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貸し切り温泉旅館に来ている

なんとリッチなことに、お正月はひとりで温泉旅館に来ている。
気温はマイナス9℃。さらさらとした雪が降り、庭木はもっこりと雪に埋もれている。
お風呂は部屋についているので気楽だ。露天ではないが、浴室の窓からの景色は悪くない。隣の家の素敵なガスボンベが見える。
朝食は白いごはんとキャベツのみそ汁、焼き鮭、海苔、漬物、昨日のカレー。
キッチンがあるので料理は冷蔵庫から出して温めて食べる。人間に給仕されるのを好まないし、とにかく人間に会いたくないので、湯治宿式セルフサービスは快適だ。
インターネットも新聞もテレビもみない。なにもせずにぼぅっと、窓の外の吹雪を堪能している。
ここのお湯は、なんと北欧式サウナと日本の温泉の良いとこどりだそうで、外で雪かきをしたあとお風呂に入り、また外で雪と戯れるのだそうな。心臓さえ強ければ爽快な入浴法だ。
一応の雪かきはしたので、お風呂に男山を瓶ごと放り込んでお燗にしている。猫もバケツで壺湯につかってびしょびしょになった。
もう今日は布団と猫から離れないぞ
(と思ったけど、夕方から大掃除の続きをやってしまった。温泉宿設定なんて、雪かきの圧倒的リアルにかき消されるよね。トラディッショナルブーツとスノーダンプは無敵)