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【映画】『麦の穂をゆらす風』

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=0000000002796

監督ローチが描く、占領地で今も続く悲劇
まつかわゆま
2006-11-01 07:53

【画像省略】
撮影者:シネカノン提供

 監督ケン・ローチはパルムドールを受賞したカンヌ映画祭で言った。「兄弟が戦う、これほどの悲劇はない」「占領地でおこっていることは、この時代も今も変わりはない」「過去について真実を語れたら、現在についても真実を語ることが出来る」と。占領者に都合の好い「独立」のもと、妥協を受け入れない純粋な青年たちはテロリストと呼ばれてしまう。イラクで、パレスチナで、レバノンで。そんな今をローチは映しだす。

 彼の新作『麦の穂をゆらす風』の舞台は1920年代のアイルランド。イギリスの占領に対する独立運動と、独立後政治路線の違いによる内戦の時代だ。主人公は運動のリーダーである兄と医師を目指す弟の2人。ロンドンの病院に行くはずの弟が、占領軍による友人の拷問死をきっかけに独立運動に身を投じるところから物語は始まる。

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撮影者:シネカノン提供

 祖国の独立という大義のため、彼らは命をかける。拷問にも耐える。家族を助けるため仲間を売った友人の処刑さえもする。しかし彼らの上層部は占領軍と取引をして北部をイギリスに渡す条件で独立条約を結んでしまう。これがアイルランドに次の内戦という悲劇をもたらすのだ。そして主人公たち、兄はアイルランド政府軍の将校に、弟は反乱軍IRAに加わり兄弟で敵対して戦うことになる。

 この弟の純粋さを、作者は愛する。『大地と自由』でスペイン市民戦争に参加し反スターリン系グループで戦ったゆえに、ファシスト軍とスターリン系グループ二つの敵に狙われることになった青年を主人公としたように。しかし、妥協せずに反乱軍とレッテルを貼られた彼に行き場はなく、そこには悲劇が待っている……。

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撮影者:シネカノン提供

 ケン・ローチにはテーマがある。人を幸せにしようと考え出されたはずのシステムが、システムのためのシステムになり、目的を果たさなくなる不幸についてだ。10代を第2次大戦直後の解放と失望のうちに過ごしたローチは、「本当にみんなが幸せになるとはどういうことなのか」と考え続けているからだろう。

 現在70歳のローチは、69年『ケス』で話題になったころ、救いのないリアルな描写のままラストまで描き切っていた。テレビから再び映画に戻ってきた50歳すぎには、最後の最後に、ほんの少しの希望を残す描写に変化した。現実の方は60年代末よりも厳しくなっているはずだが、自分自身年を重ね、現実だけ突き付けられて耐えられるほど人間は強くはない、と考えるようになったからではないか、と思っていた。

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撮影者:シネカノン提供

 ところが、今回の『麦の穂をゆらす風』には、耳掻き一杯の希望もないように見える。希望にすがればどうにか未来を信じられるほどのゆとりも、今の時代にはなくなったということなのか。いや、もう希望に安心している暇はないのだ。

 今、声をあげ動き出さねばわれわれは過去の過ちを繰り返すだろう、という警鐘をローチは打ち鳴らしている。音にならない音で。それは振動として、腹の底に、胸の奥に、響いている。

 11月18日(土)より東京ではシネカノン有楽町、渋谷シネ・アミューズ他にて公開。


【編集部よりお知らせです】
 明治学院大学学生有志が11月11日(土)に映画『麦の穂をゆらす風』の特別試写会を下記要領で開催し、市民記者をご招待いたします。ご鑑賞ご希望の市民記者の方はお名前を明記の上、info@boomerang-net.org にお申し込みください。

■特別試写会・概要
日時:2006年11月11日(土) 18:00開場 18:30開演
会場:明治学院大学白金キャンパス3201教室

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


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この作品も未視聴です。WOWOWでやってたら観ようと思います。

明治学院大学の学生さんは非常にアクティブですね。

せっかくですので上記エントリからちょっと引用しましょうか。

■概要
日時:2006年11月11日(土) 18:00 開場  18:30 開演
会場:明治学院大学白金キャンパス 3201教室
    (アクセス)http://www.meijigakuin.ac.jp/access/shirokane/
料金:無料
定員:500名

主催:明治学院大学学生有志  協賛:シネカノン
協力:フリーペーパー『UNITED VOICES』
後援:明治学院大学国際平和研究所

映画『麦の穂をゆらす風』試写会御案内(LOSNAS blog 2006年11月4日)より(※強調部分は筆者による)

ちゃんと後援もつけておられるのですね。

「映画の上映やるのでちょっと見にきませんか?」は常套句かなぁw

動画はこれですね。

※日本共産党と中核派/革マルは公式には無関係です。

彼らの内ゲバの歴史を追うとめまいがしますので、ざっくりと理解するなら以下がよいと思います。

WBPC(Colabo問題)と中核派/革マルを絡めようとするツイアカがいるようですが、的外れなのでチラとでもそのような文言が見えたらスルーでかまわないと思います。時間の無駄ですしね。彼ら(中核派)の機関誌?『前進』を見てもWBPC絡みの話題(WBPCの活動を高く評価する文言)はひとつも出てきません。強いて言えば沖縄関連くらいですかの。


冒頭から1時間半聞いた(暇な空白氏登場部分のみ)感想。足立康史議員の姿勢は(あちらこちらのチャンネルに出演しているお姿を見てきた人間からすると)以前からこんなものなので気にはならなかったです。現職の国会議員(衆議院議員)にいっちょかみしてやるかと公表させただけでも収穫じゃないですかね。

こう書くと袋叩きに遭うのは覚悟ですが「票につながる、次の選挙に勝つる」と認識してもらえば本気で取り組んでもらえると思います。