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ベールの戦争:オランダ政府がブルカ着用の禁止を提言

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003274

大臣は顔を覆うような衣服は治安上の脅威になると主張
アミン・ジョージ・フォージ
2006-11-24 07:55

 11月17日、オランダの中道右派政権が、もし22日の選挙で再選された場合、学校、裁判所、公共交通機関の場や路上などで、イスラム教徒の女性が着用する、体全体をすっぽりと覆う衣服ブルカや、その他の顔面を覆う衣服の着用を禁止する法律を制定する、と発表した。

 リタ・フェルドンク移民問題担当大臣は、「公的秩序、治安、市民の保護といった観点から、ブルカを含め、顔を覆うような衣服を公共の場で身に着けることを政府は好ましくないと思っている」と述べた。

 大臣は、ベール着用は女性の抑圧につながり、「人は互いを識別できるべきであると思うし、社会への融合という意味からは、互いに意思疎通できるべきと考える」、と述べた。

 今回の方針は、来る選挙で得票を増やすための計算された動きだ、と現政権の批判者たちは非難した。オランダの伝統である宗教や人種に対する寛容精神にそむくと懸念を表明する声もあがった。グリーン党の国会議員ナイマ・アゾウ氏は、「オランダには、複数の異なる文化や宗教に対する寛容の伝統がある。禁止法案はこれに真っ向から対立する」と述べた。

 オランダのイスラム教徒たちは政府の発言の動機を疑問視している。オランダ国内の大きなイスラム教徒の団体CMOの幹部アヤン・トンカ氏は、禁止法案は「小さな問題に対する大きな法律」と呼んだ。なぜなら、頭のてっぺんからつま先までをすっぽり覆うブルカを着ているのは、オランダでは30人ぐらいの女性しかいないからだ。

【画像省略】
(写真はイメージ、ロイター)

 「心にやましいことがある人がブルカを着用するはずがないのに」、とトンカ氏はため息をついた。

 アムステルダム市長のヨブ・コーエン氏は、ブルカ着用は社会への融合や他の人々との意思疎通を阻害するという点から、好ましくないとしながらも、完全に禁止するのは正しいやり方ではない、と述べた。「私だったら、『着る人が減ったら、もっといいのに』と言うだろう」。

 オランダの人口約1600万人の中で、100万人がイスラム教徒だと言われている。インドネシア、トルコ、モロッコなど、さまざまな国の出身だ。

オーマイニュース英語版から〔11月18日掲載〕)

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは3件。

3 WilЬur Wright 11/26 19:58
 ちなみに…。 ブルカは強制ではなくなっていますが、それでもまだ身に着けている人達がいます。
 その意志を尊重する事が 「自由意志を認める」 という事だと思うのですが、
 「強制されてないんだから着けるな」 というのはヒドい話です。
 多分、この法律が制定されたら、約30人の被害者は夏でもマフラーを着けて歩くようになるでしょう。

2 WilЬur Wright 11/24 15:59
偽ブルカ着用者に命でも狙われているのですかね。そうだとするならば、とんだとばっちりですね。犠牲者30人ぐらいの小さな宗教だから、この宗教は排除しようと言っているのと同じですね。こんな強行採決のような形をとるのは卑怯者のする事であって、国としてやっていい事ではないですね。


新型コロナが昨年5月8日(月)から5類感染症になってマスクを外す人もだいぶ増えましたが、ざっと見た感じで半数くらいの人はまだマスクを着用しているようです。公共交通機関(電車・バス)だともう少し多く、7割くらいの人が着用している感じですかね。時間帯にもよるのでしょうが。

今は大人数が密集する状況でもマスクの着用は本人の意思に任されているわけですが、これが強制されていないからマスクを着用するなということになると相当おかしな話になります。

この記事は宗教上の理由から特定の衣類を身に着けている人の話ですが、本質的には「オレが気に入らないから顔を見せろ」ということです。全身をすっぽり衣服で隠している姿がオランダの日常風景から浮いていることは日本人でもわかりますが、ストリーキングがちょこちょこニュースになるオランダで服装の自由を規制するのは筋違いではないでしょうか。

マスクは外したいですが花粉が…or2