後は人の目。ひいては地域コミュニティの目があって、はじめて必要十分な防犯対策が成されると言えます。侵入を企てている人間は、近所の人から声をかけられることを極端に嫌うと言われています。地域ぐるみの防犯意識向上や防犯活動が、大きな効果を発揮するはずです。

 ハード、ソフトともに防犯性能が高い住宅は、住宅の資産価値にも影響を与えることが予想されます。これまではインテリア(内部)に住宅購入の予算を割く傾向が強かったようですが、住宅の塀や門扉などのエクステリア(外回り)や防犯設備により目が向くよう変わってくるのではないでしょうか。

 住宅の本来の機能は「命や財産を外敵から守るべきもの」であるはずです。住宅の資産価値を判断する際も、住宅に取り入れられた防犯機能や性能がどう活かされるのか、という視点が重要です。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


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セコムの標識がついている家も珍しくなくなりました。