iTunes Matchについて

5月2日からはじまったiTunes Match。使ってみての記事もいろいろでてきていますが似たり寄ったりの記事がおおい気がしますので、配信よりの視点を加えた個人的な感想を。iTunes Matchの基本的な仕組みは各記事を参照してください。

iTunes Matchに関する記事

Engadget Japanese : iTunes Match 使用レポート。長年のCD リッピング派には福音、高音質派にもメリットあり

エキレビ!:話題のサービスiTunes Matchを超ていねいに解説してみた

まずiTunes Matchを一言で表すと”Scan, Match & Upload型のCloudロッカーサービス”になります。これを配信的に分類すると

1. iTunes で取り扱いのある楽曲(Scan & Match )

2. iTunes で取り扱いのない楽曲(upload)

となります。

1. iTunes で取り扱いのある楽曲(Scan & Match )に関しては各レーベルとの契約の上になりたっている部分だと思います。一度何かしらかの購入行動(CDレンタル、友人間の貸し借りからのリッピング含む)を行った楽曲に関して、iTunes Match経由で追加で課金できるという部分は音楽業界にとってはビジネスの広がりがありとてもいい事だと思います。もちろん権利者に分配されるにはiTunes Matchでクラウドに保存されるだけでなく,実際にダウンロードもしくはストリーミング再生される必要がありますが。iTunes Match経由での収益分配は以前の記事で参照したtunecore Japanのページを参照してください。

2. iTunes で取り扱いのない楽曲(upload)に関しては、今までも個人使用のNASや、Dropboxのようなサービスを使う事で個人でもCloudロッカーとして利用する事は可能でしたが、ネットリテラシーの高い人でないと取り扱いが難しかったのが現状です。今回iTunesというすぐれたインターフェィスでローカル楽曲と遜色なく取り扱う事ができるようになることは、日本のデジタル音楽マーケットにおいて大きなマイルストーンではないかと思います。今後、例えばツタヤオンラインなどがCDレンタルと組み合わせたアップロード型のCloudロッカーサービスなんかを提供してくれば面白いと思います。

では2. iTunes で取り扱いのない楽曲(upload) の権利者への分配はどうなるのでしょうか?おそらくですが、ユーザーがいずれかの手段によって入手した音源をユーザー自身が利用しているだけですので個人利用の範疇となり、権利者への分配はされていないのではないかと思います。(著作権使用料は別だと思いますが、こちらも個人利用の範囲となれば画期的だと思います。)逆説的に、収益を分配してほしければiTunesで配信しなさいという交渉をiTunesは行うのではないでしょうか。なので僕らユーザーとしては配信していないアーティスト(例えば、ジャニーズ系、一部の楽曲・サイトでは配信を行っていますがMr. Children, サザンなど)の楽曲をiTunes Match経由で再生する事でiTunesに交渉の後押しをする事ができるかもしれません。

僕は”世の中の楽曲はすべて正規のデジタル配信経由でユーザーに届けられるべし”と思っていますので、こういった草の根運動を地味に行っていたりします。配信している曲はサブスクリプションサービスで、配信していない楽曲はTSUTAYAでレンタルしてiTunes Matchへ。これで月額約1,300円です。

しかし、iTunes MatchのMatching、時間がかかり過ぎですね・・・・。

 



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