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服の設計士hagyの「服の見どころ・腕の見せどころ」vol.23~「パタンナー」って何してるの?chap2~

あれ最近涼しいですね
お盆休みも終わり、みなさまいかがお過ごしでしょうか
私でしたら最近湯婆婆に改名させられました

はい冗談は置いといて…

前回の続きです!

前回はたくさんの方に拡散・ファボ・閲覧していただきありがとうございました

で、まずは前回のこの表を

前回は【企画〜1st】まで終わったので続きから始めます

【1st〜展示会】
1stサンプルが出来上がり自分の作ったパターンを服として見ることができます
ここからは展示会に向けて大詰めですね

《パターン修正》…1stサンプルが完成するとパタンナーと企画(営業と生産も加わる企業も)で問題や改善点がないか検討します。
 それを受けてパタンナーは1stパターンを修正していきます。ポケットの位置を少しズラすくらいの簡単におわる修正もあれば、生地を変更したり袖を二枚袖からラグランに変えたりと大工事が必要な場合まで色々です。
 そして必要があれば2nd、3rdと追加でサンプルを作ります。が、ほとんどの企業は資金的にも時間的にも余裕がないので2nd〜を作ることはありませんね…

《用尺計算》…マーキングと呼ばれる仕事です。表地が何m必要なのか?裏地が何m必要なのか?パソコンのソフトを使って計算します。工場によっては工場で計算してくれたりもします。
 表地の用尺はダイレクトに商品の上代に関わるのでなるべく抑えたいところです。用尺が多いと生産や営業から突っつかれたりしますw

【展示会〜量産】
 展示会サンプルが上がってきたら縫製ミスや仕様間違いがないかチェックします。問題があれば工場に送り返したり、自分で直します。
 このちょっとしたお直しを自分で出来ることは、実はパタンナーの大事な能力のひとつだったりします。工場に送り返す時間がなかったり、送り返すまでもないちょっとしたことは、やはりパタンナーがしなくてはいけません。というよりだいたい他にできる人がいませんw(社内に縫製部署があって任せられる企業もあります)

 無事に展示会にサンプルを並べることが出来たらひと段落です。パタンナーの仕事のほとんどはここまでと言っても過言ではありません。
 一連の生産過程において、量産の商品がお客様の元に届くものなので、最高のものであることは当然ですが、そもそも展示会で量産のオーダーがつかないと終わってしまうので、展示会サンプルも非常に重要なのです。

《パターン修正》…展示会サンプル後の修正は微調整になります(もう展示会で公に発表しているので大きく変えられません)。なので展示会までに完成度を高くしないとダメなんですよね。
 上代も決まっているので芯地を増やしたりすると営業や生産からこれまた突っつかれますw(原価が上がってしまうので)

《グレーディング》…パターンのサイズ展開です。これもパソコンの製図ソフトで行う場合がほとんどです。(下の画像は参考までに)これをアナログに手でひいてすると時間が倍以上かかります。大変でメンタルがやられてしまいます。個人的には、手でグレーディングしてね!って言われたら、じゃ辞めますね!ってレベルで嫌ですw
 ちなみにこのグレーディングだけを仕事にしているグレーダーという職業もあります。参考までに。

《先上げサンプル検品》…量産を進行する前に一枚だけサンプルを作って最終の確認をします。この時点がパターンを修正できる最後のチャンスになります。
 パターンの出来具合の他にも、生地の強度に問題がないか、縫い方は合っているか隅々まで慎重に見ていきます。チェックが終わると↑のグレーディングをしてパターンを工場に送ります。

 このグレーディングをして工場に送るともう量産、つまりお客様の元に届く商品になるので絶対にミスれません!!!
 一応、工場でもパターンのチェックはしてくれるのですが、ミスがスルーされて間違った量産が1000枚とか上がってきた日には天に召されそうになりますw(自分はそこまでの経験はありませんが)
 しかもLLサイズとか展示会で作らないサイズは一発勝負なんで怖いものがありますねw

【量産〜販売】
グレーディングを終えて工場に送ったら、人事を尽くして天命を待つ、状態なんで工場さんを信じて量産が上がってくるのを待ちます。
 時々、工場から質問や発生した問題の連絡がきますので対応します。このトラブル解決能力もパタンナーにとって大変重要な能力です。

《納品前抜き上げ検品》…いわゆる納前検品ですね。完成した量産品から各サイズ各色1着づつ(例えば、S=白×1 M=全色1づつ L=白×1)送ってもらい検品します。もう量産品が完成してしまっているので出来る修正はごくごく僅かになります。納品形態の確認や、仕上げプレスの確認とかですね。

 納前検品が終わって無事店頭に商品が並べばパタンナーのお仕事は終了です!
あとは販売の皆さん頑張って売ってくださいね!と祈ります。


つらつらっとchap1とchap2に分けてパタンナーの仕事を紹介してきました
みなさまのパタンナーに対する理解度が深まれば幸いです

で、実はまた業態によってパタンナーの仕事が微妙に変わってくるので、それはchap3で紹介しようかと思います(一応、自分はいろんな業態でパタンナーとして働いてきましたが、全てを把握している訳ではないので、わかる範囲になりますがご容赦ください)

それでは最後までご覧いただきありがとうございました

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