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日本版メタバースを創るとして...

※メタバースについて専門家とか詳しく調べているわけでないので、あくまでも個人の妄想の範囲なのでご了承ください。
今回最近話題のメタバースについて、個人的に感じたことや思ったことをまとめたいと思います。

はじめに

そもそもメタバースとは、メタとユニバースの造語らしいです。個人的に調べてみると、メタバースという文脈で様々な企業が取り組んでいますが、仮想空間という点は一致しているものの中身はだいぶ異なりました。この部分は、AIという言葉似ていると感じます。それぞれの時代によって、AIという言葉が指す意味は変わってきました。詳細は省きますが、現時点ではAI=深層学習(ディープラーニング)という位置付けになっていますが、このAIにはその時代によって背景にある技術的な部分は大きく異なります。そのため、私としては「メタバース」という言葉で抽象化されていますが、その意味する部分はそれぞれ違うという印象です。

海外と日本の文脈の違い

アバターの違い

そのようなメタバースですが、会社に限らず国による価値観に大きく影響している部分もあると思います。例えば、仮想空間でコミュニケーションをとるという部分に焦点を当てると、日本でよく用いられている「Cluster」の場合トップページに登場するキャラクターの多くは、アニメ調のアバターが多いです。この点、既に提供終了してしまいましたが、以前トヨタが運営していた「Meet Me」というサービスも同じことが言えると思います。しかし、海外で提供されているVRChatや、仮想空間の代名詞ともなっているSecondLifeの場合、トップページにはリアルや人ではないアバターが登場します。ゲームとかでもよくあるらしいのですが、アジア圏の場合は日本と同じようにアニメ調のキャラクターでも通用するらしいのですが、西洋だとリアルなデザインの方がウケるみたいです。(最近は日本文化が海外進出しているため、必ずしもそういうわけではないらしいですが...)しかし、このような文脈の違いは利用される環境や、中身のコンテンツに大きく左右する部分だと思います。

コンテンツの違い

私はOculusQuest2を持っているのですが、最近Meta(旧名Facebook)がリリースしたサービスでは、仮想空間にデスクやPCがありそこで仕事をしたり会議に出られるといったものでした。他にも、他社からもコアワーキングスペースのようなサービスや、FPSなどより臨場感がある方が楽しめるゲームが数多くリリースされています。しかし、日本の場合VARKがライブ空間としてのサービスや、VRChat上でのVketなどエンタメに特化したものが多いように感じられます。詳しく調べたわけではないので断言はできませんが、仮にこのような違いがある場合、海外では「3次元空間を仮想化したもの」であるのに対し日本では「2次元空間の延長線」にメタバース空間は存在しているのかもしれません。

コンテンツを利用した仮想空間

仮に日本のメタバースでは「2次元空間の延長線」とした使い方が主な場合、海外と異なりその空間に存在するべきコンテンツが必要となります。この点、国内には様々な2次元コンテンツがありますが、仮想空間を軸に区別した場合、大きく分けて「創作型」または「参加型」に大別されると思います。

創作型の場合

創作型とは、アニメやライトノベル等の原作者の創作を中心に展開されているコンテンツのことを指します。この場合、仮想空間上で作品を体験することが必要となるため、その世界への高い没入感が求められます。そのため、再現度が高いことやストーリ等の追体験が重要となりますが、作品毎の特徴によって空間内での機能が異なります。

観光的側面

このようなコンテンツの場合、仮想空間ないで期待されるものとしてストーリーや作品の世界の追体験が挙げられると思います。具体的には、登場した街並みや名シーンの再現などが挙げられます。しかし、これらは基本的に原作の流れで進める必要があるためユーザが介在する余地は少なく、展示がメインとなり観光地のような空間となってしまいます。もちろん、現実世界の歴史上の観光地の場合も既存のストーリに沿った形で楽しむことは変わりませんが、創作作品と大きく異なる部分として不明瞭な部分に自分なりの解釈を入れられる点が挙げられます。そのため、ユーザ側が部分的に想像でストーリを補完し楽しむことができますが、創作型のコンテンツの場合全ては原作者に依存してしまうため、作品を中心に空間を構築する場合二次創作のような描かれていない部分やIFなどは考慮されないと思います。仮に、ソードアート・オンラインのようなRPGゲームなど付随する価値をつけることができる場合、このような場合であっても比較的空間として成り立ちやすいと思いますが、それ以外の場合は空間内での変化も少なく観光地として常設することは難しいと思います。

