見出し画像

日本酒試飲会「日本酒天国」に参加してみました

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/News.aspx?news_id=000000003309

お酒で味わう地域観光
H本 M樹
2006-11-23 12:41

【画像省略】
にぎわう会場内。1200人以上が参加した
撮影者:H本M樹

 勉強会で知り合ったある方からのお声がけで、東京・新宿の京王プラザホテルで11月10日に開かれた「日本酒天国2006」に参加しました。日本酒好きにはたまらないネーミングですね。この大試飲会は今回で9回目です。主催する「日本名門酒会」は、「日本酒の伝統を守り、良質で旨(うま)い酒を愛飲家にお届けしよう」という考えから、丁寧な造りを心がける全国の蔵元に呼びかけて1975年にスタートした、蔵元と卸問屋、小売店、消費者のネットワークです。

 開場は19時の予定でしたが、30分前には200人を超える列ができ、私もあわてて列に並びました。周囲では「去年はあれがおいしかった」「名門酒会のあの酒が有楽町のお店で飲めるんだよ」など、さまざまな口コミ情報が飛び交っていました。参加費は4000円で、「有料飲み放題テイスティング」といったところでしょうか。日本酒は味のバリエーションが多く、地域性も豊かなので、筆者の好みです。しかし、アルコールに強くない体質なので、飲み放題システムはありがたいやら残念やら。

【画像省略】
参加者が思い思いに、お酒を注いでもらう
撮影者:H本M樹

 冷酒もお燗(かん)酒になるほどのみんなの情熱が主催者側に伝わったのか、予定の15分前に開場し、受付で今回の日本酒の銘柄一覧リスト「お酒の手帳」が渡され、いよいよ入場です。人形町の今半のお弁当とお猪口(ちょこ)をいただきます。そのお猪口で、バンケットホールの壁面にずらっと並ぶ各蔵元のお酒から好みを選んで注いでもらい、試飲をするのです。1500人収容可能な会場には、すでに入場した方が「あれを飲もうよ」「これとこれはまず押さえておかなくちゃ」などと情報交換にいそしむ姿が見られます。周囲を見回すと、ずらっと並ぶのは蔵元のブースです。北は北海道から南は高知、熊本まで、その数は45にのぼります。日本酒の蔵元に加え、名門酒会に参加している焼酎やみりん、ワインのブースもあります。

 実は今年は、日本酒の当たり年と言われているようです。その理由の1つは近年の製造技術の発達です。また、2005年は台風の影響が少なく、秋に好天に恵まれ、酒米の質がよく、しかも冬の寒波が寒造りに好影響を与えたから、とのことです。日本酒の暦では例年、新酒は11月末ころからなので、いま出回っているお酒は基本的に05年に収穫されたお米で、秋から出回るのが06年につくられたものなのですね。

【画像省略】
人形町「今半」のお弁当。左下に、お酒の猪口を置く場所が用意されている撮影者:H本M樹

 お弁当をしっかりお腹に収め、いざ出陣です。5年前に初めて参加したときに「全ブースを制覇しよう!」と思いながらも、好きな味のお酒を繰り返し飲んでしまって、半数くらいで挫折(ざせつ)した経験があります。今回は当たり年とのことで、あのときのリベンジを密(ひそ)かに決意しての出陣です。最初にいた場所から近いということで、西から攻め上がることに。

 今回、印象に残ったものをいくつか。

 「八重垣」……兵庫・姫路市の蔵元です。味のしっかりさとまろやかさ、芳醇(ほうじゅん)な香りとさわやかさが絶妙に交じり合っています。
 「月の桂にごり酒」……京都・伏見の蔵元がつくる通称「お米のシャンパン」です。ビン内で発酵させるにごり酒は、やわらかい口当たりとすっきりしたのど越しです。
 「鳴門鯛にごり梅酒」……超音波を使った酒造りで名の知られる徳島・鳴門の蔵元が、果肉を崩してつくった梅酒です。果物の食感がダイレクトに伝わってきて「食べる梅酒」のようでした。
 「瑞泉 飛良漱玉」……沖縄・那覇の泡盛蔵元です。ウィスキーのように樽で貯蔵して、樽の香りが楽しめます。

 1200人を超える参加者があったそうです。男女比は6対4くらいでしたでしょうか。年齢は20代のグループもあり、リタイア世代もありと幅広かったようです。

 日本酒の奥深さを感じるお酒はまだまだたくさんあり、蔵元の方との会話なども楽しみつつ、酔いながらも45蔵を無事制覇してきました。各蔵元では地元の肴(さかな)を持参してふるまっていて、それを口にしながら飲む酒はまた深まりが感じられました。新宿で「口で味わう観光」をしたような気分です。

 最近では、料理に合う酒という観点からの酒造りが進んでいるようです。やはり、食事のシーンで楽しむお酒という方が受け入れやすいのでしょう。最近は塩だけで酒を飲むという人は減ってきたのでしょうか。

 それにしても、日本酒ひとつをとってみても、さまざまな味があります。最近は地元の米を使ってつくるという流れが増えてきました。狭い日本の中での食文化の広がりを体験できたいい機会でした。次はぜひ蔵元にお邪魔して、地元の食材とあわせて飲んでみたいと思います。

オーマイニュース(日本版)より

※引用文中【画像省略】は筆者が附記


この記事についたコメントは2件。

2 ヒラポン 11/24 16:14
ふねしゅーさま
 コメントありがとうございます。

そうですね。日本酒は、広がりも深まりも大きいものだと思います。
 日本酒を知ることは、日本を知ることの
 大きなツールの一つでもある、という思いもあって、楽しんでいます。

来週頃から、新酒があちこち出回ってくるころでしょうか。
 ぜひ、日本酒を楽しまれてくださいね!

1 ふねしゅー 11/23 22:07
日本酒好きの一人として、読んでいて楽しくなる記事でした。

お酒というのは、その国や地域の食文化と密接な関係がありますし、祭事に用いられることもありますし、奥が深いものだと思います。

長らく洋酒に押されていた日本酒が、最近は若者や女性にも人気だといいますが(私もギリギリ若者かな?)、こういった蔵元さんたちの努力の賜物でもあるのでしょうね。嬉しいことです。

今年が当たり年だとは知りませんでした。読んでいたら呑みたくなってきました。


こういうイベント参加報告の記事は読んでいて楽しくなります。読者としても来年は行ってみようかなと食指を動かされます。

この記事のような試飲会だと東広島市・西条の酒まつりなら行ったことはあります。

飲み比べができるのもこういうイベントのよい点ですよね。