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まえばし心の旅017:花火大会

夏の楽しみは、花火だろう。子供の頃、親戚の家に行ったりすると、みんなで花火を楽しん だ。まあ、大人になった今でも、夏にバーベキューなどをすると、暗くなるとどこからか花 火が出てくる。最初は勢いのある花火を手に取る。そして最後は、線香花火を手に持ってし ゃがみ、しみじみとした気持ちになりながら、パチパチと弾かれる火を見て、いつまで持つ かを競争する。そういえば最近は、ネズミ花火やロケット花火を見なくなったなあ。


そんな手持ち花火もいいが、打ち上げ花火の迫力は格別だ。前橋花火大会は、昔は 8 月15 日と、日付が決まっていた。お盆の中日に行うのは、前橋に帰省した人に見てもらいたいと いう意味と、お盆なのでさまざまな霊を鎮魂するという意味があるのではないかと思って いる。


小さいころは、まだ2学期など遠い未来のことと思っていた 8 月 15 日、花火大会は毎年、 あるホテルのビアガーデンで、肉を焼きながら見ていた。まあ、花火よりもお肉の方に夢中 だったが、

でも、「スターマイン」とか「ナイアガラ」などという言葉を覚えたのは、地元で花火大会 があるからだ。「空中ナイアガラ」は、前橋花火大会が発祥という説も聞いたことがある。

大人になると、ものぐさ癖が出て、住んでいるマンションの廊下にテーブルを並べて、ケー タリングを頼んでビールを飲みながら見た。そのうちそれも面倒くさくなり、行きつけのお 店のテレビで、群馬テレビの中継を見ていた。それのいいところは、今上がっている花火の 順番がわかることだ。その頃は、花火大会というと大きな広告の様なものが配られ、裏面に は、打ち上げられる順番で、花火の種類と協賛企業の名前の一覧があったが、外で見ている と、今何番の花火が上がっているのか、よくわらない。でも、テレビは画面に番号を表示し てくれるので、とってもわかりやすかった。

ここ数年は、その大きな紙が、おしゃれな冊子になった。さらに、「世界 Web 花火大会 in Maebashi」なるものも開催され、世界中から集められた動画の花火作品のうち、優秀作品 が実際の花火となって打ち上げられる。これは、いままでは「見る」だけの花火大会だった ものが、「参加する」花火大会になりつつある動きだと思う。

コロナ禍のため、もう 2 年も花火大会が開かれていない。でも、その間に花火師の有志の方 が、何度か花火を上げてくれている。花火は、心をぱっと明るくしてくれる効果がある。花 火の明るさで、みんなの心に明かりを灯してくれた花火師さんのそんな粋な計らいに応えるためにも、ぜひ来年は、花火大会を、みんなで楽しみたい。

放送日:令和3年8月11日

音声データはこちらからお楽しみ下さい。


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