見出し画像

まえばし心の旅025:前橋まつり

夏になると、近所から祭りのお囃子や、太鼓の音が聞こえてくる。そうすると、「あ、今年もおまつりの準備が始まったんだな〜」と思う。地域の小学生が公⺠館に集まり、お囃子の練習をしている。思い返すと、30 年以上前、私も参加していた。大人に指導してもらい、 最初は座布団を太鼓がわりにして、慣れてくると本物の太鼓を叩かせてもらえた。


思えば、子供のころからずーっと、何らかのかたちで前橋まつりに参加している。私が通 った小学校には鼓笛はなかったが、子供の頃は、日吉町二丁目の山車。大人になってからは、 土曜日は勤めていた会社のお神輿を担ぎ、日曜日には地域の神輿を担いだ。当時は「体育の 日」がまだ 10 月 10 日に固定されており、休み明けの月曜日は平日だった。2 日連続でお神 輿を担ぐと、流石にその翌日は仕事をする気にならない。なので、月曜日はたいてい有給休暇を取っていた。「体育の日」が月曜日になったのは、前橋市⺠のためだ。

一緒にお神輿を担ぐというのは、連帯感がわく。会社や地域で普段あまり会わない人も、 一気に仲良くなれる。まあ、お酒も入っているし。そしてその晩は、お祭りの格好をしていると、まちなかに呑みに出ると、「お疲れ様!」とか声をかけてもらえて、けっこう大きな顔ができる。

そのうち、縁あって紅勇連の世話人に仲間入りをさせてもらい、馬を担いだり、笛を吹いたりしている。事前の段取りや準備から始まるので、お祭りを作り上げている感覚も味わえ る。

昔の前橋まつりは、ひょっとしたら、まちなかに近い人や、お神輿や太鼓などが好きな人 だけしか参加できなかったのかもしれない。しかし、「だんべえ踊り」が生まれて、どこに住んでいても、個人でどこかのグループに所属すれば、参加できるようになった。あのだんべえ踊りのメロディはテンションが上がるし、たくさんの人が楽しそうに鳴子を鳴らしな がら踊っている姿は、見ている方もうきうきする。

前橋まつりの2日間、おそらく、一年で一番、まちなかに人が集まるのではないか。お祭りに参加していなくても、参加している家族や友人を応援したり、露天の食べ物やおもちゃを買ったり、友人や家族、または恋人と一緒にいる時間を楽しむことができる。まちに人が集まり、人生の一時を共有する。そこに、山車やお神輿、太鼓や踊りなどの高揚した魂も集 まり、まちに力と活気を注ぐ。その力は、1+1=2 の足し算ではなく、掛け算となり、数倍にふくらむ。

台風とコロナで、リアルな前橋まつりが、3 回できていない。コロナの中、リモートで仕事や打ち合わせができることがわかったが、逆に、人と会うことの重要性に気づいたのではないか。おまつりがなかったこの間、おまつりとは何か、仕事とは何か、そして、人間とは何かという、根源的な命題を突きつけられ、向き合った人も多いだろう。

今年は、公式では、前橋商工会議所を中心に、Web とリアルのハイブリッドで前橋まつりの継承を行い、⺠間では、私どものYouTubeチャンネル、「前橋まちなか チャンネル」が、10日18時から、「Webで前橋まつり2021」と題した YouTube 配信を行う。エピソード投稿、クイズで計10 名の方には賞品も準備しているので、ぜひお楽しみ下さい。

来年こそは、蓄積された3 回分の力を結集し、その力を何倍にも膨らませ、前橋の煌めきをめいいっぱい輝かせたい。

放送日:令和3年10月6日

「前橋まちなかチャンネル」のYouTubeチャンネルはこちらから!

音声データはこちらからお楽しみ下さい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?