「あっ」
創作をしないと人を自分の手でどうにかしてしまう日が来るのではないかと、ふと思った。
指に食い込む皮膚が、熱を帯びる程私の中の衝動がどんどん膨らむ。
「あっ」は、衝動が枯れ果てた瞬間に訪れる、間抜けな音ズレの様に。
「あっ」壊しちゃった。
「あっ」破っちゃった。
手の平でみるみる萎みゆく形。
「あっ」
…
紫色の野菜ジュースがべっとりと着いた丸襟の白いシャツ、行けない部分を切り刻んで後ろから白い紙をあてがえば元通りになると思っていた。
弟の長い睫毛が、自分よりも可愛いのが許せなくてハサミで切った。
満足に辿り着くまでに、どんな手段を使っても衝動が小さく丸く、収まり、何も言葉を発さなくなるまでやっていいと思っていた。
暴風が今も収まらない。
分かっていても衝動が収まらない。収める方法が分からない。
人の領土に手を出す事はタブーなのに、やってみなきゃ悪いことが身に染みない。
本来持っていた加害性の抑え方の答えは創作なのか。未だに捜索中。
カワイイだけじゃねじ伏せられない強さに今日も脅えている。
優しくありたい、穏やかで丸くまん丸でありたい、と思うほど押さえ付けた衝動は力を溜めに溜めて大きなバネとなる。何故なのか。
人の事情を想像せずに烈火のごとく怒るのはナンセンスなのを理解した上で思いのままに思いの丈をぶつけたい。
最初から期待なんかさせんなよ!!!!!と、期待をしたのは自分のくせして怒鳴り散らしたい。
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