憩いの場としての側面

では憩いの場としてはどうでしょうか。例えば、ご注文はうさぎですか?のようにカフェなどの人が集まる空間がテーマになっている場合、展示としての側面もありますが付随する機能としてカフェが存在します。空間内でどのようなことができるかにもよりますが、実際に仮想空間上にコアワーキングスペースを展開しているImmersed内にはカフェスペースが存在します。極端な話かもしれませんが、いわゆるコラボカフェのようなメインとなる機能に付随する形であれば常設でもある程度成立するのではないのでしょうか。具体的には、ごちうさの世界を味わいたいからその空間にいくのではなく、カフェに行きたいからせっかくならごちうさの世界観の場所に行きたいというように、単体ではなく他の価値と組み合わせることで毎日とはいかなくてもある程度の集客は見込めるのではないでしょうか。

参加型の場合

参加型の場合、主にVTuberやゲームなどがあげられます。創作型とは異なり、原作からユーザへの一方方向ではなく双方向でコンテンツに参加することが求められる点があげられます。また、空間を構築する上での大きな違いとして環境に縛られないといったことがあげられます。

VTuberの場合

VTuberの場合、基本的には配信者と視聴者のみで成り立つため世界観や設定を考慮する必要はありますが、比較的場所や空間に縛られず仮想空間に取り込むことができます。例えば、海賊のキャラクターであれば海賊船や大航海時代の雰囲気に沿っていれば、創作型のように忠実に世界観を再現せずとも視聴者が納得する形であるかぎり様々な形で空間を構成することができます。また、VTuberは概念としてバーチャル空間に存在しているため、このような実世界ではない空間でキャラクターが存在していることに対し違和感なく受け入れることができると思います。そのため、ファンとの交流イベントや公開収録など現実世界では工夫が必要なことも比較的容易に、また世界観に合った形で実現できるという点は大きな魅力になるかと思います。

イベントの場合

ここでのイベントとは、同人活動や二次創作などを用いたものを指しています。これらは創作物という点では創作型と同じですが、大きな違いとして構成されている要素の一部にユーザの主観的な見解が含まれている点が挙げられます。そのため、ユーザがある程度自由に空間を作ることができればリアルイベントに比べ表現できる幅が広がり、参加者もよりイベントを一緒に作り上げることができるようになります。また、仮想空間ならではのデジタルデータや。小さいイベントを開きやすいという点もあると思います。

最後に

今回、個人的にこんな空間があったらいいなということを色々と書いてましたが、それぞれのコンテンツ毎に特徴や機能が異なるため可能な限り同じ空間に様々なものがあるという形が望ましいと思います。メタバースという文脈では仮想空間でのコミュニケーションに注力されがちですが、正直いきなりそのような環境に呼ばれても自分も含め戸惑う人が多いと思います。特に、既にコミュニティが形成されている状態で新しく入る場合、ユーザがアバターという形で隠されているため心理的ハードルも高いと思います。そのため、まず一歩を踏み出すという意味では多くの魅力があり様々な目的を作りやすい方がとっつきやすいと思います。
話は変わりますが、meet-meというゲームをご存知でしょうか。2008年にローンチされたゲームで、東京23区の仮想空間で家を建てたりスローライフを送ったりすることができるものです。残念ながら2018年にサービス終了となってしまいましたが、当時は日本発のメタバースということで注目されていました。私はその頃小学生だったので覚えていませんが、その時から既にメタバースという言葉は使われておりブームがあったようです。だいぶ遅れてゲームをプレイし始めたので、初期の頃がどうだったかはわかりませんが、自分が入り始めた時はあまり人がおらずコンテンツもそこまで多くなかったのでメインで行っていることは徘徊でした。調べてみると、やはり新しくユーザがゲームを始めても定住せずにすぐやめて行ってしまうという問題があったみたいです。今回のブームでは、メタバースの他にVRとブロックチェーンまた、感染症で外に出ずらいなどが合わさって大きくなっていますが、やはりユーザを惹きつけるものがなければいずれ縮小して行ってしまうと思います。その点、国内では様々な仮想空間と相性が良いコンテンツが存在すると思いますので、是非誰かにそれらを活用しつつ楽しく魅力的なメタバース空間を作ってほしいと思います。

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