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お湯の出る井戸(3)

引用元URL:http://www.ohmynews.co.jp/HotIssue.aspx?news_id=000000000577

異常な水温は続いている 【地震・震災特集】
記者名 上久保 廣信

 「お湯の出る井戸(2)」で焼津市立大富小学校に続いて焼津市立港小学校でも井戸の水温の上昇が観測されたことを書いた。

 2005年8月9日の朝8時、私は港小学校の井戸をふさぐマンホールのふたを開けて驚いた。むっとする熱気を顔に感じたのだ。井戸水を採取して触れて見ると温かい。

 この時点での水温は38.2℃。この温かさは7月31日から始まった水温の上昇が8月5日に52.6℃となり、その後、水温がゆっくりと下がっている途中の時点の温かさであることがわかった。

 すぐに、井戸内の二酸化炭素濃度を測定してみたところ大気中には通常0.03~0.04%含まれる二酸化炭素が、検知管の目盛りを振り切る1%を超えていた。

【画像省略】
井戸の中の二酸化炭素濃度を測定する。大富小学校では、この日も1%を記録したが、原因は今のところ分かっていない。(2006年8月9日撮影)
撮影者:堀 信

 マンホールを開けて30分後に再度、二酸化炭素を計測したところ、通常に近い濃度まで下がっていた。水温の上昇と二酸化炭素濃度の上昇の関連は今後の研究課題であるが、地下深部で生じている現象を解明していくうえでの貴重なメッセージであると考えている。

 この後、東京大学地震研究所の佃為成助教授との打ち合わせ場所である大富小学校へ車で向かった。この付近一帯の水温が上がっているのではないかと考えてしまうほど、先ほどの体験は自分にとって大きな衝撃だった。途中で小川を通り過ぎたとき、思わす車を停め、その小川に手を入れたほどである。さすがに小川の水は冷たく、温水ではなかった。

 その後、この井戸での水温は2005年の冬にかけて3℃から5℃の水温上昇を見せながら通常の水温に戻っていったが、12月20日には37.9℃を記録するなど、水温の異常はその後も続いている。

 港小学校の教頭先生とお話する中で痛感させられたことがあった。東海地震の予知というテーマである。海に近い学校にとって、大地震の予知は切実な問題となっていた。

 水温の異常と東海地震との関連については現在のところ不明だ。しかし、定期的に学校を訪問し、現在の水温の様子や最近の地殻変動の様子などの情報を交換することだけでも大きな意味があるはずだ。

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2006-09-02 16:44

※引用文中【画像省略】は筆者が附記
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このような観測がどのような意味を持つのかは事が起こった後でわかるものです。コツコツと積み重ねたものが無意味だったりすることも多々あるわけですが、宝くじを買わない人に1等前後賞あわせて10億円当たる確率は確実に0%なので、連番10枚を1セットだけでもちまちま買うのが希望をつなげて良いのではないかと思います。