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凄まじいほどの虚しさ。まあ、いわゆる「教育虐待」のこと《後編》

※「後編」となっていますが、書き切れなかったので、このあと「後編2」に続きます。でも一応、これはこれで完結しています。

中2の数学が楽しくなる

 中2になって成績ビリたちが呼び出され、補習を受けた。そこで、証明問題とかaとかbとかxyを使う数学を教えてもらった。先生の教え方がうまかったんだと思う。なんだ、難しくないじゃん、おもしろいじゃん、となり、急に数学が得意科目になった。そうなると、他の科目もただ覚えるだけじゃん、となって1学期の中間、期末はごぼう抜きで成績順位が上位になった。他の先生達も廊下で会うと「あ、田房さん、あなたすごいわね」と笑顔で言ってくる。
 テストで良い点をとることに向けての勉強が楽しくて楽しくて、1分1秒も惜しいくらい常に勉強する生活になった。あんなに勉強して成績を上げてほしがっていた母にとっては、願ってもない変化だろう。やっと母に罵倒される日々が終わる、と思った。
 母は夢中になることを、私の成績から「ホームステイ」へスライドさせた。夏休み、見知らぬ外国人留学生を家に住まわせるという。私は勉強したいのに、他人が家にいたらやりにくい、勉強に集中させてほしいと言った。母は「お前は関係ない、自分で勝手に勉強やってればいいだろ」と怒り狂い、ホームステイの手続きを進め、スウェーデン人留学生が何か月もうちで暮らした。《「母がしんどい」に登場するのはこの次の年の夏休みに来た留学生。最初の人は母と仲よくしてくれた》

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