見出し画像

ネットゲームにはびこる不正マネー

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/draft/20070410/452

あなたは知らないうちに参加している
A川 K(2007-04-10 16:07)
ネットゲーム。今ではひとつのゲームに1万人以上の参加も珍しくは無い、若者の間では非常に庶民的な存在であり、気軽に参加できるのが売りである。Massively Multiplayer Online(以下MMO)と呼ばれ、多人数同時参加型ゲームはそのコミュニケーションの面白さから、中毒的に熱中する若者も出てくるほどである。しかし、そういった若者たちに魔の手が忍び寄っている。


ガンホー・オンライン・エンターテイメントでは、MMOゲーム「ラグナロクオンライン」(以下RO)を運営している。このゲームはプレーヤーが画面上で冒険をしていき、しだいに強くなり、強い武器や防具などを手に入れることができるようになる。しかし、強くなって他者に自慢できるような状態になるには、膨大な時間を必要とする。そこで、Real Money Trading(以下RMT)と称して、ゲーム内通貨を円で売る会社組織が外部に現れ始めた。
 
RMT組織では、コンピュータ技術でキャラクターを自動的に動かし、敵を倒すことで、短時間に膨大な量の通貨を生み出している。そして、それを一般的なサラリーマンなど、時間はあまりないがゲームは楽しみたいという層へ売却する。中には「廃人」と呼ばれ、1日中ゲームをしているプレーヤーの中にも、こういったRMTを行いキャラクターの強さをはるか上の次元へ持って行こうとしている者まででてきている。しかし、規約上ではこれらは違反行為のため、運営側に見つかった時点でキャラクターは消去処分となったり、一時ゲームができなくなるなどの措置を受ける。そういったペナルティが存在しても、RMT組織も、一般プレーヤーもこれを続けるのである。
 
ROの元プレーヤーAさんは「いけないと分かっていてもやっていた。みんなやっているので自分だけ取り残されていく気がした」と言う。実際、やらないと追いつかないどころか、弱いので仲間はずれとされてしまうという事態も起きていたようである。一度RMTが介入したゲームでは、違反行為であるRMTを継続しなければ遊びとして成り立たないという現状なのである。できれば運営側になるべく見つかることなく、違反行為を続けられれば利益が出やすいことになる。
 
ここでゲームマスター(以下GM)と呼ばれる、運営側スタッフを金銭によって懐柔し、違反行為を行っても削除しないよう契約したり、懐柔されていないGMがどこに出現するのか、安全地帯はどこなのかという情報をRMT組織が手に入れ始めたのである。これによってRMT組織は、安定的に商業活動ができるようになったのである。こうやって得られたカネはどこへ行くのだろうか。単にそのRMT組織が儲かって株主に還元される、などという生易しいものではない。実は、国外へ送金されていたのである。主な送金先は北朝鮮、中国である。日本人からカネをまきあげ、本国へ送金する。こういった流れができていたのである。
 
ROの元プレーヤーBさんは「GMがグルになっているということを知ってゲームを止めました。結局、そういう不正を訴えた人の方が削除され、中国人プレーヤーが助けられているのを見て腹が立った」と、激しい憤りとともに述べた。懐柔されたGMは、あろうことか守るべき日本人プレーヤーを削除し、RMT組織メンバーの中国人プレーヤーを保護したのである。ROではもはや健全な運営は望めないと判断した一般人プレーヤーは、続々とプレイを停止しはじめたのである。
 
RO以外のゲーム状況はどのようなものであろうか。比較的健全に管理されていると高く評価されている「信長の野望オンライン(以下信オン)」の状況を調査してみた。運営側のコメントは「違反行為はこちらで発見するので通報の必要はない」とのことであった。独自に調査して違反を発見しているようである。しかし、筆者が街に出ると奇妙な光景を目にした。読めない名前のキャラクターが列を成して走っていくのである。詳しく調べてみると、午後8時ごろでは、怪しいキャラクターはひとつのサーバ空間に84体存在していた。おそらくすべて含めると300~500体は不正キャラクターが存在していると推測される。
 
意を決して怪しいキャラクターに質問をしてみた。しかし、言葉が通じないのである。返ってくる言葉はなんと中国語のピンインであった。筆者は中国語ができないため、英語でのインタビューに切り替えるも、相手も筆者もつたない英語でなかなか意思の疎通がままならない。やっとのことでインタビューを終えた。それによるとこの中国人は、北京郊外に住む学生であった。いわゆる裕福層であるが、小遣い稼ぎとして違反行為をしており、日本と中国の通貨の差から、ある程度利益になっているらしいことが分かった。自分のような者は多くいるので、悪いこととは思っていないとのことであった。しかし彼は、おそらく1ヶ月後にはキャラクターが削除されているだろうと言った。見つかるまでの稼ぎなのだそうだ。見つかって削除されたら、また最初からやりなおすだけであるとも言っていた。
 
今度は、一般人と見られるキャラクターへ質問をした。信オンプレイヤーのCさんは、RMT組織のキャラクターを「中華」と呼んでいた。「確かに中華は、いままでに2回ぐらい一斉に削除されました。おかげで気分がすっきりしました。でも、また最近増えてきているみたいです。増えてきたらザックリいなくなるので、安心してます。でも最近、名前が巧妙化しはじめています」 Cさんによると、RMTは巧妙に継続されているが、RMTに依存しているキャラクターは多くないという。管理が行き届いているゲームでは、RMT組織の魔の手はうまく入り込めていないようであった。
 
読者諸兄も、オンラインゲームをプレイする際にはくれぐれもRMT組織にご注意いただきたい。


参考:「ラグナロク」GMのガンホー社員逮捕 「ゼニー」を不正に増やし売却
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0607/20/news069.html

オーマイニュース(日本版)より

これも塩漬け記事です。投稿日はおそらく2006年8月31日朝。

この記事の場合は少し特殊で、故意に塩漬けにされたのではないかと思います。この記者さんが編集部から要注意記者としてマークされていたということもあって、投稿確認も後回し、編集はせずニュースのたね行きという状態だったのではないかと。状況証拠にすぎないといえばそうなのですがw

この記者さんはノラナイニュースにも原稿を投下していたかな。お名前は見かけた覚えがあります。