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スポーツとメディア⑤、⑦【エジンバラ 大学留学:後期】

課題や就活で忙殺され、すっかりレクチャーのまとめが後回しになってしまいました。

スポーツメディアで5、7週目(6週目は休み)で扱ったトピックは、

5週目 スポーツメディアとミリタリズムとナショナルアイデンティティ

週目 Critical Discourse Analysis

でした。

5週目 スポーツメディアとミリタリズムとナショナルアイデンティティ

このトピックは課題でも取り扱ったので、どこかでまとめたいと思います。オリンピックに見る日本の航空自衛隊のBlue ImpluseとUKのRotal AirForceの Red Arrowsの役割の比較分析をしました。


週目 Critical Discourse Analysis

Critical Discourse Analysis(批難的談話分析)を学ぶということで。
他の分析方法なども紹介していたのでここで記載します。

なんのこっちゃということですね。詳細は以下のホームページをご参照ください。わかりやすくしてく解説してくださっています。

Discourse ガイド(とても分かりやすかったです。


ざっくりした理解としては、記事を読む、そこには書かれていないことを社会的な背景を通じて、解釈するみたいな感じだと思います。

例えば、ある論文では橋下元府知事の、教育改革に関して、子供に均等を用意することが、一番重要だという記事をCDAで分析した論文がありました
ここで橋本さんの他の談話(Discourse)を比べてみて、その背景にある思想は自由主義的な教育原理であるという分析でした。それを教育と競争主義の性質と比較して、そぐわない面もあると批判的に検討するものでした。

教育と競争は、興味深いトピックではありますよね。

授業に戻ると、簡単にCDSの分析手順が紹介されています。

1. テキストの背景について考える
トピック/問題に対するより広範な(歴史的および現代的な)イデオロギー的コンテクスト
"イギリス国民は軍隊を十分に支持していない」。
戦争におけるイギリスの役割についての反対や疑問の増加
2. テキストの構成を確認する
議論されている物語やストーリー - 異なるグループ(異なる力関係やイデオロギー的嗜好を持つ)によって、どのように明確化され、フレーム化されているか?
3. それらはどのように受け取られ、利用されるのでしょうか?
権力やイデオロギーとの関係で、これらの物語を説明する。別の表現や読み方を検討する。

イデオロギー研究について

イデオロギーを研究することは、意味が支配の関係を維持するのに役立つ方法を研究することである(Thompson, 1988:370)ということで、どのように、メディアが意味づけして、支配をしていくかを考えます

メディアの意味付けの方法

Legitimation (支持するのに値するもの)

権威付けみたいなものでしょうか。

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Dissimulation(権力・支配の関係を隠すこと)

イラクで殺された20万人の無実の民と、イラク侵攻・占領・解放の合法性への疑問。批判の矛先をずらすということでしょうか。

Analysing Ideology

“news discourses help to naturalize a cultural politics of legitimacy so as to lend justification to modern society’s distribution of power and influence … these news discourses effectively depoliticize the dominant meanings, values and beliefs associated with these inequalities, and in so doing, contribute to their perpetuation”
(Allen, 1999: 83).
"ニュースの言説は、現代社会の権力と影響力の分配を正当化するために、文化的な正統性の政治を自然化するのに役立っている...これらのニュースの言説は、これらの不平等に関連する支配的な意味、価値、信念を効果的に脱政治化し、そうすることでその永続化に貢献している」。

要はニュースが正しいとされて、おかしい価値観も正当化してしまうことがあるよと。

Reification (permanent / natural reality)  具象化

具紹介の構成は二つ

①物語(ナラティブ)

②統語論 syntax(言語学の用語で難しいので以下を参照)

“母国語話者が句や文を作るときに、無意識に行う単語同士の組み合わせ戦略”がどのようになっているかを形態的にします。
https://www.linguage-school.jp/school/ginza-yuurakucyou/blog-yuurakucyou/2019032922753.html

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要は物語と適切な用語を組み合わせて、メッセージを伝えやすくしているということでしょうか。

マスメディアの記事を作るステップ(と理解しました)

1. 作成と拡散
→社会的・歴史的分析


2. 構築
→議論的分析

(意味を変える余地)


3. 受容と充当(割り当て?)
→解釈


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だから、

To analyse ideology in the mass media is to offer an interpretation which may intervene, which may serve as a resource for critical reflection among the very individuals who receive and interpret media messages as a routine part of their everyday lives. It may enable the subjects who make up the social world to reflect critically on their understanding of media messages and on the structured social relations of which they are part”
(Thompson, 1988:379)
マスメディアにおけるイデオロギーを分析することは、日常生活の一部としてメディアのメッセージを受け取り、解釈する個人の間に介入し、批判的な考察のためのリソースとなりうる解釈を提供することである。それによって、社会世界を構成する主体が、メディア・メッセージの理解や、自分が属している構造化された社会関係について、批判的に考察することができるようになるかもしれない。
(Thompson, 1988:379)

その他参考文献

Ruth, W and Michael, M. 2001. Methods of Critical Discourse Analysisを軽く


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