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句集を読む

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句集を読み、収録句の中から印象に残った句を何句かpick upさせて頂いています。
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2023年6月の記事一覧

句集を読む:『天球儀』

『天球儀』 春日石疼 2019朔出版  著者は昭和29年大阪生まれ、昭和57年より福島市在住、医師。「小熊座」同人。 [章立て] Ⅰ月光の檻 平成10~20年 Ⅱ未完の驟雨 平成20~26年 Ⅲ鳥の道 平成26~30年 [好きな句12句] 鳥雲に地図から消えし生地の名 杖百本齢千年滝桜 さざなみの畦より生まれ畦に消ゆ 花野踏む間も幼子に死は育つ 地下街をつなぐ地下街寒の入 原発爆発映像医院待合冴返る 廃炉まで蛍いくたび死にかはる 動くものをらぬ帰宅や冬燈 進化とは遺失のひ

句集を読む:『むかごの貌』

『むかごの貌』 小谷迪靖 2023ふらんす堂 著者は1939年東京生まれ。「海棠」同人、本書は著者の第2句集。 [章立て] 氷頭膾 2017年 皮蛋 2018年 九絵 2019年 定家煮 2020年 漉油 2021年~2022年2月 [好きな句10句] 鱈づくし先づお澄ましの白子から 留守電に在りし日の声冬桜 とは言へどバレンタインのチョコレート 登りきて投入堂の涼しさに 余生いましをりのやうに吾亦紅 ひとつとて同じ貌なきむかごかな 負け牛をさすりゐる勢子隠岐の秋 人の死